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電気通信事業法
(昭和五十九年十二月二十五日法律第八十六号)

最終改正:平成一三年六月二二日法律第六二号



 第一章 総則(第一条―第五条)
 第二章 電気通信事業
  第一節 総則(第六条―第八条)
  第二節 事業の許可等
   第一款 第一種電気通信事業(第九条―第二十条)
   第二款 第二種電気通信事業(第二十一条―第三十条)
  第三節 業務(第三十一条―第四十条)
  第四節 電気通信設備
   第一款 電気通信事業の用に供する電気通信設備(第四十一条―第四十八条の三)
   第二款 端末設備の接続等(第四十九条―第五十五条)
  第五節 指定試験機関等
   第一款 指定試験機関(第五十六条―第六十七条)
   第二款 指定認定機関(第六十八条―第七十二条の二)
   第三款 承認認定機関(第七十二条の三・第七十二条の四)
  第六節 基礎的電気通信役務(第七十二条の五―第七十二条の十六)
 第三章 土地の使用(第七十三条―第八十八条)
 第三章の二 電気通信事業紛争処理委員会
  第一節 設置及び組織(第八十八条の二―第八十八条の十一)
  第二節 あつせん及び仲裁(第八十八条の十二―第八十八条の十七)
  第三節 諮問等(第八十八条の十八―第八十八条の二十)
 第四章 雑則(第八十九条―第九十九条の二)
 第五章 罰則(第百条―第百十四条)
 附則

   第一章 総則

(目的)

第一条  この法律は、電気通信事業の公共性にかんがみ、その運営を適正かつ合理的なものとするとともに、その公正な競争を促進することにより、電気通信役務の円滑な提供を確保するとともにその利用者の利益を保護し、もつて電気通信の健全な発達及び国民の利便の確保を図り、公共の福祉を増進することを目的とする。

(定義)

第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 電気通信 有線、無線その他の電磁的方式により、符号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けることをいう。

 電気通信設備 電気通信を行うための機械、器具、線路その他の電気的設備をいう。

 電気通信役務 電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他電気通信設備を他人の通信の用に供することをいう。

 電気通信事業 電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業(放送法 (昭和二十五年法律第百三十二号)第五十二条の十第一項 に規定する受託放送役務、有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律 (昭和二十六年法律第百三十五号)第二条 に規定する有線ラジオ放送、有線放送電話に関する法律 (昭和三十二年法律第百五十二号)第二条第一項 に規定する有線放送電話役務、有線テレビジョン放送法 (昭和四十七年法律第百十四号)第二条第一項 に規定する有線テレビジョン放送及び同法第九条 の規定による有線テレビジョン放送施設の使用の承諾に係る事業を除く。)をいう。

 電気通信事業者 電気通信事業を営むことについて、第九条第一項の許可を受けた者、第二十二条第一項の規定による届出をした者及び第二十四条第一項の登録を受けた者をいう。

 電気通信業務 電気通信事業者の行う電気通信役務の提供の業務をいう。

(検閲の禁止)

第三条  電気通信事業者の取扱中に係る通信は、検閲してはならない。

(秘密の保護)

第四条  電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。

 電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。

(電気通信事業に関する条約)

第五条  電気通信事業に関し条約に別段の定めがあるときは、その規定による。

   第二章 電気通信事業

    第一節 総則

(事業の種類)

第六条  電気通信事業の種類は、第一種電気通信事業及び第二種電気通信事業とする。

 第一種電気通信事業は、電気通信回線設備(送信の場所と受信の場所との間を接続する伝送路設備及びこれと一体として設置される交換設備並びにこれらの附属設備をいう。以下同じ。)を設置して電気通信役務を提供する事業とする。

 第二種電気通信事業は、第一種電気通信事業以外の電気通信事業とする。

 第二種電気通信事業者(第二十二条第一項の規定による届出をした者及び第二十四条第一項の登録を受けた者をいう。以下この項において同じ。)は、その設置する電気通信設備(伝送路設備を除く。以下この項において「第二種電気通信事業用設備」という。)の在る地点と利用者(電気通信事業者との間に電気通信役務の提供を受ける契約を締結する一の者であつて、電気通信事業者以外のものをいう。以下この項において同じ。)の電気通信設備の在る地点との間におけるその電気通信役務の提供に用いる電気通信回線については、当該第二種電気通信事業用設備を介して自らの電気通信役務の提供に用いる他の電気通信事業者の電気通信回線に接続されることとなるものであり、かつ、当該利用者が通常回線(それらの地点の間において当該第二種電気通信事業者が自らの電気通信役務の提供に用いる他の電気通信事業者の電気通信回線をいう。)の利用に代えて選択した場合に提供するものである限りにおいて、自ら設置した伝送路設備をその電気通信役務の提供に用いることができる。

(利用の公平)

第七条  電気通信事業者は、電気通信役務の提供について、不当な差別的取扱いをしてはならない。

(重要通信の確保)

第八条  電気通信事業者は、天災、事変その他の非常事態が発生し、又は発生するおそれがあるときは、災害の予防若しくは救援、交通、通信若しくは電力の供給の確保又は秩序の維持のために必要な事項を内容とする通信を優先的に取り扱わなければならない。公共の利益のため緊急に行うことを要するその他の通信であつて総務省令で定めるものについても、同様とする。

 前項の場合において、電気通信事業者は、必要があるときは、総務省令で定める基準に従い、電気通信業務の一部を停止することができる。

    第二節 事業の許可等

     第一款 第一種電気通信事業

(第一種電気通信事業の許可)

第九条  第一種電気通信事業を営もうとする者は、総務大臣の許可を受けなければならない

 前項の許可を受けようとする者は、総務省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書を総務大臣に提出しなければならない。

 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

 総務省令で定める区分による電気通信役務の種類及びその態様

 業務区域

 電気通信設備の概要

 前項の申請書には、事業計画書その他総務省令で定める書類を添付しなければならない。

(許可の基準)

第十条  総務大臣は、前条第一項の許可の申請が次の各号に適合していると認めるときは、同項の許可をしなければならない。

 その事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。

 その事業の計画が確実かつ合理的であること。

 その他その事業の開始が電気通信の健全な発達のために適切であること。

(許可の欠格事由)

第十一条  総務大臣は、前条の規定にかかわらず、次の各号の一に該当する者に対しては、第九条第一項の許可をしてはならない。

 この法律又は有線電気通信法 (昭和二十八年法律第九十六号)若しくは電波法 (昭和二十五年法律第百三十一号)の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

 第十九条第一項の規定により許可の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者

 法人又は団体であつて、その役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの

(事業の開始の義務)

第十二条  第九条第一項の許可を受けた者(以下「第一種電気通信事業者」という。)は、総務大臣が指定する期間内に、その事業を開始しなければならない。

 総務大臣は、特に必要があると認めるときは、電気通信役務の種類若しくは態様又は業務区域を区分して前項の期間の指定をすることができる。

 総務大臣は、第一種電気通信事業者から申請があつた場合において、正当な理由があると認めるときは、第一項の期間を延長することができる。

 第一種電気通信事業者は、その事業の開始前に、第九条第一項の許可に係る電気通信設備(総務省令で定めるものを除く。)が第四十一条第一項の技術基準に適合することについて、総務大臣の確認を受けなければならない。

 第一種電気通信事業者は、その事業(第二項の規定により電気通信役務の種類若しくは態様又は業務区域を区分して期間の指定があつたときは、その区分に係る事業)を開始したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

(氏名等の変更)

第十三条  第一種電気通信事業者は、第九条第二項第一号の事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

(電気通信役務の種類等の変更)

第十四条  第一種電気通信事業者は、第九条第二項第二号から第四号までの事項を変更しようとするときは、総務大臣の許可を受けなければならない。ただし、総務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。

 第一種電気通信事業者は、前項ただし書の総務省令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

 第十条並びに第十一条第一号及び第三号の規定は、第一項の許可について準用する。

 第十二条の規定は、第一項の場合(業務区域の減少の場合を除く。)に準用する。この場合において、同条第一項及び第四項中「第九条第一項」とあるのは、「第十四条第一項」と読み替えるものとする。

(業務の委託)

第十五条  第一種電気通信事業者は、電気通信業務の一部の委託(当該委託を受けた者が自己又は第三者の設置する電気通信回線設備を用いてその委託された業務を行うものに限る。)をしようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。

 総務大臣は、前項の認可の申請が次の各号に適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。

 その電気通信役務を効率的に提供するために当該委託を必要とする特別の事情があること。

 受託者が当該業務を行うのに適している者であること。

(事業の譲渡し及び譲受け並びに法人の合併及び分割)

第十六条  第一種電気通信事業の全部の譲渡し及び譲受けは、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 第一種電気通信事業者たる法人の合併及び分割(第一種電気通信事業の全部を承継させるものに限る。第四項において同じ。)は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。ただし、第一種電気通信事業者たる法人と第一種電気通信事業を営まない法人が合併する場合において、第一種電気通信事業者たる法人が存続するときは、この限りでない。

 第十条及び第十一条の規定は、前二項の認可について準用する。

 第一種電気通信事業の全部の譲渡しがあつたとき、又は第一種電気通信事業者たる法人の合併若しくは分割があつたときは、当該事業の全部を譲り受けた者又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割により当該事業の全部を承継した法人は、第一種電気通信事業者の地位を承継する。

(相続)

第十七条  第一種電気通信事業者が死亡した場合においては、その相続人(相続人が二人以上ある場合においてその協議により当該第一種電気通信事業を承継すべき相続人を定めたときは、その者。以下同じ。)が被相続人たる第一種電気通信事業者の地位を承継する。

 前項の相続人が被相続人の死亡後六十日以内にその相続について総務大臣の認可を申請しない場合又は同項の相続人がしたその申請に対し認可をしない旨の処分があつた場合には、その期間の経過した時又はその処分があつた時に、第一種電気通信事業の許可は、その効力を失う。

 第十条及び第十一条の規定は、前項の認可について準用する。

(事業の休止及び廃止並びに法人の解散)

第十八条  第一種電気通信事業者は、電気通信事業の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、総務大臣の許可を受けなければならない。

 前項の事業の休止の許可は、一年を超える期間についてすることができない。

 第一種電気通信事業者たる法人の解散の決議又は総社員の同意は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 総務大臣は、第一種電気通信事業の休止若しくは廃止又は法人の解散により公共の利益が著しく阻害されるおそれがあると認める場合を除き、第一項の許可又は前項の認可をしなければならない。

(事業の許可の取消し)

第十九条  総務大臣は、第一種電気通信事業者が次の各号の一に該当するときは、第九条第一項の許可を取り消すことができる。

 第十二条第一項の規定により指定した期間(同条第三項の規定による延長があつたときは、延長後の期間)内に事業を開始しないとき。

 前号に規定する場合のほか、第一種電気通信事業者がこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるとき。

 第十一条第一号又は第三号に該当するに至つたとき。

 総務大臣は、前項の規定により第九条第一項の許可を取り消したときは、文書によりその理由を付して通知しなければならない。

(変更の許可の取消し)

第二十条  総務大臣は、第十四条第一項の規定により第九条第二項第二号から第四号までの事項の変更の許可を受けた第一種電気通信事業者が、第十四条第四項において準用する第十二条第一項の規定により指定した期間(第十四条第四項において準用する第十二条第三項の規定による延長があつたときは、延長後の期間)内にその事項を変更しないときは、その許可を取り消すことができる。

 前条第二項の規定は、前項の場合に準用する。

     第二款 第二種電気通信事業

(第二種電気通信事業の種類)

第二十一条  第二種電気通信事業の種類は、一般第二種電気通信事業及び特別第二種電気通信事業とする。

 一般第二種電気通信事業は、特別第二種電気通信事業以外の第二種電気通信事業とする。

 特別第二種電気通信事業は、電気通信設備(専ら符号又は影像を伝送するためのものとして総務省令で定めるものを除く。)を不特定かつ多数の者の通信の用に供する第二種電気通信事業であつて当該電気通信設備が、自らの電気通信役務の提供に用いる他の電気通信事業者の専用通信回線(利用者(電気通信事業者との間に電気通信役務の提供を受ける契約を締結する者をいう。以下同じ。)が指定する区間において電気通信事業者が設定する電気通信回線であつて、専ら当該利用者の用に供するものをいう。)を介して公衆通信回線設備(第一種電気通信事業者が設置する電気通信回線設備であつて、交換設備を含むものをいう。)を相互に接続して電気通信役務を提供できるように構成されているもの及び本邦外の場所との間の通信を行うための電気通信設備を他人の通信の用に供する第二種電気通信事業とする。

(一般第二種電気通信事業の届出)

第二十二条  一般第二種電気通信事業を営もうとする者は、総務省令で定めるところにより、次の事項を記載した書類を添えて、その旨を総務大臣に届け出なければならない

 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

 総務省令で定める区分による電気通信役務の種類及びその態様

 前項の届出をした者(以下「一般第二種電気通信事業者」という。)は、同項第一号の事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

 一般第二種電気通信事業者は、第一項第二号の事項を変更しようとするときは、その旨を総務大臣に届け出なければならない。ただし、総務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。

(一般第二種電気通信事業の譲渡し等)

第二十三条  一般第二種電気通信事業の全部の譲渡しがあつたとき、又は一般第二種電気通信事業者について合併、分割(一般第二種電気通信事業の全部を承継させるものに限る。)若しくは相続があつたときは、当該事業の全部を譲り受けた者又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人、分割により当該事業の全部を承継した法人若しくは相続人は、一般第二種電気通信事業者の地位を承継する。

 前項の規定により一般第二種電気通信事業者の地位を承継した者は、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

 一般第二種電気通信事業者は、電気通信事業の全部又は一部を休止し、又は廃止したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

 一般第二種電気通信事業者たる法人が合併以外の事由により解散したときは、その清算人(解散が破産による場合にあつては、破産管財人)は、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

(特別第二種電気通信事業の登録)

第二十四条  特別第二種電気通信事業を営もうとする者は、総務大臣の登録を受けなければならない

 前項の登録を受けようとする者は、総務省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書を総務大臣に提出しなければならない。

 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名

 総務省令で定める区分による電気通信役務の種類及びその態様

 電気通信設備の概要

 前項の申請書には、事業計画書その他総務省令で定める書類を添付しなければならない。

(登録の実施)

第二十五条  総務大臣は、前条第一項の登録の申請があつた場合においては、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除き、次の事項を特別第二種電気通信事業者登録簿に登録しなければならない。

 前条第二項各号に掲げる事項

 登録年月日及び登録番号

 総務大臣は、前項の規定による登録をしたときは、遅滞なく、その旨を申請者に通知しなければならない。

(登録の拒否)

第二十六条  総務大臣は、第二十四条第二項の申請書を提出した者が次の各号の一に該当するとき、又は当該申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。

 この法律又は有線電気通信法 若しくは電波法 の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

 第二十八条第一項の規定により登録の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者

 法人又は団体であつて、その役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの

 その事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力を有しない者

 総務大臣は、前項の規定により登録を拒否したときは、文書によりその理由を付して通知しなければならない。

(変更登録等)

第二十七条  第二十四条第一項の登録を受けた者(以下「特別第二種電気通信事業者」という。)は、同条第二項第二号又は第三号の事項を変更しようとするときは、総務大臣の変更登録を受けなければならない。ただし、総務省令で定める軽微な変更については、この限りでない。

 前項の変更登録を受けようとする者は、総務省令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を総務大臣に提出しなければならない。

 第二十四条第三項、第二十五条及び前条の規定は、第一項の変更登録について準用する。この場合において、第二十五条第一項中「次の事項」とあるのは「変更に係る事項」と、前条第一項中「第二十四条第二項の申請書を提出した者が次の各号」とあるのは「変更登録に係る申請書を提出した者が次の各号(第二号を除く。)」と読み替えるものとする。

 特別第二種電気通信事業者は、第二十四条第二項第一号の事項に変更があつたときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。その届出があつた場合には、総務大臣は、遅滞なく、当該登録を変更するものとする。

(登録の取消し等)

第二十八条  総務大臣は、特別第二種電気通信事業者が次の各号の一に該当するときは、第二十四条第一項の登録を取り消すことができる。

 特別第二種電気通信事業者がこの法律又はこの法律に基づく命令若しくは処分に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるとき。

 不正の手段により第二十四条第一項の登録又は第二十七条第一項の変更登録を受けたとき。

 第二十六条第一項第一号又は第三号に該当するに至つたとき。

 第二十六条第二項の規定は、前項の場合に準用する。

(登録の抹消)

第二十九条  総務大臣は、次条において準用する第二十三条第三項若しくは第四項の規定による電気通信事業の全部の廃止若しくは解散の届出があつたとき、又は前条第一項の規定による登録の取消しをしたときは、当該特別第二種電気通信事業者の登録を抹消しなければならない。

(準用)

第三十条  第二十三条の規定は、特別第二種電気通信事業者について準用する。

    第三節 業務

(第一種電気通信事業者の料金)

第三十一条  第一種電気通信事業者は、電気通信役務(卸電気通信役務(専ら電気通信事業者の電気通信事業の用に供する電気通信役務をいう。以下同じ。)を除く。以下この条、第三十一条の三、第三十一条の四、第三十四条、第百一条第二号、第百七条第三号及び第百八条第三号において同じ。)に関する料金(総務省令で定める料金を除く。以下この条において同じ。)を定め、総務省令で定めるところにより、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 総務大臣は、前項の規定により届け出た料金が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、第一種電気通信事業者に対し、相当の期限を定め、当該料金を変更すべきことを命ずることができる。

 料金の額の算出方法が適正かつ明確に定められていないとき。

 特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき。

 他の電気通信事業者との間に不当な競争を引き起こすものであり、その他社会的経済的事情に照らして著しく不適当であるため、利用者の利益を阻害するものであるとき。

 総務大臣は、毎年少なくとも一回、総務省令で定めるところにより、第三十八条の二第二項に規定する第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者が当該第一種指定電気通信設備を用いて提供する電気通信役務であつて、その内容、利用者の範囲等からみて利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定めるもの(以下「特定電気通信役務」という。)に関する料金について、総務省令で定める特定電気通信役務の種別(第九条第二項第二号に規定する総務省令で定める区分を更に細分した区分による電気通信役務の種類及び態様の別をいう。以下同じ。)ごとに、能率的な経営の下における適正な原価及び物価その他の経済事情を考慮して、通常実現することができると認められる水準の料金を料金指数(電気通信役務の種別ごとに、料金の水準を表す数値として、通信の距離及び速度その他の区分ごとの料金額並びにそれらが適用される通信量、回線数等を基に総務省令で定める方法により算出される数値をいう。以下同じ。)により定め、その料金指数(以下「基準料金指数」という。)を、その適用の日の総務省令で定める日数前までに、当該第一種電気通信事業者に通知しなければならない。

 第三十八条の二第二項に規定する第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、特定電気通信役務に関する料金を変更しようとする場合において、当該変更後の料金の料金指数が当該特定電気通信役務に係る基準料金指数を超えるものであるときは、第一項の規定にかかわらず、総務大臣の認可を受けなければならない。

 総務大臣は、前項の認可の申請があつた場合において、基準料金指数以下の料金指数の料金により難い特別な事情があり、かつ、当該申請に係る変更後の料金が第二項各号のいずれにも該当しないと認めるときは、前項の認可をしなければならない。

 総務大臣は、基準料金指数の適用後において、当該基準料金指数が適用される特定電気通信役務に関する料金の料金指数が当該基準料金指数を超えている場合は、当該基準料金指数以下の料金指数の料金により難い特別な事情があると認めるときを除き、当該特定電気通信役務を提供する第一種電気通信事業者に対し、相当の期限を定め、当該特定電気通信役務に関する料金を変更すべきことを命ずるものとする。

 前三項の規定は、第三十八条の二第一項の規定により新たに指定をされた電気通信設備を用いて提供される電気通信役務に関する料金については、当該指定の日から六月間は、適用しない。

 第三十八条の二第二項に規定する第一種指定電気通信設備であつた電気通信設備を設置している第一種電気通信事業者が当該電気通信設備を用いて提供する電気通信役務に関する料金であつて同条第一項の規定による指定の解除の際現に第四項の規定により認可を受けているものは、第一項の規定により届け出た料金とみなす。

 第一種電気通信事業者は、第一項の規定により届け出るべき料金又は第四項の規定により認可を受けるべき料金については、それぞれ第一項の規定により届け出た料金又は第四項の規定により認可を受けた料金によらなければ電気通信役務を提供してはならない。ただし、次項の規定により電気通信役務の料金を減免する場合は、この限りでない。

10  第一種電気通信事業者は、総務省令で定める基準に従い、第一項の規定により届け出た電気通信役務の料金又は第四項の規定により認可を受けた電気通信役務の料金を減免することができる。

(通信量等の記録)

第三十一条の二  第三十八条の二第二項に規定する第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、総務省令で定める方法により、その提供する特定電気通信役務の通信量、回線数等を記録しておかなければならない。

(特別第二種電気通信事業者の料金)

第三十一条の三  特別第二種電気通信事業者は、電気通信役務に関する料金(総務省令で定めるものを除く。)を定め、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 第三十一条第九項及び第十項の規定は、特別第二種電気通信事業者による電気通信役務の料金について準用する。

(契約約款の届出等)

第三十一条の四  第一種電気通信事業者は、電気通信役務に関する提供条件(料金並びに総務省令で定める事項及び第四十九条第一項又は第五十二条第一項第一号の規定により認可を受けるべき技術的条件に係るものを除く。)について契約約款を定め、総務省令で定めるところにより、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 総務大臣は、前項の規定による届出に係る契約約款が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該第一種電気通信事業者に対し、相当の期限を定め、当該契約約款を変更すべきことを命ずることができる。

 第一種電気通信事業者及びその利用者の責任に関する事項並びに電気通信設備の設置の工事その他の工事に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていないこと。

 電気通信回線設備の使用の態様を不当に制限するものであること。

 特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものであること。

 第八条第一項の通信に関する事項について適切に配慮されているものでないこと。

 他の電気通信事業者との間に不当な競争を引き起こすものであり、その他社会的経済的事情に照らして著しく不適当であるため、利用者の利益を阻害するものであること。

 第三十八条の二第二項に規定する第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、第一項の規定により定めるべき契約約款のうち当該第一種指定電気通信設備を用いる電気通信役務の提供に関するものについては、同項の規定にかかわらず、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 総務大臣は、前項の認可の申請が第二項各号のいずれにも該当しないと認めるときは、前項の認可をしなければならない。

 第一項の規定により契約約款で定めるべき提供条件について、総務大臣が標準契約約款を定めて公示した場合(これを変更して公示した場合を含む。)において、第一種電気通信事業者が、標準契約約款と同一の契約約款を定めようとして又は現に定めている契約約款を標準契約約款と同一のものに変更しようとして、あらかじめその旨を総務大臣に届け出たときは、その契約約款については、同項の規定により届け出、又は第三項の認可を受けたものとみなす。

 第三十八条の二第一項の規定による電気通信設備の指定の際現に当該電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者が定めている契約約款のうち当該電気通信設備を用いる電気通信役務の提供に関するものであつて第一項の規定により届け出ているものは、第三項の認可を受けた契約約款とみなす。

 第三十八条の二第二項に規定する第一種指定電気通信設備であつた電気通信設備を設置している第一種電気通信事業者が同条第一項の規定による指定の解除の際現に定めている契約約款のうち当該電気通信設備を用いる電気通信役務の提供に関するものであつて第三項の認可を受けているものは、第一項の規定により届け出た契約約款とみなす。

 第一種電気通信事業者は、第一項の規定により契約約款で定めるべき提供条件については、同項の規定により届け出、又は第三項の認可を受けた契約約款によらなければ電気通信役務を提供してはならない。

 特別第二種電気通信事業者は、電気通信役務に関する提供条件(料金及び総務省令で定める事項に係るものを除く。)について契約約款を定め、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

10  特別第二種電気通信事業者は、前項の規定により契約約款で定めるべき提供条件については、同項の規定により届け出た契約約款によらなければ電気通信役務を提供してはならない。

(料金等の掲示等)

第三十二条  第一種電気通信事業者又は特別第二種電気通信事業者は、第三十一条第一項の規定により届け出、若しくは同条第四項の規定により認可を受けた料金又は第三十一条の三第一項の規定により届け出た料金並びに前条第一項の規定により届け出、若しくは同条第三項の認可を受けた契約約款(第四十九条第一項又は第五十二条第一項第一号の規定により認可を受けた技術的条件を含む。第百九条第三号において同じ。)又は前条第九項の規定により届け出た契約約款を、総務省令で定めるところにより、公表するとともに、営業所その他の事業所において公衆の見やすいように掲示しておかなければならない。

 前項の規定は、第三十一条第一項又は第三十一条の三第一項の総務省令で定める料金及び前条第一項又は第九項の総務省令で定める事項に係る提供条件について準用する。

(会計の整理)

第三十三条  第一種電気通信事業者は、電気通信役務に関する料金の適正な算定に資するため、総務省令で定める勘定科目の分類その他会計に関する手続に従い、その会計を整理しなければならない。

(提供義務)

第三十四条  第一種電気通信事業者は、正当な理由がなければ、その業務区域における電気通信役務の提供を拒んではならない。

(業務の停止等の報告)

第三十五条  電気通信事業者は、第八条第二項の規定により電気通信業務の一部を停止したとき、又は電気通信業務に関し通信の秘密の漏えいその他総務省令で定める重大な事故が生じたときは、その旨をその理由又は原因とともに、遅滞なく、総務大臣に報告しなければならない

(業務の改善命令)

第三十六条  総務大臣は、第三十一条の四第三項の認可を受けた契約約款で定める電気通信役務の提供条件が社会的経済的事情の変動により著しく不適当となり、利用者の利益を阻害していると認めるときは、第三十八条の二第二項に規定する第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者に対し、相当の期限を定め、契約約款の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。

 総務大臣は、第三十八条の二第二項の認可を受けた接続約款で定める同項に規定する第一種電気通信事業者が取得すべき金額が同条第三項第二号に規定する原価に照らして不適当となつたため又は当該接続約款で定める接続の条件が社会的経済的事情の変動により著しく不適当となつたため公共の利益の増進に支障があると認めるときは、当該第一種電気通信事業者に対し、相当の期限を定め、当該接続約款の変更の認可を申請すべきことを命ずることができる。

 総務大臣は、第三十八条の二第五項又は第三十八条の四第二項の規定により届け出た接続約款で定める第三十八条の二第二項又は第三十八条の四第二項に規定する第一種電気通信事業者が取得すべき金額又は接続の条件が公共の利益の増進に支障があると認めるときは、当該第一種電気通信事業者に対し、相当の期限を定め、当該接続約款を変更すべきことを命ずることができる。

 総務大臣は、第一種電気通信事業者の業務の方法に関し通信の秘密の確保に支障があると認めるとき、事故により電気通信役務の提供に支障が生じている場合に第一種電気通信事業者がその支障を除去するために必要な修理その他の措置を速やかに行わないとき、その他第一種電気通信事業者の業務の方法が適切でないため利用者の利益を阻害していると認めるとき、又は第一種電気通信事業者が国際電気通信事業に関する条約その他の国際約束により課された義務を誠実に履行していないため若しくは第一種電気通信事業者が電気通信設備の接続若しくは共用若しくは卸電気通信役務の提供について特定の電気通信事業者に対し不当な差別的取扱いを行いその他これらの業務に関し不当な運営を行つていることにより他の電気通信事業者の業務の適正な実施に支障が生じているため公共の利益が著しく阻害されるおそれがあると認めるときは、当該第一種電気通信事業者に対し、利用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる

第三十七条  総務大臣は、一般第二種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者(以下この条において「第二種電気通信事業者」という。)の業務の方法に関し通信の秘密の確保に支障があると認めるとき、事故により電気通信役務の提供に支障が生じている場合に第二種電気通信事業者がその支障を除去するために必要な修理その他の措置を速やかに行わないとき、その他第二種電気通信事業者の業務の方法が適切でないため利用者の利益を阻害していると認めるとき、又は第二種電気通信事業者が国際電気通信事業に関する条約その他の国際約束により課された義務を誠実に履行していないため、特別第二種電気通信事業者が電気通信設備の接続若しくは共用若しくは卸電気通信役務の提供について特定の電気通信事業者に対し不当な差別的取扱いを行つているため若しくは第二種電気通信事業の経営によりこれと電気通信役務に係る需要を共通とする第一種電気通信事業の当該需要に係る電気通信回線設備の保持が経営上困難となるため、公共の利益が著しく阻害されるおそれがあると認めるときは、当該第二種電気通信事業者に対し、利用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。

(禁止行為等)

第三十七条の二  総務大臣は、総務省令で定めるところにより、第三十八条の三第二項に規定する第二種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者について、当該第二種指定電気通信設備を用いる電気通信役務の提供の業務に係る最近一年間における収益の額の、当該電気通信役務に係る業務区域と同一の区域内におけるすべての同種の電気通信役務の提供の業務に係る当該一年間における収益の額を合算した額に占める割合が総務省令で定める割合を超える場合において、当該割合の推移その他の事情を勘案して他の電気通信事業者との間の適正な競争関係を確保するため必要があると認めるときは、当該第二種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者を第三項から第五項までの規定の適用を受ける第一種電気通信事業者として指定することができる。

 総務大臣は、前項の規定による指定の必要がなくなつたと認めるときは、当該指定を解除しなければならない。

 第一項の規定により指定された第一種電気通信事業者及び第三十八条の二第二項に規定する第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。

 他の電気通信事業者の電気通信設備との接続の業務に関して知り得た当該他の電気通信事業者及びその利用者に関する情報を当該業務の用に供する目的以外の目的のために利用し、又は提供すること。

 その電気通信業務について、特定の電気通信事業者に対し、不当に優先的な取扱いをし、若しくは利益を与え、又は不当に不利な取扱いをし、若しくは不利益を与えること。

 他の電気通信事業者(第九十条第一項各号に掲げる電気通信事業を営む者を含む。)又は電気通信設備の製造業者若しくは販売業者に対し、その業務について、不当に規律をし、又は干渉をすること。

 総務大臣は、前項の規定に違反する行為があると認めるときは、第一項の規定により指定された第一種電気通信事業者又は第三十八条の二第二項に規定する第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者に対し、当該行為の停止又は変更を命ずることができる。

 第一項の規定により指定された第一種電気通信事業者及び第三十八条の二第二項に規定する第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、電気通信役務に関する収支の状況その他その会計に関し総務省令で定める事項を公表しなければならない。

第三十七条の三  第三十八条の二第二項に規定する第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者が法人であるときは、その役員は、当該第一種電気通信事業者の子会社、当該第一種電気通信事業者を子会社とする親会社又は当該親会社の子会社(当該第一種電気通信事業者を除く。)に該当する電気通信事業者であつて総務大臣が指定するもの(以下「特定関係事業者」という。)の役員を兼ねてはならない。

 前項の「子会社」又は「親会社」とは、それぞれ商法 (明治三十二年法律第四十八号)第二百十一条ノ二第一項 に規定する子会社又は親会社をいう。

 第三十八条の二第二項に規定する第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者(法人である場合に限る。以下この条において同じ。)は、次に掲げる行為をしてはならない。ただし、総務省令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。

 第三十八条の二第二項に規定する第一種指定電気通信設備との接続に必要な電気通信設備の設置若しくは保守、土地及びこれに定着する建物その他の工作物の利用又は情報の提供について、特定関係事業者に比して他の電気通信事業者に不利な取扱いをすること。

 電気通信役務の提供に関する契約の媒介、取次ぎ又は代理その他他の電気通信事業者からの業務の受託について、特定関係事業者に比して他の電気通信事業者に不利な取扱いをすること。

 総務大臣は、前項の規定に違反する行為があると認めるときは、第三十八条の二第二項に規定する第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者に対し、当該行為の停止又は変更を命ずることができる。

 第三十八条の二第二項に規定する第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、毎年、総務省令で定めるところにより、第三項の規定の遵守のために講じた措置及びその実施状況に関し総務省令で定める事項を総務大臣に報告しなければならない。

(第一種電気通信事業者の電気通信設備との接続)

第三十八条  第一種電気通信事業者は、他の電気通信事業者から当該他の電気通信事業者の電気通信設備をその電気通信回線設備に接続すべき旨の請求を受けたときは、次に掲げる場合を除き、これに応じなければならない

 電気通信役務の円滑な提供に支障が生ずるおそれがあるとき。

 当該接続が当該第一種電気通信事業者の利益を不当に害するおそれがあるとき。

 前二号に掲げる場合のほか、総務省令で定める正当な理由があるとき。

(第一種指定電気通信設備との接続)

第三十八条の二  総務大臣は、総務省令で定めるところにより、全国の区域を分けて電気通信役務の利用状況及び都道府県の区域を勘案して総務省令で定める区域ごとに、その一端が利用者の電気通信設備(移動端末設備(利用者の電気通信設備であつて、移動する無線局の無線設備であるものをいう。次条第一項において同じ。)を除く。)と接続される伝送路設備のうち同一の第一種電気通信事業者が設置するものであつて、その伝送路設備の電気通信回線の数の、当該区域内に設置されるすべての同種の伝送路設備の電気通信回線の数のうちに占める割合が総務省令で定める割合を超えるもの及び当該区域において当該第一種電気通信事業者がこれと一体として設置する電気通信設備であつて総務省令で定めるものの総体を、他の電気通信事業者の電気通信設備との接続が利用者の利便の向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に欠くことのできない電気通信設備として指定することができる。

 前項の規定により指定された電気通信設備(以下「第一種指定電気通信設備」という。)を設置する第一種電気通信事業者は、当該第一種指定電気通信設備と他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、当該第一種電気通信事業者が取得すべき金額(以下この条において「接続料」という。)及び接続の条件(第五項に規定する接続料及び接続の条件を除く。)について接続約款を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 総務大臣は、前項の認可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。

 次に掲げる事項が適正かつ明確に定められていること。

 他の電気通信事業者の電気通信設備を接続することが技術的及び経済的に可能な接続箇所のうち標準的なものとして総務省令で定める箇所における技術的条件

 総務省令で定める機能ごとの接続料

 第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者及びこれとその電気通信設備を接続する他の電気通信事業者の責任に関する事項

 イからハまでに掲げるもののほか、第一種指定電気通信設備との接続を円滑に行うために必要なものとして総務省令で定める事項

 接続料が能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものであること。

 接続の条件が、第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者がその第一種指定電気通信設備に自己の電気通信設備を接続することとした場合の条件に比して不利なものでないこと。

 特定の電気通信事業者に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。

 前項第二号の総務省令で定める方法(同項第一号ロの総務省令で定める機能のうち、高度で新しい電気通信技術の導入によつて、第一種指定電気通信設備との接続による当該機能に係る電気通信役務の提供の効率化が相当程度図られると認められるものとして総務省令で定める機能に係る接続料について定めるものに限る。)は、第一種指定電気通信設備を通常用いることができる高度で新しい電気通信技術を利用した効率的なものとなるように新たに構成するものとした場合に当該第一種指定電気通信設備との接続により当該第一種指定電気通信設備によつて提供される電気通信役務に係る通信量又は回線数の増加に応じて増加することとなる当該第一種指定電気通信設備に係る費用を勘案して原価を算定するものでなければならない。

 第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、第一種指定電気通信設備との接続に関する接続料及び接続の条件のうちその内容からみて利用者の利便の向上及び電気通信の総合的かつ合理的な発達に及ぼす影響が比較的少ないものとして総務省令で定めるものについて接続約款を定め、その実施前に総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、第二項の規定により認可を受け又は前項の規定により届け出た接続約款(以下この条において「認可接続約款等」という。)によらなければ、他の電気通信事業者との間において、第一種指定電気通信設備との接続に関する協定を締結し、又は変更してはならない。

 前項の規定にかかわらず、認可接続約款等により難い特別な事情があるときは、第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、総務大臣の認可を受けて、当該認可接続約款等で定める接続料及び接続の条件と異なる接続料及び接続の条件(第二項に規定する接続料及び接続の条件に該当するものにあつては、第三項各号(第一号イ及びロを除く。)のいずれにも適合しているものに限る。)の第一種指定電気通信設備との接続に関する協定を締結し、又は変更することができる。

 第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、認可接続約款等を公表しなければならない。

 第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、認可接続約款等により他の電気通信事業者との間に第一種指定電気通信設備との接続に関する協定を締結し、又は変更したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

10  第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、当該第一種指定電気通信設備との接続に係る第三項第一号ロの総務省令で定める機能ごとに、通信量又は回線数その他総務省令で定める事項(第十二項において「通信量等」という。)を記録しておかなければならない。

11  第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、第一種指定電気通信設備との接続に関する会計を整理し、及びこれに基づき当該接続に関する収支の状況その他総務省令で定める事項を公表しなければならない。

12  第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、第四項に規定する接続料にあつては第二項の認可を受けた後五年を超えない範囲内で総務省令で定める期間を経過するごとに、それ以外の接続料にあつては前項の規定により毎事業年度の会計を整理したときに、通信量等の記録及び同項の規定による会計の整理の結果に基づき第三項第二号の総務省令で定める方法により算定された原価に照らし公正妥当なものとするために、接続料を再計算しなければならない。

13  第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、他の電気通信事業者がその電気通信設備と第一種指定電気通信設備との接続を円滑に行うために必要な情報の提供に努めなければならない。

14  第一項の規定による第一種指定電気通信設備の指定の際現に当該第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者が締結している他の電気通信事業者との協定のうち当該第一種指定電気通信設備との接続に関するものであつて次の各号のいずれかに該当するものは、第七項の規定により認可を受けた協定とみなす。

 第三十八条の四第一項の規定により届け出ている協定

 第三十八条の四第二項の規定により届け出た接続約款により締結している協定

15  第一種指定電気通信設備であつた電気通信設備を設置している第一種電気通信事業者が第一項の規定による指定の解除の際現に締結している他の電気通信事業者との協定のうち第一種指定電気通信設備であつた電気通信設備との接続に関するものであつて次の各号のいずれかに該当するものは、第三十八条の四第一項の規定により届け出た協定とみなす。

 認可接続約款等により締結している協定

 第七項の規定により認可を受けている協定

16  第一種指定電気通信設備であつた電気通信設備を設置している第一種電気通信事業者が第一項の規定による指定の解除の際現に第一種指定電気通信設備であつた電気通信設備について第二項の規定により認可を受け又は第五項の規定により届け出ている接続約款は、第三十八条の四第二項の規定により届け出た接続約款とみなす。

(第二種指定電気通信設備との接続)

第三十八条の三  総務大臣は、総務省令で定めるところにより、その一端が特定移動端末設備(総務省令で定める移動端末設備をいう。以下この項において同じ。)と接続される伝送路設備のうち同一の第一種電気通信事業者が設置するものであつて、その伝送路設備に接続される特定移動端末設備の数の、その伝送路設備を用いる電気通信役務に係る業務区域と同一の区域内に設置されているすべての同種の伝送路設備に接続される特定移動端末設備の数のうちに占める割合が総務省令で定める割合を超えるもの及び当該第一種電気通信事業者が当該電気通信役務を提供するために設置する電気通信設備であつて総務省令で定めるものの総体を、他の電気通信事業者の電気通信設備との適正かつ円滑な接続を確保すべき電気通信設備として指定することができる。

 前項の規定により指定された電気通信設備(以下「第二種指定電気通信設備」という。)を設置する第一種電気通信事業者は、当該第二種指定電気通信設備と他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、当該第一種電気通信事業者が取得すべき金額及び接続の条件について接続約款を定め、総務省令で定めるところにより、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 総務大臣は、前項の規定による届出に係る接続約款が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該第一種電気通信事業者に対し、相当の期限を定め、当該接続約款を変更すべきことを命ずることができる。

 第二種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者及びこれとその電気通信設備を接続する他の電気通信事業者の責任に関する事項が適正かつ明確に定められていないこと。

 第二種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者が取得すべき金額が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えるものであること。

 他の電気通信事業者に対し不当な条件を付すものであること。

 特定の電気通信事業者に対し不当な差別的な取扱いをするものであること。

 第二種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、第二項の規定により届け出た接続約款(以下この条において「届出接続約款」という。)によらなければ、他の電気通信事業者との間において、第二種指定電気通信設備との接続に関する協定を締結し、又は変更してはならない。

 第二種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、届出接続約款を公表しなければならない。

 第二種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、届出接続約款により他の電気通信事業者との間に第二種指定電気通信設備との接続に関する協定を締結し、又は変更したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

 第一項の規定による第二種指定電気通信設備の指定の際現に当該第二種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者が締結している他の電気通信事業者との協定のうち当該第二種指定電気通信設備との接続に関するものであつて次の各号のいずれかに該当するものは、前項の規定により届け出た協定とみなす。

 次条第一項の規定により届け出ている協定

 次条第二項の規定により届け出た接続約款により締結している協定

 第二種指定電気通信設備であつた電気通信設備を設置している第一種電気通信事業者が第一項の規定による指定の解除の際現に締結している他の電気通信事業者との協定のうち当該電気通信設備との接続に関するものであつて届出接続約款により締結しているものは、次条第一項の規定により届け出た協定とみなす。

 第二種指定電気通信設備であつた電気通信設備を設置している第一種電気通信事業者が第一項の規定による指定の解除の際現に定めている接続約款のうち当該電気通信設備との接続に関するものであつて第二項の規定により届け出ているものは、次条第二項の規定により届け出た接続約款とみなす。

(電気通信設備の接続に関する協定)

第三十八条の四  第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、他の電気通信事業者と電気通信設備(第一種指定電気通信設備及び第二種指定電気通信設備を除く。)の接続に関する協定を締結し、又は変更しようとするときは、総務省令で定めるところにより、あらかじめ総務大臣に届け出なければならない。ただし、次項の規定により届け出た接続約款により当該協定を締結し、又は変更しようとするときは、この限りでない。

 第一種電気通信事業者は、当該第一種電気通信事業者の電気通信設備(第一種指定電気通信設備及び第二種指定電気通信設備を除く。)と他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関する当該第一種電気通信事業者が取得すべき金額及び接続の条件について接続約款を定め、又は変更しようとするときは、総務省令で定めるところにより、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。

 第一種電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、前項の規定により届け出た接続約款を公表しなければならない。

 第一種電気通信事業者は、第二項の規定により届け出た接続約款により他の電気通信事業者と電気通信設備の接続に関する協定を締結し、又は変更したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

(電気通信設備の接続に関する命令等)

第三十九条  総務大臣は、電気通信事業者が第一種電気通信事業者に対し電気通信設備の接続に関する協定の締結を申し入れたにもかかわらず当該第一種電気通信事業者がその協議に応じず、又は当該協議が調わなかつた場合で、当該電気通信事業者から申立てがあつたときは、第三十八条各号に掲げる場合に該当すると認めるとき及び第八十八条の十三第一項の規定による仲裁の申請がされているときを除き、当該第一種電気通信事業者に対し、その協議の開始又は再開を命ずるものとする。

 総務大臣は、前項に規定する場合のほか、電気通信事業者間(当事者の一方又は双方が一般第二種電気通信事業者である場合及び当事者の双方が国内特別第二種電気通信事業者(特別第二種電気通信事業者であつて、本邦外の場所との間の通信を行うための電気通信設備を他人の通信の用に供する第二種電気通信事業を営むもの以外のものをいう。第三十九条の四第一項において同じ。)である場合を除く。)において、その一方が電気通信設備の接続に関する協定の締結を申し入れたにもかかわらず他の一方がその協議に応じず、又は当該協議が調わなかつた場合で、当該一方の電気通信事業者から申立てがあつた場合において、その接続が公共の利益を増進するために特に必要であり、かつ、適切であると認めるときは、第八十八条の十三第一項の規定による仲裁の申請がされているときを除き、他の一方の電気通信事業者に対し、その協議の開始又は再開を命ずることができる。

 第一種電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、当事者が取得し、若しくは負担すべき金額又は接続の条件その他協定の細目について当事者間の協議が調わないときは、当該電気通信設備に接続する電気通信設備を設置する電気通信事業者は、総務大臣の裁定を申請することができる。ただし、当事者が第八十八条の十三第一項の規定による仲裁の申請をした後は、この限りでない。

 前項に規定する場合のほか、第一項又は第二項の規定による命令があつた場合において、当事者が取得し、若しくは負担すべき金額又は接続の条件その他協定の細目について、当事者間の協議が調わないときは、当事者は、総務大臣の裁定を申請することができる。

 総務大臣は、前二項の規定による裁定の申請を受理したときは、その旨を他の当事者に通知し、期間を指定して答弁書を提出する機会を与えなければならない。

 総務大臣は、第三項又は第四項の裁定をしたときは、遅滞なく、その旨を当事者に通知しなければならない。

 第三項又は第四項の裁定があつたときは、その裁定の定めるところに従い、当事者間に協議が調つたものとみなす。

 第三項又は第四項の裁定のうち当事者が取得し、又は負担すべき金額について不服のある者は、その裁定があつたことを知つた日から三月以内に、訴えをもつてその金額の増減を請求することができる。

 前項の訴えにおいては、他の当事者を被告とする。

10  第三項又は第四項の裁定についての異議申立てにおいては、当事者が取得し、又は負担すべき金額についての不服をその裁定の不服の理由とすることができない。

(第一種指定電気通信設備の機能の変更又は追加に関する計画)

第三十九条の二  第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、当該第一種指定電気通信設備の機能(総務省令で定めるものを除く。)の変更又は追加の計画を有するときは、総務省令で定めるところにより、その計画を当該工事の開始の日の総務省令で定める日数前までに総務大臣に届け出なければならない。その届け出た計画を変更しようとするときも、同様とする。

 第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、前項の規定により届け出た計画を公表しなければならない。

 総務大臣は、第一項の規定による届出があつた場合において、その届け出た計画の実施により他の電気通信事業者の電気通信設備と第一種指定電気通信設備との円滑な接続に支障が生ずるおそれがあると認めるときは、当該第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者に対し、その計画を変更すべきことを勧告することができる。

(電気通信設備の共用に関する協定)

第三十九条の三  第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、他の第一種電気通信事業者又は特別第二種電気通信事業者と第一種指定電気通信設備の共用に関する協定を締結し、又は変更しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。

 総務大臣は、前項の協定が公共の利益を増進するものであるときは、同項の認可をしなければならない。

 第三十八条の二第一項の規定による第一種指定電気通信設備の指定の際現に当該第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者が締結している他の第一種電気通信事業者又は特別第二種電気通信事業者との協定のうち当該第一種指定電気通信設備の共用に関するものであつて第五項の規定により届け出ているものは、第一項の認可を受けた協定とみなす。

 第一種指定電気通信設備であつた電気通信設備を設置している第一種電気通信事業者が第三十八条の二第一項の規定による指定の解除の際現に締結している他の第一種電気通信事業者又は特別第二種電気通信事業者との協定のうち当該電気通信設備の共用に関するものであつて第一項の認可を受けているものは、次項の規定により届け出た協定とみなす。

 第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、他の電気通信事業者と電気通信設備(第一種指定電気通信設備を除く。)の共用に関する協定を締結し、又は変更しようとするときは、総務省令で定めるところにより、あらかじめ総務大臣に届け出なければならない。第一種指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者が一般第二種電気通信事業者と当該第一種指定電気通信設備の共用に関する協定を締結し、又は変更しようとするときも、同様とする。

(電気通信設備の共用に関する命令等)

第三十九条の四  総務大臣は、電気通信事業者間(当事者の一方又は双方が一般第二種電気通信事業者である場合及び当事者の双方が国内特別第二種電気通信事業者である場合を除く。)においてその一方が電気通信設備の共用に関する協定の締結を申し入れたにもかかわらず他の一方がその協議に応じず又は当該協議が調わなかつた場合で、当該一方の電気通信事業者から申立てがあつた場合において、その共用が公共の利益を増進するために特に必要であり、かつ、適切であると認めるときは、第八十八条の十四第一項において準用する第八十八条の十三第一項の規定による仲裁の申請がされているときを除き、他の一方の電気通信事業者に対し、その協議の開始又は再開を命ずることができる。

 第三十九条第三項から第十項までの規定は、電気通信設備の共用について準用する。この場合において、同条第三項及び第四項中「接続の条件」とあるのは「共用の条件」と、同条第三項中「電気通信設備に接続する電気通信設備を設置する」とあるのは「第一種電気通信事業者と協定を締結しようとする」と、「第八十八条の十三第一項」とあるのは「第八十八条の十四第一項において準用する第八十八条の十三第一項」と、同条第四項中「第一項又は第二項」とあるのは「第三十九条の四第一項」と読み替えるものとする。

(卸電気通信役務の提供をする契約)

第三十九条の五  第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、卸電気通信役務の提供をする契約を締結し、又は変更しようとするときは、総務省令で定めるところにより、あらかじめ総務大臣に届け出なければならない。ただし、次項の規定により届け出た契約約款により当該契約を締結し、又は変更しようとするときは、この限りでない。

 第一種電気通信事業者は、卸電気通信役務に関する料金その他の提供条件について契約約款を定め、又は変更しようとするときは、総務省令で定めるところにより、その実施前に、総務大臣に届け出なければならない。

 総務大臣は、前項の規定による届出に係る契約約款で定める卸電気通信役務の提供条件が公共の利益の増進に支障があると認めるときは、当該第一種電気通信事業者に対し、相当の期限を定め、当該契約約款を変更すべきことを命ずることができる。

 第一種電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、第二項の規定により届け出た契約約款を公表しなければならない。

 第一種電気通信事業者は、第二項の規定により届け出た契約約款により卸電気通信役務の提供をする契約を締結し、又は変更したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

(準用)

第三十九条の六  第三十九条第三項から第十項まで及び第三十九条の四第一項の規定は、卸電気通信役務の提供について準用する。この場合において、第三十九条第三項及び第四項中「接続の条件」とあるのは「提供の条件」と、同条第三項及び第四項並びに第三十九条の四第一項中「協定」とあるのは「契約」と、第三十九条第三項中「電気通信設備に接続する電気通信設備を設置する」とあるのは「第一種電気通信事業者と契約を締結しようとする」と、「第八十八条の十三第一項」とあるのは「第八十八条の十四第二項において準用する第八十八条の十三第一項」と、同条第四項中「第一項又は第二項」とあるのは「第三十九条の四第一項」と、第三十九条の四第一項中「その共用」とあるのは「その提供」と、「第八十八条の十四第一項」とあるのは「第八十八条の十四第二項」と読み替えるものとする。

(外国政府等との協定等の認可)

第四十条  第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、外国政府又は外国人若しくは外国法人との間に、電気通信業務に関する協定又は契約であつて総務省令で定める重要な事項を内容とするものを締結し、変更し、又は廃止しようとするときは、総務大臣の認可を受けなければならない。

    第四節 電気通信設備

     第一款 電気通信事業の用に供する電気通信設備

(電気通信設備の維持)

第四十一条  第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、その電気通信事業の用に供する電気通信設備(以下「事業用電気通信設備」という。)を総務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。

 前項の技術基準は、これにより次の事項が確保されるものとして定められなければならない。

 電気通信設備の損壊又は故障により、電気通信役務の提供に著しい支障を及ぼさないようにすること。

 電気通信役務の品質が適正であるようにすること。

 通信の秘密が侵されないようにすること。

 利用者又は他の電気通信事業者の接続する電気通信設備を損傷し、又はその機能に障害を与えないようにすること。

 他の電気通信事業者の接続する電気通信設備との責任の分界が明確であるようにすること。

(技術基準適合命令)

第四十二条  総務大臣は、事業用電気通信設備が前条第一項の総務省令で定める技術基準に適合していないと認めるときは、第一種電気通信事業者又は特別第二種電気通信事業者に対し、その技術基準に適合するように当該設備を修理し、若しくは改造することを命じ、又はその使用を制限することができる

(管理規程)

第四十三条  第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、電気通信役務の確実かつ安定的な提供を確保するため、総務省令で定めるところにより、事業用電気通信設備の管理規程を定め、事業の開始前に、総務大臣に届け出なければならない。

 第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、管理規程を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を総務大臣に届け出なければならない。

(電気通信主任技術者)

第四十四条  第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、事業用電気通信設備の工事、維持及び運用に関する事項を監督させるため、総務省令で定めるところにより、電気通信主任技術者資格者証の交付を受けている者のうちから、電気通信主任技術者を選任しなければならない。

 第一種電気通信事業者及び特別第二種電気通信事業者は、前項の規定により電気通信主任技術者を選任したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。

(電気通信主任技術者資格者証)

第四十五条  電気通信主任技術者資格者証の種類は、伝送交換技術及び線路技術について総務省令で定める。

 電気通信主任技術者資格者証の交付を受けている者が監督することができる電気通信設備の工事、維持及び運用に関する事項の範囲は、前項の電気通信主任技術者資格者証の種類に応じて総務省令で定める。

 総務大臣は、次の各号の一に該当する者に対し、電気通信主任技術者資格者証を交付する。

 電気通信主任技術者試験に合格した者

 電気通信主任技術者資格者証の交付を受けようとする者の養成課程で、総務大臣が総務省令で定める基準に適合するものであることの認定をしたものを修了した者

 前二号に掲げる者と同等以上の専門的知識及び能力を有すると総務大臣が認定した者

 総務大臣は、前項の規定にかかわらず、次の各号の一に該当する者に対しては、電気通信主任技術者資格者証の交付を行わないことができる。

 次条の規定により電気通信主任技術者資格者証の返納を命ぜられ、その日から一年を経過しない者

 この法律の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者

 電気通信主任技術者資格者証の交付に関する手続的事項は、総務省令で定める。

(電気通信主任技術者資格者証の返納)

第四十六条  総務大臣は、電気通信主任技術者資格者証を受けている者がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反したときは、その電気通信主任技術者資格者証の返納を命ずることができる。

(電気通信主任技術者試験)

第四十七条  電気通信主任技術者試験は、電気通信設備の工事、維持及び運用に関して必要な専門的知識及び能力について行う。

 電気通信主任技術者試験は、電気通信主任技術者資格者証の種類ごとに、総務大臣が行う。

 電気通信主任技術者試験の試験科目、受験手続その他電気通信主任技術者試験の実施細目は、総務省令で定める。

(電気通信主任技術者の義務)

第四十八条  電気通信主任技術者は、事業用電気通信設備の工事、維持及び運用に関する事項の監督の職務を誠実に行わなければならない。

(電気通信番号の基準)

第四十八条の二  電気通信事業者は、電気通信番号(電気通信事業者が電気通信役務の提供に当たり送信の場所と受信の場所との間を接続するために電気通信設備を識別し、又は提供すべき電気通信役務の種類若しくは内容を識別するために用いる番号、記号その他の符号をいう。以下同じ。)を用いて電気通信役務を提供する場合においては、その電気通信番号が総務省令で定める基準に適合するようにしなければならない。

 前項の基準は、これにより次の事項が確保されるものとして定められなければならない。

 電気通信番号により電気通信事業者及び利用者が電気通信設備の識別又は電気通信役務の種類若しくは内容の識別を明確かつ容易にできるようにすること。

 電気通信役務の提供に必要な電気通信番号が十分に確保されるようにすること。

 電気通信番号の変更ができるだけ生じないようにすること。

 電気通信番号が公平かつ効率的に使用されるようにすること。

(適合命令)

第四十八条の三  総務大臣は、電気通信事業者が他の電気通信事業者と電気通信設備の接続をしている場合(一般第二種電気通信事業者が他の一般第二種電気通信事業者と電気通信設備の接続をしている場合を除く。)に用いる電気通信番号又は電気通信事業者が公共の利益のため緊急に行うことを要する通信を取り扱うために用いる電気通信番号が前条第一項の総務省令で定める基準に適合していないと認めるときは、当該電気通信事業者に対し、その基準に適合するように当該電気通信番号を変更することを命じ、又はその使用を禁止することができる。

     第二款 端末設備の接続等

(端末設備の接続の技術基準)

第四十九条  第一種電気通信事業者は、利用者から端末設備電気通信回線設備の一端に接続される電気通信設備であつて、一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(これに準ずる区域内を含む。)又は同一の建物内であるものをいう。以下同じ。)をその電気通信回線設備に接続すべき旨の請求を受けたときは、その接続が総務省令で定める技術基準(当該第一種電気通信事業者が総務大臣の認可を受けて定める技術的条件を含む。次項及び第五十一条において同じ。)に適合しない場合その他総務省令で定める場合を除き、その請求を拒むことができない

 前項の技術基準は、これにより次の事項が確保されるものとして定められなければならない。

 電気通信回線設備を損傷し、又はその機能に障害を与えないようにすること。

 電気通信回線設備を利用する他の利用者に迷惑を及ぼさないようにすること。

 第一種電気通信事業者の設置する電気通信回線設備と利用者の接続する端末設備との責任の分界が明確であるようにすること。

(端末機器技術基準適合認定)

第五十条  総務大臣は、申請により、総務省令で定める種類の端末設備の機器(以下「端末機器」という。)について、前条第一項の総務省令で定める技術基準に適合していることの認定(以下「技術基準適合認定」という。)を行う。

 総務大臣は、前項の申請があつた場合には、総務省令で定めるところにより審査を行い、当該申請に係る端末機器が前条第一項の総務省令で定める技術基準に適合していると認めるときに限り、技術基準適合認定を行うものとする。

 前項の審査は、第一項の申請が、当該申請に係る端末機器について次条第一項又は第五十条の三第一項の認定を受けた者が総務省令で定めるところにより行つた当該認定に係る試験の結果を記載した書類を添えてなされたものであるときは、その一部を省略することができる。

 総務大臣は、技術基準適合認定をしたときは、総務省令で定めるところにより、その端末機器に技術基準適合認定をした旨の表示を付するものとする。

 何人も、前項(第七十二条又は第七十二条の三第五項において準用する場合を含む。)又は第五十条の四第五項(第七十二条の二第三項又は第七十二条の三第八項において準用する場合を含む。)の規定により表示を付する場合を除くほか、国内において端末機器にこれらの表示又はこれらと紛らわしい表示を付してはならない。

(事業者の試験能力の認定)

第五十条の二  端末機器の試験の事業を行う者は、総務省令で定める区分ごとに、総務大臣に申請して、その事業が次の各号に適合している旨の認定を受けることができる。

 端末機器の試験の能力が総務省令で定める技術上の基準を満たすものであること。

 総務省令で定める測定器その他の設備であつて、総務省令で定める較正を受けたものを使用して端末機器の試験を行うものであること。

 端末機器の試験を適正に行うのに必要な業務の実施の方法が定められているものであること。

 総務大臣は、前項の認定を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。

 前項各号のいずれかに適合しなくなつたとき。

 不正な手段により前項の認定を受けたとき。

 前二項に規定するもののほか、第一項の認定及びその取消しに関し必要な事項は、総務省令で定める。

(外国事業者の試験能力の認定)

第五十条の三  外国において端末機器の試験の事業を行う者は、前条第一項の総務省令で定める区分ごとに、総務大臣に申請して、その事業が同項各号に適合している旨の認定を受けることができる。

 総務大臣は、前項の認定を受けた者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。

 前条第一項各号のいずれかに適合しなくなつたとき。

 不正な手段により前項の認定を受けたとき。

 総務大臣が第九十二条第五項において準用する同条第二項の規定により前項の認定を受けた者に対し報告をさせようとした場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。

 総務大臣が第九十二条第五項において準用する同条第二項の規定によりその職員に前項の認定を受けた者の事務所又は事業所において検査をさせようとした場合において、その検査が拒まれ、妨げられ、又は忌避されたとき。

 前二項に規定するもののほか、第一項の認定及びその取消しに関し必要な事項は、総務省令で定める。

(端末機器の設計についての認証)

第五十条の四  総務大臣は、申請により、端末機器を、第四十九条第一項の総務省令で定める技術基準に適合するものとして、その設計(当該設計に合致することの確認の方法を含む。第五項、第七十二条の二第一項及び第七十二条の三第六項において同じ。)について認証する。

 前項の認証の申請は、外国において本邦内で使用されることとなる端末機器を取り扱うことを業とする者(以下「外国取扱業者」という。)も行うことができる。

 総務大臣は、第一項の申請があつた場合には、総務省令で定めるところにより審査を行い、当該申請に係る設計が第四十九条第一項の総務省令で定める技術基準に適合するものであり、かつ、当該設計に基づく端末機器のいずれもが当該設計に合致するものとなることを確保することができると認めるときに限り、第一項の認証を行うものとする。

 前項の審査は、第一項の申請が、当該申請に係る設計に基づく端末機器について第五十条の二第一項又は前条第一項の認定を受けた者が総務省令で定めるところにより行つた当該認定に係る試験の結果を記載した書類を添えてなされたものであるときは、その一部を省略することができる。

 第一項の認証に係る設計に基づく端末機器であつて、当該認証を受けた者により総務省令で定める表示が付されているものは、技術基準適合認定を受けた端末機器とみなす。

 総務大臣は、第一項の認証に係る設計が第四十九条第一項の総務省令で定める技術基準に適合しなくなり、又は当該設計に基づく端末機器のいずれもが当該設計に合致するものとなることを確保することができなくなつたと認めるときは、その認証を取り消すことができる。

 前項の規定によるほか、総務大臣は、第一項の認証を受けた外国取扱業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その認証を取り消すことができる。

 総務大臣が第九十二条第三項の規定により当該外国取扱業者に対し報告をさせようとした場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。

 総務大臣が第九十二条第三項の規定によりその職員に当該外国取扱業者の事務所又は事業所において検査をさせようとした場合において、その検査が拒まれ、妨げられ、又は忌避されたとき。

(端末設備の接続の検査)

第五十一条  利用者は、技術基準適合認定を受けた端末機器を接続する場合その他総務省令で定める場合を除き、第一種電気通信事業者の電気通信回線設備に端末設備を接続したときは、当該第一種電気通信事業者の検査を受け、その接続が第四十九条第一項の技術基準に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。これを変更したときも、同様とする。

 第一種電気通信事業者は、端末設備に異常がある場合その他電気通信役務の円滑な提供に支障がある場合において必要と認めるときは、利用者に対し、その端末設備の接続が第四十九条第一項の技術基準に適合するかどうかの検査を受けるべきことを求めることができる。この場合において、当該利用者は、正当な理由がある場合その他総務省令で定める場合を除き、その請求を拒んではならない

 前二項の検査に従事する者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

(自営電気通信設備の接続)

第五十二条  第一種電気通信事業者は、第一種電気通信事業者以外の者からその電気通信設備(端末設備以外のものに限る。以下「自営電気通信設備」という。)をその電気通信回線設備に接続すべき旨の請求を受けたときは、次に掲げる場合を除き、その請求を拒むことができない。

 その自営電気通信設備の接続が、総務省令で定める技術基準(当該第一種電気通信事業者が総務大臣の認可を受けて定める技術的条件を含む。)に適合しないとき。

 その自営電気通信設備を接続することにより当該第一種電気通信事業者の電気通信回線設備の保持が経営上困難となることについて当該第一種電気通信事業者が総務大臣の認定を受けたとき。

 第四十九条第二項の規定は前項第一号の技術基準について、前条の規定は同項の請求に係る自営電気通信設備の接続の検査について準用する。この場合において、同条第一項及び第二項中「第四十九条第一項の技術基準」とあるのは、「第五十二条第一項第一号の技術基準(同号の技術的条件を含む。)」と読み替えるものとする。

(工事担任者による工事の実施及び監督)

第五十三条  利用者は、端末設備又は自営電気通信設備を接続するときは、工事担任者資格者証の交付を受けている者(以下「工事担任者」という。)に、当該工事担任者資格者証の種類に応じ、これに係る工事を行わせ、又は実地に監督させなければならない。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。

 工事担任者は、その工事の実施又は監督の職務を誠実に行わなければならない。

(工事担任者資格者証)

第五十四条  工事担任者資格者証の種類及び工事担任者が行い、又は監督することができる端末設備若しくは自営電気通信設備の接続に係る工事の範囲は、総務省令で定める。

 第四十五条第三項から第五項まで及び第四十六条の規定は、工事担任者資格者証について準用する。この場合において、第四十五条第三項第一号中「電気通信主任技術者試験」とあるのは「工事担任者試験」と、同項第三号中「専門的知識及び能力」とあるのは「知識及び技能」と読み替えるものとする。

(工事担任者試験)

第五十五条  工事担任者試験は、端末設備及び自営電気通信設備の接続に関して必要な知識及び技能について行う。

 第四十七条第二項及び第三項の規定は、工事担任者試験について準用する。この場合において、同条第二項中「電気通信主任技術者資格者証」とあるのは、「工事担任者資格者証」と読み替えるものとする。

    第五節 指定試験機関等

     第一款 指定試験機関

(指定試験機関の指定等)

第五十六条  総務大臣は、その指定する者(以下「指定試験機関」という。)に、電気通信主任技術者試験又は工事担任者試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)を行わせることができる。

 指定試験機関の指定は、総務省令で定める区分ごとに、試験事務を行おうとする者の申請により行う。

 総務大臣は、指定試験機関の指定をしたときは、その旨を公示しなければならない。

 総務大臣は、指定試験機関の指定をしたときは、当該指定に係る区分の試験事務を行わないものとする。

(指定試験機関の指定の基準)

第五十七条  総務大臣は、前条第二項の申請に係る区分の試験事務につき他に指定試験機関の指定を受けた者がなく、かつ、当該申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、指定試験機関の指定をしてはならない。

 職員、設備、試験事務の実施の方法その他の事項についての試験事務の実施に関する計画が試験事務の適確な実施のために適切なものであること。

 前号の試験事務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。

 試験事務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて試験事務が不公正になるおそれがないこと。

 総務大臣は、前条第二項の申請をした者が次の各号の一に該当するときは、指定試験機関の指定をしてはならない。

 民法 (明治二十九年法律第八十九号)第三十四条 の規定により設立された法人以外の者であること。

 この法律又は有線電気通信法 若しくは電波法 の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者であること。

 第六十六条第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者であること。

 その役員のうちに、次のいずれかに該当する者があること。

 第二号に該当する者

 第五十九条第三項の規定による命令により解任され、その解任の日から二年を経過しない者

(試験員)

第五十八条  指定試験機関は、試験事務を行う場合において、電気通信主任技術者として必要な専門的知識及び能力又は工事担任者として必要な知識及び技能を有するかどうかの判定に関する事務については、総務省令で定める要件を備える者(以下「試験員」という。)に行わせなければならない。

(役員等の選任及び解任)

第五十九条  指定試験機関の役員の選任及び解任は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

 指定試験機関は、試験員を選任し、又は解任したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

 総務大臣は、指定試験機関の役員又は試験員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分又は第六十一条第一項の試験事務規程に違反したときは、その指定試験機関に対し、その役員又は試験員を解任すべきことを命ずることができる。

(秘密保持義務等)

第六十条  指定試験機関の役員若しくは職員(試験員を含む。)又はこれらの職にあつた者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

 試験事務に従事する指定試験機関の役員及び職員(試験員を含む。)は、刑法 (明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

(試験事務規程)

第六十一条  指定試験機関は、総務省令で定める試験事務の実施に関する事項について試験事務規程を定め、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 総務大臣は、前項の認可をした試験事務規程が試験事務の適確な実施上不適当となつたと認めるときは、その指定試験機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。

(事業計画等)

第六十二条  指定試験機関は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 指定試験機関は、毎事業年度、事業報告書及び収支決算書を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に総務大臣に提出しなければならない。

(帳簿の備付け等)

第六十三条  指定試験機関は、総務省令で定めるところにより、帳簿を備え付け、これに試験事務に関する事項で総務省令で定めるものを記載し、及びこれを保存しなければならない。

(監督命令)

第六十四条  総務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、試験事務に関し監督上必要な命令をすることができる。

(業務の休廃止)

第六十五条  指定試験機関は、総務大臣の許可を受けなければ、試験事務の全部若しくは一部を休止し、又は廃止してはならない。

 総務大臣は、前項の許可をしたときは、その旨を公示しなければならない。

(指定の取消し等)

第六十六条  総務大臣は、指定試験機関が第五十七条第二項各号(第三号を除く。)の一に該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。

 総務大臣は、指定試験機関が次の各号の一に該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて試験事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

 この款の規定に違反したとき。

 第五十七条第一項各号の一に適合しなくなつたと認められるとき。

 第五十九条第三項、第六十一条第二項又は第六十四条の規定による命令に違反したとき。

 第六十一条第一項の規定により認可を受けた試験事務規程によらないで試験事務を行つたとき。

 不正な手段により指定を受けたとき。

 総務大臣は、第一項若しくは前項の規定により指定を取り消し、又は同項の規定により試験事務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。

(総務大臣による試験事務の実施)

第六十七条  総務大臣は、指定試験機関が第六十五条第一項の規定により試験事務の全部若しくは一部を休止したとき、前条第二項の規定により指定試験機関に対し試験事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定試験機関が天災その他の事由により試験事務の全部若しくは一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、第五十六条第四項の規定にかかわらず、試験事務の全部又は一部を自ら行うものとする。

 総務大臣は、前項の規定により試験事務を行うこととし、又は同項の規定により行つている試験事務を行わないこととするときは、あらかじめその旨を公示しなければならない。

 総務大臣が、第一項の規定により試験事務を行うこととし、第六十五条第一項の規定により試験事務の廃止を許可し、又は前条第一項若しくは第二項の規定により指定を取り消した場合における試験事務の引継ぎその他の必要な事項は、総務省令で定める。

     第二款 指定認定機関

(指定認定機関の指定)

第六十八条  総務大臣は、その指定する者(以下「指定認定機関」という。)に技術基準適合認定を行わせることができる。

 指定認定機関の指定は、総務省令で定める区分ごとに、技術基準適合認定を行おうとする者の申請により行う。

 総務大臣は、指定認定機関の指定をしたときは、当該指定に係る区分の技術基準適合認定を行わないものとする。

(指定認定機関の指定の基準)

第六十九条  総務大臣は、前条第二項の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、指定認定機関の指定をしてはならない。

 職員、設備、技術基準適合認定の業務の実施の方法その他の事項についての技術基準適合認定の業務の実施に関する計画が技術基準適合認定の業務の適確な実施のために適切なものであること。

 前号の技術基準適合認定の業務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。

 法人にあつては、その役員又は法人の種類に応じて総務省令で定める構成員の構成が技術基準適合認定の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。

 前号に定めるもののほか、技術基準適合認定が不公正になるおそれがないものとして総務省令で定める基準に適合するものであること。

 その指定をすることによつて当該申請に係る区分の技術基準適合認定の業務の適確な実施を阻害することとならないこと。

 総務大臣は、前条第二項の申請をした者が次の各号のいずれかに該当するときは、指定認定機関の指定をしてはならない。

 この法律又は有線電気通信法 若しくは電波法 の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者であること。

 第七十二条において準用する第六十六条第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者であること。

 法人であつて、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があること。

(指定の更新)

第六十九条の二  指定認定機関の指定は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

 第六十八条第二項及び前条の規定は、前項の指定の更新について準用する。

(指定の公示等)

第七十条  総務大臣は、指定認定機関の指定をしたときは、指定認定機関の名称及び住所、指定に係る区分、技術基準適合認定の業務を行う事務所の所在地並びに技術基準適合認定の業務の開始の日を公示しなければならない。

 指定認定機関は、その名称若しくは住所又は技術基準適合認定の業務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

 総務大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

(技術基準適合認定の義務等)

第七十一条  指定認定機関は、技術基準適合認定を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、技術基準適合認定のための審査を行わなければならない。

 指定認定機関は、技術基準適合認定を行うときは、総務省令で定める方法に従い、総務省令で定める要件を備える者(以下「認定員」という。)にその審査を行わせなければならない。

(役員等の選任及び解任)

第七十一条の二  指定認定機関は、役員又は認定員を選任し、又は解任したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

 総務大臣は、指定認定機関の認定員が、この法律、この法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分又は第七十二条において読み替えて準用する第六十一条第一項の業務規程に違反したときは、その指定認定機関に対し、その認定員を解任すべきことを命ずることができる。

(事業計画等)

第七十一条の三  指定認定機関は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、総務大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

(準用)

第七十二条  第五十条第二項から第四項までの規定は指定認定機関が行う技術基準適合認定に、第六十条、第六十一条、第六十二条第二項及び第六十三条から第六十七条までの規定は指定認定機関について準用する。この場合において、第五十条第二項及び第四項中「総務大臣」とあるのは「指定認定機関」と、同条第二項中「前項の申請」とあるのは「技術基準適合認定を受けようとする者から申請」と、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは「同項の申請」と、第六十条中「試験員」とあるのは「第七十一条第二項の認定員」と、同条、第六十一条、第六十四条、第六十五条第一項、第六十六条第二項及び第三項並びに第六十七条中「試験事務」とあるのは「技術基準適合認定の業務」と、第六十条第一項中「役員」とあるのは「役員(法人でない指定認定機関にあつては、指定認定機関の指定を受けた者。次項並びに第百六条及び第百十条において同じ。)」と、第六十一条及び第六十六条第二項第四号中「試験事務規程」とあるのは「業務規程」と、第六十三条中「試験事務」とあるのは「技術基準適合認定」と、第六十六条第一項中「第五十七条第二項各号(第三号」とあるのは「第六十九条第二項各号(第二号」と、同条第二項第一号中「この款」とあるのは「第七十一条、第七十一条の二第一項若しくは第七十一条の三の規定又は第七十二条において準用するこの款」と、同項第二号中「第五十七条第一項各号」とあるのは「第六十九条第一項第一号から第四号まで」と、同項第三号中「第五十九条第三項」とあるのは「第七十一条の二第二項」と、第六十七条第一項中「第五十六条第四項」とあるのは「第六十八条第三項」と読み替えるものとする。

(端末機器の設計についての認証)

第七十二条の二  指定認定機関は、申請により、端末機器を、第四十九条第一項の総務省令で定める技術基準に適合するものとして、その設計について認証することができる。

 指定認定機関が前項の認証の業務を行う場合における第六十八条第三項、第七十一条及び前条の規定の適用については、第六十八条第三項中「技術基準適合認定」とあるのは「技術基準適合認定及び第七十二条の二第一項の認証」と、第七十一条中「技術基準適合認定」とあるのは「技術基準適合認定又は第七十二条の二第一項の認証」と、前条中「の業務」とあるのは「の業務及び第七十二条の二第一項の認証の業務」と、「技術基準適合認定」」とあるのは「技術基準適合認定又は第七十二条の二第一項の認証」」とする。

 第五十条の四第二項から第五項までの規定は指定認定機関が行う第一項の認証に、同条第六項及び第七項の規定は総務大臣が行う第一項の認証の取消しに準用する。この場合において、同条第三項中「総務大臣は、第一項」とあるのは「指定認定機関は、第七十二条の二第一項」と、同条第四項中「第一項の申請」とあるのは「第七十二条の二第一項の申請」と読み替えるものとする。

     第三款 承認認定機関

(承認認定機関の承認等)

第七十二条の三  総務大臣は、外国の法令に基づく端末機器の検査に関する制度で技術基準適合認定の制度に類するものに基づいて端末機器の検査、試験等を行う者であつて、当該外国において、外国取扱業者が取り扱う本邦内で使用されることとなる端末機器について第四十九条第一項の総務省令で定める技術基準に適合していることの認定を行おうとするものから申請があつたときは、第六十八条第二項の総務省令で定める区分ごとに、これを承認することができる。

 前項の規定による承認を受けた者(以下「承認認定機関」という。)が行つた同項の認定を受けた端末機器は、技術基準適合認定を受けた端末機器とみなす。

 承認認定機関は、第一項の認定の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止したときは、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

 総務大臣は、前項の規定による届出があつたときは、その旨を公示しなければならない。

 第五十条第二項から第四項までの規定は承認認定機関が行う第一項の認定に、第六十一条、第六十三条、第六十四条、第七十条第二項及び第三項並びに第七十一条の規定は承認認定機関に、第六十九条(第一項第五号を除く。)及び第七十条第一項の規定は総務大臣が行う第一項の規定による承認について準用する。この場合において、第五十条第二項及び第四項中「総務大臣」とあるのは「承認認定機関」と、同条第二項中「前項の」とあるのは「第七十二条の三第一項の認定を受けようとする者から」と、同条第三項中「第一項の申請」とあるのは「同項の申請」と、第六十一条中「試験事務の」とあるのは「第七十二条の三第一項の認定の業務の」と、「試験事務規程」とあるのは「業務規程」と、同条第二項中「命ずる」とあるのは「請求する」と、第六十三条中「試験事務」とあるのは「第七十二条の三第一項の認定」と、第六十四条中「試験事務に関し監督上必要な命令」とあるのは「第七十二条の三第一項の認定の業務に関し必要な請求」と、第六十九条中「前条第二項」とあるのは「第七十二条の三第一項」と、同条及び第七十条第一項中「指定認定機関」とあるのは「承認認定機関」と、第六十九条第一項、第七十条第一項及び第二項並びに第七十一条中「技術基準適合認定」とあるのは「第七十二条の三第一項の認定」と、第六十九条第二項第二号中「第七十二条において準用する第六十六条第一項又は第二項」とあるのは「第七十二条の四第一項又は第二項」と、第七十一条第二項中「備える者(以下「認定員」という。)」とあるのは「備える者」と読み替えるものとする。

 承認認定機関は、外国取扱業者の申請により、本邦内で使用されることとなる端末機器を、第四十九条第一項の総務省令で定める技術基準に適合するものとして、その設計について認証することができる。

 承認認定機関が前項の認証の業務を行う場合における第三項及び第五項の規定の適用については、第三項中「認定の」とあるのは「認定の業務及び第六項の認証の」と、第五項中「業務の」とあるのは「業務及び同条第六項の認証の業務の」と、「試験事務」とあるのは「第七十二条の三第一項の認定」とあるのは「試験事務」とあるのは「第七十二条の三第一項の認定又は同条第六項の認証」と、「の業務に関し」とあるのは「の業務及び同条第六項の認証の業務に関し」と、「第二項並びに第七十一条」とあるのは「第二項」と、「第七十一条第二項」とあるのは「第七十一条中「技術基準適合認定」とあるのは「第七十二条の三第一項の認定又は同条第六項の認証」と、同条第二項」とする。

 第五十条の四第三項から第五項までの規定は承認認定機関が行う第六項の認証に、同条第六項及び第七項の規定は総務大臣が行う第六項の認証の取消しに準用する。この場合において、同条第三項中「総務大臣は、第一項」とあるのは「承認認定機関は、第七十二条の三第六項」と、同条第四項中「第一項の申請」とあるのは「第七十二条の三第六項の申請」と読み替えるものとする。

(承認の取消し)

第七十二条の四  総務大臣は、承認認定機関が前条第一項に規定する外国における資格を失つたとき又は同条第五項において準用する第六十九条第二項第一号若しくは第三号に該当するに至つたときは、その承認を取り消さなければならない。

 総務大臣は、承認認定機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その承認を取り消すことができる。

 前条第三項の規定又は同条第五項において準用する第六十一条第一項、第六十三条、第七十条第二項若しくは第七十一条の規定に違反したとき。

 前条第五項において準用する第六十一条第一項の規定による認可を受けた業務規程によらないで業務を行つたとき。

 前条第五項において準用する第六十一条第二項又は第六十四条の規定による請求に応じなかつたとき。

 前条第五項において準用する第六十九条第一項各号(第五号を除く。)のいずれかに適合しなくなつたと認められるとき。

 不正な手段により承認を受けたとき。

 総務大臣が第九十二条第五項において準用する同条第四項の規定により承認認定機関に対し報告をさせようとした場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。

 総務大臣が第九十二条第五項において準用する同条第四項の規定によりその職員に承認認定機関の事務所又は事業所において検査をさせようとした場合において、その検査が拒まれ、妨げられ、又は忌避されたとき。

 総務大臣は、前二項の規定により承認を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。

    第六節 基礎的電気通信役務

(基礎的電気通信役務の提供)

第七十二条の五  基礎的電気通信役務(国民生活に不可欠であるためあまねく日本全国における提供が確保されるべきものとして総務省令で定める電気通信役務をいう。以下同じ。)を提供する電気通信事業者は、その適切、公平かつ安定的な提供に努めなければならない。

(基礎的電気通信役務支援機関の指定)

第七十二条の六  総務大臣は、基礎的電気通信役務の提供の確保に寄与することを目的として設立された民法第三十四条 の法人であつて、次条に規定する業務(以下「支援業務」という。)に関し次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、全国に一を限つて、基礎的電気通信役務支援機関(以下「支援機関」という。)として指定することができる。

 職員、設備、支援業務の実施の方法その他の事項についての支援業務の実施に関する計画が支援業務の適確な実施のために適切なものであること。

 前号の支援業務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。

 支援業務以外の業務を行つている場合には、その業務を行うことによつて支援業務が不公正になるおそれがないこと。

(業務)

第七十二条の七  支援機関は、次に掲げる業務を行うものとする。

 次条第一項の規定により指定された適格電気通信事業者に対し、当該指定に係る基礎的電気通信役務の提供に要する費用の額が当該指定に係る基礎的電気通信役務の提供により生ずる収益の額を上回ると見込まれる場合において、当該上回ると見込まれる額の費用の一部に充てるための交付金を交付すること。

 前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。

(適格電気通信事業者の指定)

第七十二条の八  総務大臣は、支援機関の指定をしたときは、基礎的電気通信役務を提供する第一種電気通信事業者であつて、次に掲げる基準に適合すると認められるものを、その申請により、適格電気通信事業者として指定することができる。

 総務省令で定めるところにより、申請に係る基礎的電気通信役務の提供の業務に関する会計を整理し、及びこれに基づき当該業務に関する収支の状況その他総務省令で定める事項を公表していること。

 申請に係る基礎的電気通信役務を提供するために設置している電気通信設備が第一種指定電気通信設備及び第二種指定電気通信設備以外の電気通信設備であるときは、当該電気通信設備と他の電気通信事業者の電気通信設備との接続に関し、第三十八条の四第二項に規定する接続約款を定めていること。

 申請に係る基礎的電気通信役務に係る業務区域の範囲が総務省令で定める基準に適合するものであること。

 前項の規定による指定は、総務省令で定める基礎的電気通信役務の種別ごとに行う。

 第十六条第四項又は第十七条第一項の規定による第一種電気通信事業者の地位の承継があつた場合において、当該第一種電気通信事業者が適格電気通信事業者であつたときは、当該第一種電気通信事業者の地位を承継した第一種電気通信事業者は、適格電気通信事業者の地位を承継するものとする。

 総務大臣は、適格電気通信事業者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は適格電気通信事業者から第一項の指定の取消しの申請があつたときは、その指定を取り消すことができる。

 次条第二項又は第三項の規定に違反したとき。

 第一項各号のいずれかに適合しなくなつたと認められるとき。

(交付金の交付)

第七十二条の九  支援機関は、年度(毎年四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下この節において同じ。)ごとに、総務省令で定める方法により第七十二条の七第一号の交付金(以下この節において単に「交付金」という。)の額を算定し、当該交付金の額及び交付方法について総務大臣の認可を受けなければならない。

 適格電気通信事業者は、総務省令で定めるところにより、交付金の額を算定するための資料として、前年度における前条第一項の指定に係る基礎的電気通信役務の提供に要した原価及び当該指定に係る基礎的電気通信役務の提供により生じた収益の額その他総務省令で定める事項を支援機関に届け出なければならない。

 前項の原価は、能率的な経営の下における適正な原価を算定するものとして総務省令で定める方法により算定しなければならない。

 支援機関は、第一項の認可を受けたときは、総務省令で定めるところにより、交付金の額を公表しなければならない。

(負担金の徴収)

第七十二条の十  支援機関は、年度ごとに、支援業務に要する費用の全部又は一部に充てるため、次に掲げる電気通信事業者であつて、その事業の規模が政令で定める基準を超えるもの(以下この条において「接続電気通信事業者等」という。)から、負担金を徴収することができる。ただし、接続電気通信事業者等の前年度における電気通信役務の提供により生じた収益の額(その者が、前年度又はその年度(第三項の規定による通知を受けるまでの間に限る。)において、他の接続電気通信事業者等について合併、分割(電気通信事業の全部を承継させるものに限る。)若しくは相続があつた場合における合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人、分割により当該事業の全部を承継した法人若しくは相続人又は他の接続電気通信事業者等から電気通信事業の全部を譲り受けた者であるときは、合併により消滅した法人、分割をした法人若しくは被相続人又は当該事業を譲り渡した接続電気通信事業者等の前年度における電気通信役務の提供により生じた収益の額を含む。)として総務省令で定める方法により算定した額に対する当該負担金(以下この節において単に「負担金」という。)の額の割合は、政令で定める割合を超えてはならない。

 適格電気通信事業者が第七十二条の八第一項の指定に係る基礎的電気通信役務を提供するために設置している電気通信設備との接続に関する協定を締結している電気通信事業者

 前号に掲げる電気通信事業者の電気通信設備との接続に関する協定を締結している電気通信事業者その他電気通信事業者の電気通信設備を介して同号に規定する電気通信設備と接続する電気通信設備を設置している電気通信事業者

 第一号に規定する電気通信設備、これと接続する電気通信設備又は電気通信事業者の電気通信設備を介して同号に規定する電気通信設備と接続する電気通信設備を用いる卸電気通信役務の提供を受ける契約を締結している電気通信事業者

 支援機関は、年度ごとに、総務省令で定める方法により負担金の額を算定し、負担金の額及び徴収方法について総務大臣の認可を受けなければならない。

 支援機関は、前項の認可を受けたときは、接続電気通信事業者等に対し、その認可を受けた事項を記載した書面を添付して、納付すべき負担金の額、納付期限及び納付方法を通知しなければならない。

 接続電気通信事業者等は、前項の規定による通知に従い、支援機関に対し、負担金を納付する義務を負う。

 第三項の規定による通知を受けた接続電気通信事業者等は、納付期限までにその負担金を納付しないときは、負担金の額に納付期限の翌日から当該負担金を納付する日までの日数一日につき総務省令で定める率を乗じて計算した金額に相当する金額の延滞金を納付する義務を負う。 

 支援機関は、接続電気通信事業者等が納付期限までにその負担金を納付しないときは、督促状によつて、期限を指定して督促しなければならない。

 支援機関は、前項の規定による督促を受けた接続電気通信事業者等がその指定の期限までにその督促に係る負担金及び第五項の規定による延滞金を納付しないときは、総務大臣にその旨を申し立てることができる。

 総務大臣は、前項の規定による申立てがあつたときは、当該接続電気通信事業者等に対し、支援機関に負担金及び第五項の規定による延滞金を納付すべきことを命ずることができる。

(資料の提出の請求)

第七十二条の十一  支援機関は、支援業務を行うため必要があるときは、電気通信事業者に対し、資料の提出を求めることができる。

(区分経理)

第七十二条の十二  支援機関は、支援業務以外の業務を行つている場合には、当該業務に係る経理と支援業務に係る経理とを区分して整理しなければならない。

(支援業務諮問委員会)

第七十二条の十三  支援機関には、支援業務諮問委員会を置かなければならない。

 支援業務諮問委員会は、支援機関の代表者の諮問に応じ、交付金の額及び交付方法、負担金の額及び徴収方法その他支援業務の実施に関する重要事項を調査審議し、及びこれらに関し必要と認める意見を支援機関の代表者に述べることができる。

 支援業務諮問委員会の委員は、電気通信事業者及び学識経験を有する者のうちから、総務大臣の認可を受けて、支援機関の代表者が任命する。

(支援機関の指定を取り消した場合における経過措置)

第七十二条の十四  第七十二条の十六において準用する第六十六条第一項又は第二項の規定により支援機関の指定を取り消した場合において、総務大臣がその取消し後に新たに支援機関を指定したときは、取消しに係る支援機関の支援業務に係る財産は、新たに指定を受けた支援機関に帰属する。

 前項に定めるもののほか、第七十二条の十六において準用する第六十六条第一項又は第二項の規定により支援機関の指定を取り消した場合における支援業務に係る財産の管理その他所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、合理的に必要と判断される範囲内において、政令で定める。

(支援機関への情報提供等)

第七十二条の十五  総務大臣は、支援機関に対し、支援業務の実施に関し必要な情報及び資料の提供又は指導及び助言を行うものとする。

(準用)

第七十二条の十六  第五十七条第二項(第一号を除く。)、第五十九条第一項及び第三項、第六十条から第六十六条まで並びに第七十条の規定は、支援機関について準用する。この場合において、第五十七条第二項中「前条第二項」とあるのは「第七十二条の六」と、第五十九条第三項中「役員又は試験員」とあるのは「役員」と、同項、第六十一条及び第六十六条第二項第四号中「試験事務規程」とあるのは「支援業務規程」と、第六十条中「職員(試験員を含む。)」とあるのは「職員」と、同条、第六十一条、第六十三条、第六十四条、第六十五条第一項並びに第六十六条第二項及び第三項中「試験事務」とあり、並びに第七十条第一項及び第二項中「技術基準適合認定の業務」とあるのは「支援業務」と、第六十六条第一項中「第五十七条第二項各号(第三号を除く。)の一」とあるのは「第五十七条第二項第二号又は第四号」と、同条第二項第一号中「この款」とあるのは「第七十二条の九第一項若しくは第四項、第七十二条の十第二項、第七十二条の十二若しくは第七十二条の十三第三項の規定又は第七十二条の十六において準用するこの款」と、同項第二号中「第五十七条第一項各号」とあるのは「第七十二条の六各号」と、第七十条第一項中「住所、指定に係る区分」とあるのは「住所」と読み替えるものとする。

   第三章 土地の使用

(土地等の使用権)

第七十三条  第一種電気通信事業者は、第一種電気通信事業の用に供する線路及び空中線並びにこれらの附属設備(以下この章において「線路」と総称する。)を設置するため他人の土地及びこれに定着する建物その他の工作物(国有財産法 (昭和二十三年法律第七十三号)第三条第二項 に規定する行政財産、地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百三十八条第三項 に規定する行政財産その他政令で定めるもの(第四項において「行政財産等」という。)を除く。以下単に「土地等」という。)を利用することが必要かつ適当であるときは、総務大臣の認可を受けて、その土地等の所有者(所有権以外の権原に基づきその土地等を使用する者があるときは、その者及び所有者。以下同じ。)に対し、その土地等を使用する権利(以下「使用権」という。)の設定に関する協議を求めることができる。第三項の存続期間が満了した後において、その期間を延長して使用しようとするときも、同様とする。

 前項の認可は、第一種電気通信事業者がその土地等の利用を著しく妨げない限度において使用する場合にすることができる。ただし、他の法律によつて土地等を収用し、又は使用することができる事業の用に供されている土地等にあつてはその事業のための土地等の利用を妨げない限度において利用する場合に限り、建物その他の工作物にあつては線路を支持するために利用する場合に限る。

 第一項の使用権の存続期間は、十五年(地下ケーブルその他の地下工作物又は鉄鋼若しくはコンクリート造の地上工作物の設置を目的とするものにあつては、五十年)とする。ただし、同項の協議又は第七十七条第二項若しくは第三項の裁定においてこれより短い期間を定めたときは、この限りでない。

 総務大臣は、第一項の認可の申請があつた場合において、必要があると認めるときは、その土地等の所有者(その土地等が行政財産等に定着する建物その他の工作物であるときは、当該行政財産等を管理する者その他の政令で定める者を含む。次項並びに第七十五条第一項及び第七十六条において同じ。)の意見を聴くものとする。

 総務大臣は、第一項の認可をしたときは、その旨をその土地等の所有者に通知するとともに、これを公告しなければならない。

 第一項の協議が調つた場合には、第一種電気通信事業者及び土地等の所有者は、総務省令で定めるところにより、その協議において定めた事項を総務大臣に届け出るものとする。

 前項の届出があつたときは、その届け出たところに従い、第一種電気通信事業者がその土地等の使用権を取得し、又は当該使用権の存続期間が延長されるものとする。

 第一種電気通信事業者及び土地等の所有者は、その合意により、使用権を消滅させることができる。この場合においては、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出なければならない。

(裁定の申請)

第七十四条  前条第一項の規定による協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、第一種電気通信事業者は、総務省令で定める手続に従い、その土地等の使用について、総務大臣の裁定を申請することができる。ただし、同項の認可があつた日から三月を経過したときは、この限りでない。

 第一種電気通信事業者は、使用権の存続期間の延長について前項の規定により裁定を申請したときは、その裁定があるまでは、引き続きその土地等を使用することができる。

(裁定)

第七十五条  総務大臣は、前条第一項の規定による裁定の申請を受理したときは、三日以内に、その申請書の写しを当該市町村長に送付するとともに、土地等の所有者に裁定の申請があつた旨を通知しなければならない。

 市町村長は、前項の書類を受け取つたときは、三日以内に、その旨を公告し、公告の日から一週間、これを公衆の縦覧に供しなければならない。

 市町村長は、前項の規定による公告をしたときは、公告の日を総務大臣に報告しなければならない。

 前三項の規定の適用については、これらの規定中「市町村長」とあるのは、特別区のある地にあつては「特別区の区長」と、地方自治法第二百五十二条の十九第一項 の指定都市にあつては「区長」と、全部事務組合のある地にあつては「全部事務組合の管理者」と、役場事務組合のある地にあつては「役場事務組合の管理者」とする。

第七十六条  前条第二項の規定による公告があつたときは、土地等の所有者その他利害関係人は、公告の日から十日以内に、総務大臣に意見書を提出することができる。

第七十七条  総務大臣は、前条の期間が経過した後、速やかに、裁定をしなければならない。

 使用権を設定すべき旨を定める裁定においては、次の事項を定めなければならない。

 使用権を設定すべき土地等の所在地及びその範囲

 線路の種類及び数

 使用開始の時期

 使用権の存続期間を定めたときは、その期間

 対価の額並びにその支払の時期及び方法

 使用権の存続期間を延長すべき旨を定める裁定においては、延長する期間(延長に際し前項第五号に掲げる事項を変更するときは、延長する期間及び当該変更後の同号に掲げる事項)を定めなければならない。

 総務大臣は、第二項第五号に掲げる事項(前項に規定する変更後のものを含む。)については、あらかじめその土地等の所在する都道府県の収用委員会の意見を聴き、これに基づいて裁定しなければならない。この場合において、同号の対価の額の基準は、その使用により通常生ずる損失を償うように、線路及び土地等の種類ごとに政令で定める。

 総務大臣は、第七十四条第一項の裁定をしたときは、遅滞なく、その旨を第一種電気通信事業者及び土地等の所有者に通知するとともに、これを公告しなければならない。

 使用権を設定すべき旨を定める裁定があつたときは、その裁定において定められた使用開始の時期に、第一種電気通信事業者は、その土地等の使用権を取得するものとする。

 使用権の存続期間を延長すべき旨を定める裁定があつたときは、当該使用権の存続期間は、その裁定において定められた期間延長されるものとする。

 第三十九条第八項から第十項までの規定は、第七十四条第一項の裁定について準用する。この場合において、第三十九条第八項及び第十項中「当事者が取得し、又は負担すべき金額」とあるのは、「対価の額」と読み替えるものとする。

(土地等の一時使用)

第七十八条  第一種電気通信事業者は、次に掲げる目的のため他人の土地等を利用することが必要であつて、やむを得ないときは、その土地等の利用を著しく妨げない限度において、一時これを使用することができる。ただし、建物その他の工作物にあつては、線路を支持するために利用する場合に限る。

 線路に関する工事の施行のため必要な資材及び車両の置場並びに土石の捨場の設置

 天災、事変その他の非常事態が発生した場合その他特にやむを得ない事由がある場合における重要な通信を確保するための線路その他の電気通信設備の設置

 測標の設置

 第一種電気通信事業者は、前項の規定により他人の土地等を一時使用しようとするときは、総務大臣の許可を受けなければならない。ただし、天災、事変その他の非常事態が発生した場合において十五日以内の期間一時使用するときは、この限りでない。

 第一種電気通信事業者は、第一項の規定により他人の土地等を一時使用しようとするときは、あらかじめ、土地等の占有者に通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、使用開始の後、遅滞なく、通知することをもつて足りる。

 第一項の規定により一時使用しようとする土地等が居住の用に供されているときは、その居住者の承諾を得なければならない。

 第一項の規定による一時使用の期間は、六月(同項第二号に規定する場合において仮線路又は測標を設置したときは、一年)を超えることができない。

 第一項の規定による一時使用のため他人の土地等に立ち入る者は、第二項の許可を受けたことを証する書面(同項ただし書の場合にあつては、その身分を示す証明書)を携帯し、関係人に提示しなければならない。

(土地の立入り)

第七十九条  第一種電気通信事業者は、線路に関する測量、実地調査又は工事のため必要があるときは、他人の土地に立ち入ることができる。

 前条第二項から第四項まで及び第六項の規定は、第一種電気通信事業者が前項の規定により他人の土地に立ち入る場合について準用する。

(通行)

第八十条  第一種電気通信事業者は、線路に関する工事又は線路の維持のため必要があるときは、他人の土地を通行することができる。

 第五十一条第三項並びに第七十八条第三項及び第四項の規定は、第一種電気通信事業者が前項の規定により他人の土地を通行する場合について準用する。

(植物の伐採)

第八十一条  第一種電気通信事業者は、植物が線路に障害を及ぼし、若しくは及ぼすおそれがある場合又は植物が線路に関する測量、実地調査若しくは工事に支障を及ぼす場合において、やむを得ないときは、総務大臣の許可を受けて、その植物を伐採し、又は移植することができる

 第一種電気通信事業者は、前項の規定により植物を伐採し、又は移植するときは、あらかじめ、植物の所有者に通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、伐採又は移植の後、遅滞なく、通知することをもつて足りる

 第一種電気通信事業者は、植物が線路に障害を及ぼしている場合において、その障害を放置するときは、線路を著しく損壊し、通信の確保に重大な支障を生ずると認められるときは、第一項の規定にかかわらず、総務大臣の許可を受けないで、その植物を伐採し、又は移植することができる。この場合においては、伐採又は移植の後、遅滞なく、その旨を総務大臣に届け出るとともに、植物の所有者に通知しなければならない

(損失補償)

第八十二条  第一種電気通信事業者は、第七十八条第一項の規定により他人の土地等を一時使用し、第七十九条第一項の規定により他人の土地に立ち入り、第八十条第一項の規定により他人の土地を通行し、又は前条第一項若しくは第三項の規定により植物を伐採し、若しくは移植したことによつて損失を生じたときは、損失を受けた者に対し、これを補償しなければならない。

 前項の規定による損失の補償について、第一種電気通信事業者と損失を受けた者との間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、第一種電気通信事業者又は損失を受けた者は、総務省令で定める手続に従い、都道府県知事の裁定を申請することができる。

 第三十九条第五項から第十項までの規定は、前項の裁定について準用する。この場合において、同条第五項中「総務大臣」とあるのは「都道府県知事」と、「答弁書」とあるのは「答弁書(損失を受けた者に通知する場合にあつては、意見書)」と、同条第六項中「総務大臣」とあるのは「都道府県知事」と、同条第八項及び第十項中「当事者が取得し、又は負担すべき金額」とあるのは「補償金の額」と読み替えるものとする。

 損失の補償をすべき旨を定める裁定においては、補償金の額並びにその支払の時期及び方法を定めなければならない。

(線路の移転等)

第八十三条  使用権に基づいて線路が設置されている土地等又はこれに近接する土地等の利用の目的又は方法が変更されたため、その線路が土地等の利用に著しく支障を及ぼすようになつたときは、その土地等の所有者は、第一種電気通信事業者に、線路の移転その他支障の除去に必要な措置をすべきことを請求することができる。

 第一種電気通信事業者は、前項の措置が業務の遂行上又は技術上著しく困難な場合を除き、同項の措置をしなければならない。

 第一項の措置について、第一種電気通信事業者と土地等の所有者との間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、第一種電気通信事業者又は土地等の所有者は、総務省令で定める手続に従い、総務大臣の裁定を申請することができる。

 第七十五条、第七十六条並びに第七十七条第一項及び第五項の規定は、前項の裁定について準用する。

 第一項の措置をすべき旨を定める裁定においては、その措置に要する費用の全部又は一部を土地等の所有者が負担すべき旨を定めることができる。

 第一項の措置をすべき旨を定める裁定においては、その措置をすべき時期(前項の場合にあつては、その時期並びに土地等の使用者が負担すべき費用の額、支払の時期及び支払の方法)を定めなければならない。

 第四項において準用する第七十七条第五項の規定による公告があつたときは、裁定の定めるところに従い、第一種電気通信事業者と土地等の所有者との間に協議が調つたものとみなす。

 第三十九条第八項から第十項までの規定は、第三項の裁定について準用する。この場合において、同条第八項及び第十項中「当事者が取得し、又は負担すべき金額」とあるのは、「費用の負担の額」と読み替えるものとする。

(原状回復の義務)

第八十四条  第一種電気通信事業者は、土地等の使用を終わつたとき、又はその使用する土地等を第一種電気通信事業の用に供する必要がなくなつたときは、その土地等を原状に回復し、又は原状に回復しないことによつて生ずる損失を補償して、これを返還しなければならない。

(公用水面の使用)

第八十五条  第一種電気通信事業者は、公共の用に供する水面(以下「水面」という。)に電気通信事業の用に供する水底線路(以下「水底線路」という。)を敷設しようとするときは、あらかじめ、次の事項を総務大臣及び関係都道府県知事(漁業法 (昭和二十四年法律第二百六十七号)第百三十六条 の規定により農林水産大臣が自ら都道府県知事の権限を行う漁場たる水面については、農林水産大臣を含む。次項において同じ。)に届け出なければならない。

 水底線路の位置及び次条第一項の申請をしようとする区域

 工事の開始及び完了の時期

 工事の概要

 関係都道府県知事は、前項の規定による届出があつた場合において、漁業権(漁業法 による漁業権をいう。以下同じ。)に関する利害関係人若しくは同項第一号の区域において次条第四項の政令で定める漁業を現に適法に行つている者の意見により、又は漁業に対する影響を勘案して、前項の届出に係る事項を変更する必要があると認めるときは、他の関係都道府県知事がある場合にあつては必要な協議を行つた上、届出があつた日から三十日以内に、その旨を総務大臣及び当該第一種電気通信事業者に通知することができる。

 漁業法第十一条第六項 の規定は、前項の規定による通知について準用する。この場合において、同条第六項 中「都道府県知事」とあるのは、「電気通信事業法第八十五条第一項の規定による届出を受けた関係都道府県知事」と読み替えるものとする。

 第一種電気通信事業者は、第二項の規定による通知を受けた場合には、当該事項を変更しなければならない。ただし、当該事項の変更がその業務の遂行上著しい支障がある場合において、その変更を要しない旨の総務大臣の認可を受けたときは、その事項については、この限りでない。

(水底線路の保護)

第八十六条  総務大臣は、第一種電気通信事業者の申請があつた場合において、前条に定める敷設の手続を経た水底線路を保護するため必要があるときは、その水底線路から千メートル(河川法 (昭和三十九年法律第百六十七号)が適用され、又は準用される河川(以下「河川」という。)については、五十メートル)以内の区域を保護区域として指定することができる。

 前項の規定による指定は、告示によつて行う。

 第一種電気通信事業者は、第一項の規定による保護区域の指定があつたときは、総務省令で定めるところにより、これを示す陸標を設置し、かつ、その陸標の位置を公告しなければならない。

 何人も、第一項の保護区域内において、船舶をびよう泊させ、底びき網を用いる漁業その他の政令で定める漁業を行い、若しくは土砂を掘採し、又は前項の陸標に舟若しくはいかだをつないではならない。ただし、河川管理者が河川工事を行う場合、海岸法 (昭和三十一年法律第百一号)第二条第三項 に規定する海岸管理者(以下この条において「海岸管理者」という。)が同法第二条第一項 に規定する海岸保全施設(以下この項において「海岸保全施設」という。)に関する工事を施行する場合又は同法第六条第一項 の規定により主務大臣が海岸保全施設に関する工事を施行する場合においてやむを得ない事情があるとき、その他政令で定める場合は、この限りでない。

 都道府県知事(漁業法第百三十六条 の規定により農林水産大臣が自ら都道府県知事の権限を行う場合は、農林水産大臣。第七項において同じ。)は、第一種電気通信事業者の申請があつた場合において、水底線路を保護する必要があると認めるときは、第一項の保護区域内の水面に設定されている漁業権を取り消し、変更し、又はその行使の停止を命ずることができる。

 漁業法第十一条第六項 の規定は、前項の規定による漁業権の取消し若しくは変更又はその行使の停止について準用する。この場合において、同条第六項 中「都道府県知事」とあるのは、「電気通信事業法第八十六条第五項の規定による申請を受けた都道府県知事」と読み替えるものとする。

 都道府県知事は、第一項の保護区域内の水面における漁業権の設定については、水底線路の保護に必要な配慮をしなければならない。

 海岸管理者は、第一項の保護区域の水面における施設若しくは工作物の設置又は行為の許可については、水底線路の保護に必要な配慮をしなければならない。

第八十七条  第一種電気通信事業者は、前条第五項の規定による漁業権の取消し、変更又はその行使の停止によつて生じた損失を当該漁業権者に対し補償しなければならない。

 漁業法第三十九条第七項 から第十二項 までの規定は、前項の規定による損失の補償について準用する。この場合において、同条第十項 及び第十一項 中「都道府県」とあるのは、「第一種電気通信事業者」と読み替えるものとする。

第八十八条  船舶は、第一種電気通信事業者の水底線路の敷設若しくは修理に従事している船舶であつて、その旨を示す標識を掲げているものから千メートル以内で総務省令で定める範囲内(河川については、五十メートル以内)又は施設若しくは修理中の水底線路の位置を示す浮標であつて、その旨の標識を掲げてあるものから四百メートル以内で総務省令で定める範囲内(河川については、三十メートル以内)の水面を航行してはならない。

   第三章の二 電気通信事業紛争処理委員会

    第一節 設置及び組織

(設置及び権限)

第八十八条の二  総務省に、電気通信事業紛争処理委員会(以下「委員会」という。)を置く。

 委員会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を処理する。

(組織)

第八十八条の三  委員会は、委員五人をもつて組織する。

 委員は、非常勤とする。ただし、そのうち二人以内は、常勤とすることができる。

(委員長)

第八十八条の四  委員会に、委員長を置き、委員の互選により選任する。

 委員長は、会務を総理し、委員会を代表する。

 委員会は、あらかじめ、委員長に事故があるときにその職務を代理する委員を定めておかなければならない。

(委員の任命)

第八十八条の五  委員は、電気通信事業に関して優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、総務大臣が任命する。

 委員の任期が満了し、又は欠員が生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、総務大臣は、前項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。

 前項の場合においては、任命後最初の国会で両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、総務大臣は、直ちにその委員を罷免しなければならない。

(任期)

第八十八条の六  委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

 委員は、再任されることができる。

 委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行うものとする。

(委員の罷免)

第八十八条の七  総務大臣は、委員が心身の故障のため職務の遂行ができないと認める場合又は委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合においては、両議院の同意を得て、これを罷免することができる。

(委員の服務)

第八十八条の八  委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

 委員は、在任中、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。

 常勤の委員は、在任中、総務大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行つてはならない。

(委員の給与)

第八十八条の九  委員の給与は、別に法律で定める。

(事務局)

第八十八条の十  委員会の事務を処理させるため、委員会に事務局を置く。

 事務局に、事務局長のほか、所要の職員を置く。

 事務局長は、委員長の命を受けて、局務を掌理する。

(政令への委任)

第八十八条の十一  この節に規定するもののほか、委員会に関し必要な事項は、政令で定める。

    第二節 あつせん及び仲裁

(電気通信設備の接続に関するあつせん)

第八十八条の十二  電気通信事業者間において、その一方が電気通信設備の接続に関する協定の締結を申し入れたにもかかわらず他の一方がその協議に応じず、若しくは当該協議が調わないとき、又は電気通信設備の接続に関する協定の締結に関し、当事者が取得し、若しくは負担すべき金額若しくは接続の条件その他協定の細目について当事者間の協議が調わないときは、当事者は、委員会に対し、あつせんを申請することができる。ただし、当事者が第三十九条第一項若しくは第二項の申立て、同条第三項の規定による裁定の申請又は次条第一項の規定による仲裁の申請をした後は、この限りでない。

 委員会は、事件がその性質上あつせんをするのに適当でないと認めるとき、又は当事者が不当な目的でみだりにあつせんの申請をしたと認めるときを除き、あつせんを行うものとする。

 委員会によるあつせんは、委員会の委員その他の職員(委員会があらかじめ指定する者に限る。次条第三項において同じ。)のうちから委員会が事件ごとに指名するあつせん委員が行う。

 あつせん委員は、当事者間をあつせんし、双方の主張の要点を確かめ、事件が解決されるように努めなければならない。

 あつせん委員は、当事者から意見を聴取し、又は当事者に対し報告を求め、事件の解決に必要なあつせん案を作成し、これを当事者に提示することができる。

 あつせん委員は、あつせん中の事件について、当事者が第三十九条第一項若しくは第二項の申立て、同条第三項の規定による裁定の申請又は次条第一項の規定による仲裁の申請をしたときは、当該あつせんを打ち切るものとする。

(電気通信設備の接続に関する仲裁)

第八十八条の十三  電気通信事業者間において、電気通信設備の接続に関する協定の締結に関し、当事者が取得し、若しくは負担すべき金額又は接続の条件その他協定の細目について当事者間の協議が調わないときは、当事者の双方は、委員会に対し、仲裁を申請することができる。ただし、当事者が第三十九条第一項若しくは第二項の申立て又は同条第三項の規定による裁定の申請をした後は、この限りでない。

 委員会による仲裁は、三人の仲裁委員が行う。

 仲裁委員は、委員会の委員その他の職員のうちから当事者が合意によつて選定した者につき、委員会が指名する。ただし、当事者の合意による選定がなされなかつたときは、委員会の委員その他の職員のうちから委員会が指名する。

 仲裁については、この条に別段の定めがある場合を除いて、仲裁委員を仲裁人とみなして、公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律 (明治二十三年法律第二十九号)第八編 (仲裁手続)の規定を準用する。

(準用)

第八十八条の十四  前二条の規定は、電気通信設備の共用に関する協定について準用する。この場合において、第八十八条の十二第一項及び前条第一項中「接続の条件」とあるのは「共用の条件」と、第八十八条の十二第一項及び第六項並びに前条第一項中「第三十九条第一項若しくは第二項」とあるのは「第三十九条の四第一項」と、「同条第三項」とあるのは「同条第二項において準用する第三十九条第三項」と読み替えるものとする。

 前二条の規定は、卸電気通信役務の提供に関する契約について準用する。この場合において、第八十八条の十二第一項及び前条第一項中「接続の条件」とあるのは「提供の条件」と、「協定の細目」とあるのは「契約の細目」と、第八十八条の十二第一項及び第六項並びに前条第一項中「第三十九条第一項若しくは第二項」とあるのは「第三十九条の六において準用する第三十九条の四第一項」と、「同条第三項」とあるのは「第三十九条の六において準用する第三十九条第三項」と読み替えるものとする。

(その他の協定等に関するあつせん等)

第八十八条の十五  電気通信事業者間において、電気通信役務の円滑な提供の確保のためにその締結が必要なものとして政令で定める協定又は契約(第三項において「協定等」という。)の締結に関し、当事者が取得し、若しくは負担すべき金額又は条件その他その細目について当事者間の協議が調わないときは、当事者は、委員会に対し、あつせんを申請することができる。

 第八十八条の十二第二項から第五項までの規定は、前項のあつせんについて準用する。

 電気通信事業者間において、協定等の締結に関し、当事者が取得し、若しくは負担すべき金額又は条件その他その細目について当事者間の協議が調わないときは、当事者の双方は、委員会に対し、仲裁を申請することができる。

 第八十八条の十三第二項から第四項までの規定は、前項の仲裁について準用する。

(申請の経由)

第八十八条の十六  この節の規定により委員会に対してするあつせん又は仲裁の申請は、総務大臣を経由してしなければならない。

(政令への委任)

第八十八条の十七  この節に規定するもののほか、あつせん及び仲裁の手続に関し必要な事項は、政令で定める。

    第三節 諮問等

(委員会への諮問)

第八十八条の十八  総務大臣は、次に掲げる事項については、委員会に諮問しなければならない。ただし、委員会が軽微な事項と認めたものについては、この限りでない。

 第三十九条第一項若しくは第二項の規定による電気通信設備の接続に関する命令、同条第三項若しくは第四項の規定による電気通信設備の接続に関する裁定、第三十九条の四第一項の規定による電気通信設備の共用に関する命令、同条第二項において準用する第三十九条第三項若しくは第四項の規定による電気通信設備の共用に関する裁定、第三十九条の六において準用する第三十九条第三項若しくは第四項の規定による卸電気通信役務の提供に関する裁定、第三十九条の六において準用する第三十九条の四第一項の規定による卸電気通信役務の提供に関する命令、第七十三条第一項の規定による土地等の使用に関する認可、第七十四条第一項の規定による土地等の使用に関する裁定又は第八十三条第三項の規定による支障の除去に必要な措置に関する裁定

 第三十一条第二項若しくは第六項の規定による電気通信役務の料金の変更の命令、第三十一条の四第二項の規定による契約約款の変更の命令、第三十六条第一項の規定による契約約款の変更の認可の申請の命令、同条第二項の規定による接続約款の変更の認可の申請の命令、同条第三項の規定による接続約款の変更の命令、同条第四項の規定による業務の改善命令、第三十七条の二第四項の規定による同条第三項の規定に違反する行為の停止若しくは変更の命令、第三十七条の三第四項の規定による同条第三項の規定に違反する行為の停止若しくは変更の命令、第三十八条の三第三項の規定による接続約款の変更の命令、第三十九条の二第三項の規定による計画の変更の勧告又は第三十九条の五第三項の規定による契約約款の変更の命令

(聴聞の特例)

第八十八条の十九  総務大臣は、第三十一条第二項若しくは第六項、第三十一条の四第二項、第三十六条、第三十七条、第三十七条の二第四項、第三十七条の三第四項、第三十八条の三第三項、第三十九条第一項若しくは第二項、第三十九条の四第一項(第三十九条の六において準用する場合を含む。)又は第三十九条の五第三項の規定による処分をしようとするときは、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第十三条第一項 の規定による意見の陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。

 前項に規定する処分に係る聴聞を行う場合において、当該処分が前条の規定により委員会に諮問すべきこととされている処分であるときは、当該処分に係る聴聞の主宰者は、委員会の委員のうちから、委員会の推薦により指名するものとする。

 第一項に規定する処分に係る聴聞の主宰者は、行政手続法第十七条第一項 の規定により当該処分に係る利害関係人が当該聴聞に関する手続に参加することを求めたときは、これを許可しなければならない。

(勧告)

第八十八条の二十  委員会は、この法律の規定によりその権限に属させられた事項に関し、総務大臣に対し、必要な勧告をすることができる。

 総務大臣は、前項の勧告を受けたときは、その内容を公表しなければならない。

   第四章 雑則

(許可等の条件)

第八十九条  許可又は認可には、条件を付し、及びこれを変更することができる。

 前項の条件は、許可若しくは認可の趣旨に照らして、又は許可若しくは認可に係る事項の確実な実施を図るため必要最小限のものでなければならない。

(適用除外等)

第九十条  この法律の規定は、次に掲げる電気通信事業については、適用しない。

 専ら一の者(電気通信事業者たる一の者を除く。)に電気通信役務を提供する電気通信事業

 その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(これに準ずる区域内を含む。)又は同一の建物内である電気通信設備その他総務省令で定める基準に満たない規模の電気通信設備により電気通信役務を提供する電気通信事業

 電気通信設備を用いて他人の通信を媒介する電気通信役務以外の電気通信役務を提供する第二種電気通信事業

 前項の規定にかかわらず、第三条及び第四条の規定は、同項各号に掲げる電気通信事業を営む者の取扱中に係る通信についても適用する。

第九十一条  削除

(報告及び検査)

第九十二条  総務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、電気通信事業者に対し、その事業に関し報告をさせ、又はその職員に、第一種電気通信事業者若しくは特別第二種電気通信事業者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、電気通信設備、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

 総務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、第五十条の二第一項の認定を受けた者に対し、その認定に係る業務に関し報告をさせ、又はその職員に、当該認定を受けた者の事務所若しくは事業所に立ち入り、その設備、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

 総務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、第五十条の四第一項又は第七十二条の二第一項の認証を受けた者に対し、当該認証に係る端末機器に関し報告をさせ、又はその職員に、当該認証を受けた者の事務所若しくは事業所に立ち入り、当該端末機器その他の物件を検査させることができる。

 総務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、指定試験機関、指定認定機関若しくは支援機関に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、指定試験機関、指定認定機関若しくは支援機関の事務所若しくは事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

 第二項の規定は第五十条の三第一項の認定を受けた者について、第三項の規定は第七十二条の三第六項の認証を受けた者について、前項の規定は承認認定機関について、それぞれ準用する。

 第一項の規定又は第二項から第四項まで(それぞれ前項において準用する場合を含む。)の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

 第一項の規定又は第二項から第四項まで(それぞれ第五項において準用する場合を含む。)の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(協議等)

第九十三条  この法律の規定により、第二種電気通信事業に関し、総務大臣が総務省令(政令で定めるものに限る。)を定め、若しくは命令その他の処分(政令で定めるものに限る。)を行う場合又は総務大臣に対し第二種電気通信事業に関する届出(政令で定めるものに限る。)若しくは登録の申請があつた場合における必要な関係行政機関との協議、これに対する通知その他の手続については、政令で定める。

(審議会等への諮問)

第九十四条  総務大臣は、次に掲げる事項については、審議会等(国家行政組織法 (昭和二十三年法律第百二十号)第八条 に規定する機関をいう。)で政令で定めるものに諮問しなければならない。ただし、当該審議会等が軽微な事項と認めたものについては、この限りでない。

 第九条第一項の規定による第一種電気通信事業の許可、第十四条第一項の規定による第一種電気通信事業者の電気通信役務の種類等の変更の許可、第三十一条第四項の規定による特定電気通信役務に関する料金の認可、第三十一条の四第三項の規定による契約約款の認可、第三十八条の二第二項の規定による接続約款の認可、同条第七項の規定による第一種指定電気通信設備との接続に関する協定の認可、第三十九条の三第一項の規定による電気通信設備の共用に関する協定の認可、第七十二条の八第一項の規定による適格電気通信事業者の指定、第七十二条の九第一項の規定による交付金の額及び交付方法の認可、第七十二条の十第二項の規定による負担金の額及び徴収方法の認可又は第七十二条の十六において準用する第六十一条第一項の規定による支援業務規程の認可

 第三十一条第三項の規定による基準料金指数の設定、第三十七条の二第一項の規定による第一種電気通信事業者の指定、第三十七条の三第一項の規定による特定関係事業者の指定、第三十八条の二第一項の規定による第一種指定電気通信設備の指定又は第三十八条の三第一項の規定による第二種指定電気通信設備の指定

 第七十二条の十第一項の規定による政令の制定又は改廃の立案

 第三十一条第三項、第三十七条の二第一項若しくは第五項、第三十七条の三第三項ただし書若しくは第五項、第三十八条第三号、第三十八条の二第一項、第三項第一号イ、ロ若しくはニ若しくは第二号、第四項、第五項、第八項、第十一項若しくは第十二項、第三十八条の三第一項若しくは第五項、第三十八条の四第三項、第三十九条の二第一項若しくは第二項、第三十九条の五第四項、第四十一条第一項、第四十八条の二第一項、第四十九条第一項、第五十二条第一項第一号、第七十二条の五、第七十二条の八第一項第一号若しくは第三号、第七十二条の九第一項から第三項まで又は第七十二条の十第一項若しくは第二項の規定による総務省令の制定又は改廃

 第三十一条の四第五項に規定する標準契約約款の制定又は改廃

(聴聞の特例)

第九十五条  第十九条第一項、第二十条第一項、第二十八条第一項、第四十六条(第五十四条第二項において準用する場合を含む。)、第五十九条第三項(第七十二条の十六において準用する場合を含む。)又は第七十一条の二第二項の規定による処分に係る聴聞の主宰者は、行政手続法第十七条第一項 の規定により当該処分に係る利害関係人が当該聴聞に関する手続に参加することを求めたときは、これを許可しなければならない。

(不服申立ての手続における意見の聴取)

第九十六条  この法律の規定による処分についての審査請求又は異議申立てに対する裁決又は決定は、審査請求人又は異議申立人に対し、相当な期間を置いて予告をした上、意見の聴取をした後にしなければならない。

 前項の予告においては、期日、場所及び事案の内容を示さなければならない。

 第一項の意見の聴取に際しては、審査請求人又は異議申立人及び利害関係人に対し、当該事案について証拠を提示し、意見を述べる機会を与えなければならない。

(意見の申出)

第九十六条の二  電気通信事業者の電気通信役務に関する料金その他の提供条件又は電気通信事業者の業務の方法に関し苦情その他の意見のある者は、総務大臣に対し、理由を記載した文書を提出して意見の申出をすることができる。

 総務大臣は、前項の申出があつたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を申出者に通知しなければならない。

(指定試験機関等の処分についての審査請求)

第九十七条  この法律の規定による指定試験機関又は指定認定機関の処分に不服がある者は、総務大臣に対し、行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)による審査請求をすることができる。

(手数料)

第九十八条  第十二条第四項の規定による確認を受ける者、電気通信主任技術者試験若しくは工事担任者試験を受けようとする者、技術基準適合認定(指定認定機関が行うものを除く。)を受けようとする者、第五十条の二第一項若しくは第五十条の三第一項の認定を受けようとする者、第五十条の四第一項の認証を受けようとする者又は電気通信主任技術者資格者証若しくは工事担任者資格者証の交付若しくは再交付を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納めなければならない。

 前項の手数料は、指定試験機関がその試験事務を行う試験を受けようとする者の納めるものについては当該指定試験機関の、その他のものについては国庫の収入とする。

(経過措置)

第九十九条  この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃するときは、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

(事務の区分)

第九十九条の二  第七十五条第二項及び第三項(これらの規定を第八十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定により市町村が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号 に規定する第一号 法定受託事務とする。

   第五章 罰則

第百条  第九条第一項の規定に違反して第一種電気通信事業を営んだ者は、三年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第百一条  次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

 第十八条第一項の規定に違反して第一種電気通信事業の全部又は一部を休止し、又は廃止した者

 第三十四条の規定に違反して電気通信役務の提供を拒んだ者

第百二条  みだりに電気通信事業者の事業用電気通信設備を操作して電気通信役務の提供を妨害した者は、二年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 第一種電気通信事業又は特別第二種電気通信事業に従事する者が、正当な理由がないのに電気通信事業者の事業用電気通信設備の維持又は運用の業務の取扱いをせず、電気通信役務の提供に障害を生ぜしめたときも、前項と同様とする。

 第一項の未遂罪は、罰する。

第百三条  第二十四条第一項の規定に違反して特別第二種電気通信事業を営んだ者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

第百四条  電気通信事業者の取扱中に係る通信(第九十条第二項に規定する通信を含む。)の秘密を侵した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

 電気通信事業に従事する者が前項の行為をしたときは、三年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。

 前二項の未遂罪は、罰する。

第百五条  第六十条第一項(第七十二条及び第七十二条の十六において準用する場合を含む。)の規定に違反してその職務に関し知り得た秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第百六条  第六十六条第二項(第七十二条及び第七十二条の十六において準用する場合を含む。)の規定による業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした指定試験機関、指定認定機関又は支援機関の役員又は職員は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第百七条  次の各号のいずれかに該当する者は、二百万円以下の罰金に処する。

 第十四条第一項の規定に違反して第九条第二項第二号から第四号までの事項を変更した者

 第十五条第一項の規定に違反して電気通信業務の一部を委託した者

 第三十一条第九項又は第三十一条の四第八項の規定に違反して電気通信役務を提供した者

 第三十一条第二項若しくは第六項、第三十一条の四第二項、第三十六条、第三十七条、第三十七条の二第四項、第三十七条の三第四項、第三十八条の三第三項、第三十九条第一項若しくは第二項、第三十九条の四第一項(第三十九条の六において準用する場合を含む。)、第三十九条の五第三項、第四十二条又は第四十八条の三の規定による命令又は処分に違反した者

 第三十八条の二第六項、第三十八条の三第四項、第三十九条の三第一項又は第四十条の規定に違反して協定又は契約を締結し、変更し、又は廃止した者

 第四十四条第一項の規定に違反して電気通信主任技術者を選任しなかつた者

第百八条  次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。

 第二十二条第一項の規定に違反して一般第二種電気通信事業を営んだ者

 第二十七条第一項の規定に違反して第二十四条第二項第二号又は第三号の事項を変更した者

 第三十一条の三第二項において準用する第三十一条第九項又は第三十一条の四第十項の規定に違反して電気通信役務を提供した者

 第五十条第五項の規定に違反して表示を付した者

第百九条  次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。

 第十二条第五項(第十四条第四項において準用する場合を含む。)、第二十二条第三項、第二十三条第二項若しくは第三項(これらの規定を第三十条において準用する場合を含む。)、第三十八条の二第九項、第三十八条の三第二項若しくは第六項、第三十八条の四第一項若しくは第四項、第三十九条の二第一項、第三十九条の三第五項、第三十九条の五第一項若しくは第五項、第四十三条第一項若しくは第二項又は第四十四条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 第三十一条の二又は第三十八条の二第十項の規定による記録をせず、又は虚偽の記録をした者

 第三十二条第一項の規定に違反して料金又は契約約款を公表せず、又は掲示しなかつた者

 第三十五条又は第三十七条の三第五項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

 第三十八条の二第八項、第三十八条の三第五項又は第三十八条の四第三項の規定に違反して接続約款を公表しなかつた者

 第三十九条の二第二項の規定に違反して計画を公表しなかつた者

 第三十九条の五第四項の規定に違反して契約約款を公表しなかつた者

 第八十六条第四項又は第八十八条の規定に違反した者

 第九十二条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした電気通信事業者又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した第一種電気通信事業者若しくは特別第二種電気通信事業者の役員若しくは職員

 第九十二条第二項又は第三項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

第百十条  次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした指定試験機関、指定認定機関又は支援機関の役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。

 第六十三条(第七十二条及び第七十二条の十六において準用する場合を含む。)の規定に違反して帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつたとき。

 第六十五条第一項(第七十二条及び第七十二条の十六において準用する場合を含む。)の規定に違反して試験事務、技術基準適合認定の業務又は支援業務の全部を廃止したとき。

 第九十二条第四項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

第百十一条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百条から第百九条までの違反行為(第百二条、第百五条及び第百六条の違反行為を除く。)をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

第百十二条  次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。

 第三十三条の規定に違反した者

 第三十七条の二第五項又は第三十八条の二第十一項の規定に違反して公表することを怠り、又は不実の公表をした者

 第三十七条の三第一項の規定に違反して役員を兼ねた者

第百十三条  次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。

 第十三条、第十四条第二項、第二十二条第二項、第二十三条第四項(第三十条において準用する場合を含む。)又は第二十七条第四項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

 正当な理由がないのに第四十六条(第五十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反して電気通信主任技術者資格者証又は工事担任者資格者証を返納しなかつた者

 第八十六条第三項の規定に違反した者


   附 則

(施行期日)

第一条  この法律は、昭和六十年四月一日から施行する。

(検討)

第二条  政府は、この法律の施行の日から三年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

(公衆電気通信法の廃止)

第三条  公衆電気通信法(昭和二十八年法律第九十七号)は、廃止する。

(経過措置)

第四条  この法律の施行の際現に解散前の日本電信電話公社(以下「旧公社」という。)が行つている公衆電気通信業務に係る事業であつて第一種電気通信事業に該当し、又はこれとみなされるものについては、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)に日本電信電話株式会社(以下「日本電電」という。)が第九条第一項の許可を受けたものとみなす。

 この法律の施行の際現に国際電信電話株式会社(以下「国際電電」という。)が行つている公衆電気通信業務に係る事業であつて第一種電気通信事業に該当し、又はこれとみなされるものについては、施行日に第九条第一項の許可を受けたものとみなす。

 日本電電及び国際電電は、前二項に規定する事業に関し、郵政省令で定める事項を施行日から一月以内に、郵政大臣に届け出なければならない。

第五条  電報の事業(配達の業務を含む。次項において同じ。)は、当分の間、第一種電気通信事業とみなし、当該事業に係る業務のうち受付及び配達の業務については、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社及び電気通信分野における規制の合理化のための関係法律の整備等に関する法律(平成十年法律第五十八号)第一条の規定による廃止前の国際電信電話株式会社法(昭和二十七年法律第三百一号)により設立された国際電信電話株式会社(当該法人が合併により消滅したときは、当該合併後存続する法人又は当該合併により設立した法人。以下この条において単に「国際電信電話株式会社」という。)のみがこれを行うことができる。この場合において、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社及び国際電信電話株式会社が行う電報の取扱いの役務は、電気通信役務とみなし、当該役務の提供の業務は、電気通信業務とみなして、この法律の規定(罰則を含む。)を適用する。

 東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社及び国際電信電話株式会社は、第十五条第一項の規定にかかわらず、総務省令で定めるところにより、電報の事業に係る業務の一部を委託することができる。

 前二項に規定するもののほか、電報の取扱いに係る業務又は役務に関し必要な事項は、総務省令で定める。

第六条  この法律の施行の際現にこの法律による廃止前の公衆電気通信法(以下「旧公衆法」という。)第五十五条の十三第二項の郵政省令で定める場合に該当するものとして一般第二種電気通信事業に相当する事業を営んでいる者は、施行日に第二十二条第一項の規定による届出をしたものとみなす。

第七条  この法律の施行の際現に旧公衆法第七条から第十条までの規定に基づき旧公社又は国際電電が行つている公衆電気通信業務の一部の委託については、施行日において定められているその期限までの間は、日本電電又は国際電電が第十五条第一項の認可を受け、又は附則第五条第二項の規定に基づいて行つている委託とみなす。

第八条  附則第四条第一項又は第二項の規定により第九条第一項の許可を受けたものとみなされた第一種電気通信事業に係る電気通信役務の提供に関しこの法律の規定により認可を必要とする事項については、日本電電及び国際電電は、施行日から二月以内に、その認可の申請をしなければならない。

 日本電電及び国際電電は、施行日から前項の申請に基づく認可に関する処分があるまでの間は、従前の条件でその電気通信役務を提供することができる。

第九条  旧公社と締結した契約に基づく旧公衆法の規定による電話加入権については、当分の間、旧公衆法第三十八条から第三十八条の三までの規定は、施行日以後も、なおその効力を有する。この場合において、旧公衆法第三十八条第一項中「公社」とあるのは「日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律(平成九年法律第九十八号)附則第五条第六項に規定する承継計画において定めるところに従い当該電話加入権に係る権利及び義務を承継した東日本電信電話株式会社又は西日本電信電話株式会社」と、同条第二項中「公社」とあるのは「東日本電信電話株式会社又は西日本電信電話株式会社」と、同条第四項中「質権の目的とすることができない」とあるのは「電話加入権質に関する臨時特例法(昭和三十三年法律第百三十八号)に定める場合を除き、質権の目的とすることができない」と、旧公衆法第三十八条の二及び第三十八条の三第一項中「電話取扱局」とあるのは「東日本電信電話株式会社又は西日本電信電話株式会社において電話に関する現業事務を取り扱う事務所」とする。

 施行日以後に日本電電と締結した契約に基づく権利及び日本電信電話株式会社法の一部を改正する法律(平成九年法律第九十八号)の施行の日以後に東日本電信電話株式会社又は西日本電信電話株式会社と締結する契約に基づく権利であつて、前項の電話加入権に相当するものとして総務省令で定める要件に該当するものについては、旧公衆法第三十八条から第三十八条の三までの規定が同項の規定によりなおその効力を有する間は、同項の電話加入権に関して適用されるこれらの規定の例による。

第十条  この法律の施行の際現に国際電電が旧公衆法第百八条の認可を受けて締結している協定又は契約については、当該協定又は契約に定められている期限までの間は、第四十条の認可を受けて締結しているものとみなす。

第十一条  日本電電又は国際電電についての第四十三条第一項の規定の適用については、同項中「事業の開始前に」とあるのは、「この法律の施行後、遅滞なく」とする。

第十二条  第四十四条第一項の規定は、日本電電又は国際電電については、施行日から六月間は、適用しない。

第十三条  この法律の施行の際現に旧公衆法第五十五条の八、第五十五条の十一第三項(旧公衆法第五十五条の十八において準用する場合を含む。)、第五十五条の十三の二第一項、第五十五条の二十一、第百五条第一項若しくは第百八条の二又は第五十五条の十六若しくは第百六条の規定に基づき、公衆電気通信役務の利用者等が設置し、電気通信回線設備に接続している端末設備又は私設有線設備については、第五十一条第一項前段(第五十二条第二項において準用する場合を含む。)の検査を受け技術基準に適合していると認められた端末設備又は自営電気通信設備とみなす。

第十四条  この法律の施行の際現に旧公衆法第五十五条の十七若しくは第百五条第七項の規定又は第百八条の二に規定する契約約款の条項に基づく工事担任者である者は、施行日から六月間に限り、従前の資格の範囲内において第五十三条第一項に規定する工事担任者とみなす。次項の規定による届出をした場合において、工事担任者資格者証の交付があるまでの間も、同様とする。

 前項に規定する者は、郵政省令で定めるところにより、同項に規定する期間に郵政大臣に届出をしたときは、第五十四条第二項において準用する第四十五条第三項第三号の認定を受けたものとみなす。

第十五条  この法律の施行前に旧公社又は国際電電が旧公衆法第百条第一項の規定により行つた届出は、日本電電又は国際電電が第八十五条第一項の規定により行つた届出とみなす。

第十六条  この法律の施行の際現に旧公衆法第百一条第一項の規定により指定されている区域については、第八十六条第一項の規定による保護区域の指定があつたものとみなす。

第十七条  この法律の施行前に、旧公衆法又はこれに基づく命令により旧公社若しくは国際電電に対して行い、又はこれらの者が行つた処分、手続その他の行為は、この法律の相当する規定により、日本電電若しくは国際電電に対して行い、又はこれらの者が行つた処分、手続その他の行為とみなす。

第十八条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 この法律の施行前の旧公社又は国際電電の取扱中に係る通信の秘密に関しては、旧公衆法第百十二条の規定は、施行日以後も、なおその効力を有する。この場合において、同条第二項中「公衆電気通信業務に従事する者」とあるのは、「電気通信事業法の施行の際公衆電気通信業務に従事していた者で同法の施行後引き続き電気通信事業に従事するもの」とする。

第十九条  第十一条第一号及び第三号、第二十六条第一項第一号及び第三号並びに第五十七条第二項第二号及び第四号イ(第六十九条第二項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、この法律の施行前に旧公衆法の規定により罰金以上の刑に処せられ、若しくはこの法律の施行後に前条の規定によりなおその例によることとされ、若しくはなおその効力を有することとされる旧公衆法の規定により罰金以上の刑に処せられた者(その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者に限る。)又はこれらの者をその役員に含む法人若しくは団体は、これらの規定に該当する者とみなす。

(政令への委任)

第二十条  附則第四条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。


   附 則 (昭和六二年六月二日法律第五七号)

 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第二十七条第三項の改正規定は、公布の日から施行する。


   附 則 (平成元年六月二八日法律第五五号) 抄

(施行期日等)

 この法律は、平成元年十月一日から施行する。


   附 則 (平成四年五月二七日法律第六一号)

 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


   附 則 (平成五年一一月一二日法律第八九号) 抄

(施行期日)

第一条  この法律は、行政手続法(平成五年法律第八十八号)の施行の日から施行する。

(諮問等がされた不利益処分に関する経過措置)

第二条  この法律の施行前に法令に基づき審議会その他の合議制の機関に対し行政手続法第十三条に規定する聴聞又は弁明の機会の付与の手続その他の意見陳述のための手続に相当する手続を執るべきことの諮問その他の求めがされた場合においては、当該諮問その他の求めに係る不利益処分の手続に関しては、この法律による改正後の関係法律の規定にかかわらず、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)

第十三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(聴聞に関する規定の整理に伴う経過措置)

第十四条  この法律の施行前に法律の規定により行われた聴聞、聴問若しくは聴聞会(不利益処分に係るものを除く。)又はこれらのための手続は、この法律による改正後の関係法律の相当規定により行われたものとみなす。

(政令への委任)

第十五条  附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。


   附 則 (平成六年六月二九日法律第七三号)

 この法律は、公布の日から施行する。


   附 則 (平成七年五月八日法律第八二号)

(施行期日)

 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(経過措置)

 この法律の施行の際現に改正前の電気通信事業法(以下「旧法」という。)第三十一条第一項の規定により認可を受けている契約約款に定める料金であって改正後の電気通信事業法(以下「新法」という。)第三十一条第一項の規定が適用される料金に該当するものは、同項の規定により認可を受けた料金とみなす。

 この法律の施行の際現に旧法第三十一条第一項の規定により認可を受けている契約約款に定める料金であって新法第三十一条第三項の規定が適用される料金に該当するものは、同項の規定により届け出た料金とみなす。

 この法律の施行の際現に旧法第三十一条第一項の規定により認可を受けている契約約款(料金に係る部分を除く。)は、新法第三十一条の二第一項の規定により認可を受けた契約約款とみなす。

 この法律の施行前に旧法第三十一条第五項の規定により届け出た契約約款に定める料金は、新法第三十一条第六項の規定により届け出た料金とみなす。

 この法律の施行前に旧法第三十一条第五項の規定により届け出た契約約款(料金に係る部分を除く。)は、新法第三十一条の二第五項の規定により届け出た契約約款とみなす。

 この法律の施行の際現にされている旧法第三十一条第一項の規定による契約約款の認可の申請は、新法第三十一条第一項の規定が適用される料金に係るものにあっては同項の規定によりした認可の申請と、同条第三項の規定が適用される料金に係るものにあっては同項の規定によりした届出と、新法第三十一条の二第一項の契約約款に係るものにあっては同項の規定によりした認可の申請とみなす。

 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


   附 則 (平成九年六月二〇日法律第九七号)

(施行期日)

第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。

(審議会への諮問)

第二条  郵政大臣は、この法律の施行前においても、改正後の電気通信事業法(以下「新法」という。)第三十八条第三号、第三十八条の二第一項、第三項第一号イ、ロ若しくはニ若しくは第二号、第四項、第七項若しくは第九項、第三十九条の二第一項若しくは第二項又は第四十八条の二第一項の郵政省令の制定のために、新法第九十四条第一項の政令で定める審議会に諮問することができる。

(接続等に関する経過措置)

第三条  この法律の施行前に改正前の電気通信事業法(以下「旧法」という。)第三十六条第三項の規定によりした命令は、新法第三十六条第五項の規定によりした命令とみなす。

第四条  この法律の施行の際現に旧法第三十八条第一項の規定により認可を受けている接続又は共用に関する協定は、接続に関する協定にあっては新法第三十八条の三第一項の規定により認可を受けた協定と、共用に関する協定にあっては新法第三十九条の三第一項の規定により認可を受けた協定とみなす。

第五条  この法律の施行の際現にされている旧法第三十八条第一項の規定による接続又は共用に関する協定の認可の申請は、接続に関する協定にあっては新法第三十八条の三第一項の規定によりした認可の申請と、共用に関する協定にあっては新法第三十九条の三第一項の規定によりした認可の申請とみなす。

第六条  この法律の施行の際現に旧法第三十八条第二項の規定により認可を受けている契約は、新法第三十九条の三第二項の規定により認可を受けた契約とみなす。

第七条  この法律の施行の際現にされている旧法第三十八条第二項の規定による契約の認可の申請は、新法第三十九条の三第二項の規定によりした認可の申請とみなす。

第八条  この法律の施行の際現に旧法第三十八条第四項の規定により届け出ている接続又は共用に関する協定は、接続に関する協定にあっては新法第三十八条の三第五項の規定により届け出た協定と、共用に関する協定にあっては新法第三十九条の三第四項の規定により届け出た協定とみなす。

第九条  この法律の施行前に旧法第三十九条第一項の規定によりした命令は、接続に関する命令にあっては新法第三十九条第一項又は第二項の規定によりした命令と、共用又はその提供条件(旧法第三十一条第一項の郵政省令で定める料金、旧法第三十一条の二第一項の郵政省令で定める事項及び旧法第四十九条第一項又は旧法第五十二条第一項第一号の規定により認可を受けるべき技術的条件に係るものを除く。)が旧法第三十一条第一項の規定により認可を受けた料金、同条第三項の規定により届け出た料金及び旧法第三十一条の二第一項の規定により認可を受けた契約約款で定める提供条件と異なる電気通信役務(以下「約款外役務」という。)の提供に関する命令にあっては新法第三十九条の四第一項の規定によりした命令とみなす。

第十条  この法律の施行前に旧法第三十九条第一項の規定によりした命令の申立てについては、接続に関するものにあっては新法第三十九条第一項又は第二項の規定によりした命令の申立てと、共用又は約款外役務の提供に関するものにあっては新法第三十九条の四第一項の規定によりした命令の申立てとみなす。

第十一条  この法律の施行前に旧法第三十九条第二項の規定によりした裁定は、接続に関する裁定にあっては新法第三十九条第四項の規定によりした裁定と、共用又は約款外役務の提供に関する裁定にあっては新法第三十九条の四第二項の規定によりした裁定とみなす。

第十二条  この法律の施行前に旧法第三十九条第二項の規定によりした裁定の申請については、接続に関するものにあっては新法第三十九条第四項の規定によりした裁定の申請と、共用又は約款外役務の提供に関するものにあっては新法第三十九条の四第二項の規定によりした裁定の申請とみなす。

第十三条  この法律の施行前に旧法第九十五条の規定により行われた聴聞及びその手続は、新法第九十五条の規定により行われたものとみなす。

(罰則に関する経過措置)

第十四条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(検討)

第十五条  政府は、この法律の施行後三年を目途として、接続に係る新法の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、接続に係る制度について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。


   附 則 (平成九年六月二〇日法律第九八号) 抄

(施行期日)

第一条  この法律は、公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


   附 則 (平成九年六月二〇日法律第一〇〇号)

(施行期日)

 この法律は、サービスの貿易に関する一般協定の第四議定書が日本国について効力を生ずる日から施行する。

(罰則に関する経過措置)

 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。


   附 則 (平成一〇年五月八日法律第五八号) 抄

(施行期日)

第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。

 第一条の規定、第二条中電気通信事業法附則第五条の改正規定並びに附則第四条、第七条、第九条及び第十一条から第十六条までの規定 公布の日から起算して五月を超えない範囲内において政令で定める日

 第二条中電気通信事業法目次の改正規定、同法第五十条の改正規定、同条の次に三条を加える改正規定、同法第二章第五節の節名の改正規定、同法第七十二条の改正規定、同条の次に一条及び一款を加える改正規定、同法第九十二条及び第九十八条の改正規定、同法第百八条の改正規定(第四号に係る部分に限る。)、同法第百九条の改正規定(第三号に係る部分に限る。)並びに同法第百十条の改正規定並びに第三条中電波法目次の改正規定、同法第十条及び第十八条の改正規定、同法第二十四条の八の次に一条を加える改正規定、同法第三十八条の二の改正規定、同法第三十八条の十五の次に三条を加える改正規定、同法第七十三条の改正規定、同法第九十九条の十一の改正規定(「第三十八条の五第二項(」の下に「第三十八条の十七第五項及び」を加える部分に限る。)、同法第百三条の改正規定、同法第百十二条の改正規定(「第三十八条の二第六項又は第七項」を「第三十八条の二第七項又は第八項」に改める部分に限る。)、同法第百十三条の改正規定並びに附則第八条の規定 公布の日から起算して十月を超えない範囲内において政令で定める日

(定款の変更)

第二条  旧国際電電法により設立された国際電信電話株式会社(附則第四条において「会社」という。)は、前条第二号に掲げる規定の施行の日前に、同号に掲げる規定の施行の日から効力を生ずる定款の変更の決議を行うことができる。

 前項の決議については、旧国際電電法第十一条第一項の規定は、適用しない。

(審議会への諮問)

第三条  郵政大臣は、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前においても、第二条の規定による改正後の電気通信事業法(以下「新電気通信事業法」という。)第三十一条第三項の規定による郵政省令の制定又は同項の規定による基準料金指数の設定のために、新電気通信事業法第九十四条の政令で定める審議会に諮問することができる。

 郵政大臣は、施行日又は附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日前においても、それぞれ第三条の規定による改正後の電波法(以下「新電波法」という。)第四条第三号の規定による機能を定める郵政省令又は新電波法第三十八条の十七第五項において準用する新電波法第三十八条の五第二項の規定による郵政省令の制定のために、電波監理審議会に諮問することができる。

(旧国際電電法の廃止に伴う経過措置)

第四条  附則第一条第二号に掲げる規定の施行前に会社が発行した債券及び利札並びにこれらを失った者に交付するために同号に掲げる規定の施行後に会社が発行する債券及び利札については、旧国際電電法第七条の規定は、同号に掲げる規定の施行後も、なおその効力を有する。

(電気通信事業法の一部改正に伴う経過措置)

第五条  この法律の施行の際現に第二条の規定による改正前の電気通信事業法(以下「旧電気通信事業法」という。)第二十二条第一項の規定による届出をして第二種電気通信事業を営んでいる者であって当該第二種電気通信事業が新電気通信事業法第二十一条第三項に規定する特別第二種電気通信事業(本邦外の場所との間の通信を行うための電気通信設備を他人の通信の用に供する第二種電気通信事業を除く。次項において「新国内特別第二種電気通信事業」という。)に該当するものは、施行日から起算して六月を経過する日までの間は、新電気通信事業法第二十四条第一項の登録を受けないで、当該第二種電気通信事業を従前の例により引き続き営むことができる。その者がその期間内に同項の登録の申請をした場合において、その期間を経過したときは、その申請について登録又は登録の拒否の処分があるまでの間も、同様とする。

 この法律の施行の際現に旧電気通信事業法第二十四条第一項の登録を受けて第二種電気通信事業を営んでいる者(本邦外の場所との間の通信を行うための電気通信設備を他人の通信の用に供する第二種電気通信事業を営む者を除く。)であって、当該第二種電気通信事業が新国内特別第二種電気通信事業に該当しないものは、施行日に新電気通信事業法第二十二条第一項の届出をしたものとみなす。

第六条  施行日前に旧電気通信事業法第三十一条第一項の規定により認可を受けている料金及び旧電気通信事業法第三十一条第三項の規定により届け出ている料金は、新電気通信事業法第三十一条第一項の規定により届け出た料金とみなす。

 この法律の施行の際現にされている旧電気通信事業法第三十一条第一項の規定による料金の認可の申請は、新電気通信事業法第三十一条第一項の規定によりした届出とみなす。

 この法律の施行の際現に新電気通信事業法第三十八条の二第二項に規定する指定電気通信設備を設置する第一種電気通信事業者が当該指定電気通信設備を用いて提供する電気通信役務であって新電気通信事業法第三十一条第三項の総務省令で定めるものに関する料金については、同項に規定する基準料金指数が適用されるまでの間は、前二項及び新電気通信事業法(新電気通信事業法第三十一条第三項を除く。)の規定は適用せず、なお従前の例による。

 前項の規定によりなお従前の例によることとされる料金については、第一項及び第二項の規定を準用する。この場合において、第一項中「施行日前」とあるのは「第三項に規定する基準料金指数の適用の日前」と、「旧電気通信事業法」とあるのは「第三項の規定によりその例によることとされる旧電気通信事業法」と、第二項中「この法律の施行」とあるのは「次項に規定する基準料金指数の適用」と、「旧電気通信事業法」とあるのは「次項の規定によりその例によることとされる旧電気通信事業法」と読み替えるものとする。

 新電気通信事業法附則第五条第一項の電報の取扱いの役務に関する料金については、同項の規定により日本電電及び国際電信電話株式会社のみが同項の電報の事業を行うことができる間は、新電気通信事業法の規定は適用せず、旧電気通信事業法の規定はなお効力を有する。この場合において、旧電気通信事業法中「郵政省令」とあるのは「総務省令」と、「郵政大臣」とあるのは「総務大臣」とする。

(罰則の適用に関する経過措置)

第七条  この法律の各改正規定の施行前にした行為並びに附則第五条第一項及び前条第三項の規定により従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(検討)

第八条  政府は、附則第一条第三号に掲げる規定の施行後十年を目途として、新電気通信事業法第五十条の二、第五十条の三、第七十二条の三及び第七十二条の四の規定並びに新電波法第二十四条の九、第三十八条の十七及び第三十八条の十八の規定の施行状況について検討を加え、それぞれ電気通信の規律及び電波監理の観点から必要があると認めるときには、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。


   附 則 (平成一一年五月二八日法律第五四号) 抄

(施行期日)

第一条  この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


   附 則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄

(施行期日)

第一条  この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日

(国等の事務)

第百五十九条  この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(処分、申請等に関する経過措置)

第百六十条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。

 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。

(不服申立てに関する経過措置)

第百六十一条  施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。

 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(手数料に関する経過措置)

第百六十二条  施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)

第百六十三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)

第百六十四条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

 附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。

(検討)

第二百五十条  新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条  政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

第二百五十二条  政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。


   附 則 (平成一一年八月一八日法律第一三七号) 抄

(施行期日)

 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


   附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄

(施行期日)

第一条  この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。


   附 則 (平成一二年五月一九日法律第七九号)

(施行期日)

 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。

(審議会への諮問)

 郵政大臣は、この法律の施行前においても、改正後の電気通信事業法第三十八条の二第四項又は第十二項の郵政省令の制定のために、同法第九十四条の政令で定める審議会に諮問することができる。


   附 則 (平成一二年五月三一日法律第九一号)

(施行期日)

 この法律は、商法等の一部を改正する法律(平成十二年法律第九十号)の施行の日から施行する。

(経過措置)

 この法律の施行の日が独立行政法人農林水産消費技術センター法(平成十一年法律第百八十三号)附則第八条の規定の施行の日前である場合には、第三十一条のうち農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律第十九条の五の二、第十九条の六第一項第四号及び第二十七条の改正規定中「第二十七条」とあるのは、「第二十六条」とする。


   附 則 (平成一三年六月二二日法律第六二号)

(施行期日)

第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。

 第一条中電気通信事業法第三章の次に一章を加える改正規定(同法第八十八条の五第一項中両議院の同意を得ることに関する部分に限る。)及び次条の規定 公布の日

 第二条の規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日

(審議会等への諮問)

第二条  総務大臣は、この法律の施行の日前においても、第一条の規定による改正後の電気通信事業法(以下「新電気通信事業法」という。)第三十七条の二第一項若しくは第五項、第三十七条の三第三項ただし書若しくは第五項、第三十八条の三第一項若しくは第五項、第三十八条の四第三項若しくは第三十九条の五第四項の規定による総務省令の制定又は第二条の規定による改正後の電気通信事業法第七十二条の十第一項の規定による政令の制定の立案若しくは同法第七十二条の五、第七十二条の八第一項第一号若しくは第三号、第七十二条の九第一項から第三項まで若しくは第七十二条の十第一項若しくは第二項の規定による総務省令の制定のために、新電気通信事業法第九十四条に規定する審議会等に諮問することができる。

(電気通信事業法の一部改正に伴う経過措置)

第三条  この法律の施行の際現に第一条の規定による改正前の電気通信事業法(以下「旧電気通信事業法」という。)第三十一条の四第一項の認可を受けている契約約款は、新電気通信事業法第三十一条の四第一項の規定が適用される契約約款にあっては同項の規定により届け出た契約約款と、同条第三項の規定が適用される契約約款にあっては同項の認可を受けた契約約款とみなす。

 この法律の施行の際現にされている旧電気通信事業法第三十一条の四第一項の規定による契約約款の認可の申請は、新電気通信事業法第三十一条の四第一項の規定が適用される契約約款にあっては同項の規定によりした届出と、同条第三項の規定が適用される契約約款にあっては同項の規定によりした認可の申請とみなす。

 この法律の施行の際現に旧電気通信事業法第三十八条の三第一項の認可を受けている協定は、新電気通信事業法第三十八条の四第一項の規定により届け出た協定とみなす。

 この法律の施行の際現にされている旧電気通信事業法第三十八条の三第一項の規定による認可の申請は、新電気通信事業法第三十八条の四第一項の規定によりした届出とみなす。

 この法律の施行の際現に旧電気通信事業法第三十八条の三第二項の認可を受け、又は同項ただし書の規定により届け出ている接続約款は、新電気通信事業法第三十八条の四第二項の規定により届け出た接続約款とみなす。

 この法律の施行の際現にされている旧電気通信事業法第三十八条の三第二項の規定による認可の申請は、新電気通信事業法第三十八条の四第二項の規定によりした届出とみなす。

 この法律の施行の際現に旧電気通信事業法第三十八条の三第二項の規定により認可を受け、若しくは同項ただし書の規定により届け出た接続約款により締結している協定又は同条第五項の規定により届け出ている協定は、新電気通信事業法第三十八条の四第一項の規定により届け出た協定とみなす。

 この法律の施行の際現に旧電気通信事業法第三十九条の三第一項の認可を受けている協定は、新電気通信事業法第三十九条の三第一項の規定が適用される協定にあっては同項の認可を受けた協定と、同条第五項の規定が適用される協定にあっては同項の規定により届け出た協定とみなす。

 この法律の施行の際現にされている旧電気通信事業法第三十九条の三第一項の規定による協定の認可の申請は、新電気通信事業法第三十九条の三第一項の規定が適用される協定にあっては同項の規定によりした認可の申請と、同条第五項の規定が適用される協定にあっては同項の規定によりした届出とみなす。

10  この法律の施行の際現に旧電気通信事業法第三十九条の三第二項の認可を受けている契約は、新電気通信事業法第三十九条の五第一項の規定により届け出た契約とみなす。

11  この法律の施行の際現にされている旧電気通信事業法第三十九条の三第二項の規定による認可の申請は、新電気通信事業法第三十九条の五第一項の規定による届出とみなす。

12  この法律の施行の際現に旧電気通信事業法第三十九条の三第四項の規定により届け出ている協定は、新電気通信事業法第三十九条の三第五項の規定により届け出た協定とみなす。

13  この法律の施行の際現にされている旧電気通信事業法第三十九条の四第一項の申立ては、共用に関するものにあっては新電気通信事業法第三十九条の四第一項の申立てと、約款外役務(旧電気通信事業法第三十九条の三第二項に規定する約款外役務をいう。次項において同じ。)に関するものにあっては新電気通信事業法第三十九条の六において準用する新電気通信事業法第三十九条の四第一項の申立てとみなす。

14  この法律の施行の際現にされている旧電気通信事業法第三十九条の四第二項の裁定の申請は、共用に関するものにあっては新電気通信事業法第三十九条の四第二項において準用する新電気通信事業法第三十九条第四項の裁定の申請と、約款外役務に関するものにあっては新電気通信事業法第三十九条の六において準用する新電気通信事業法第三十九条第四項の裁定の申請とみなす。

15  この法律の施行の際現に旧電気通信事業法第六十八条第一項の指定を受けている者は、この法律の施行の日に新電気通信事業法第六十八条第一項の指定を受けたものとみなす。

16  前各項に規定するものを除くほか、この法律の施行前に旧電気通信事業法の規定によってした処分、手続その他の行為は、新電気通信事業法中にこれに相当する規定があるときは、新電気通信事業法の規定によってしたものとみなす。

(罰則に関する経過措置)

第四条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)

第五条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

(検討)

第六条  政府は、この法律による改正後の規定の実施状況、インターネットその他の高度情報通信ネットワークに係る技術及びその利用の動向その他内外の社会経済情勢の変化等を勘案し、並びに国際的な電気通信事業の円滑な遂行及び我が国の電気通信技術の国際競争力の向上に配意し、通信と放送に係る事業の区分を含む電気通信に係る制度の在り方について総合的に検討を加え、その結果に基づいて法制の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。

 


条文は、http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S59/S59HO086.html を利用させていただいた。

 

 

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