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端末設備等規則
(昭和六十年四月一日郵政省令第三十一号)

最終改正:平成一二年九月二七日郵政省令第六〇号



 電気通信事業法 (昭和五十九年法律第八十六号)第四十九条第一項 及び第五十二条第一項 の規定に基づき、端末設備等規則を次のように定める。


 第一章 総則(第一条・第二条)
 第二章 責任の分界(第三条)
 第三章 安全性等(第四条―第九条)
 第四章 電話用設備に接続される端末設備
  第一節 アナログ電話端末(第十条―第十六条)
  第二節 移動電話端末(第十七条―第三十二条)
 第五章 無線呼出用設備に接続される端末設備(第三十三条・第三十四条)
 第六章 総合デジタル通信用設備に接続される端末設備(第三十四条の二・第三十四条の六)
 第七章 専用通信回線設備又はデジタルデータ伝送用設備に接続される端末設備(第三十四条の七・第三十四条の八)
 第八章 特殊な端末設備(第三十五条)
 第九章 自営電気通信設備(第三十六条)
 附則

   第一章 総則

(目的)

第一条  この規則は、電気通信事業法 (昭和五十九年法律第八十六号。以下「法」という。)第四十九条第一項 及び第五十二条第一項 の規定に基づく技術基準を定めることを目的とする。

(定義)

第二条  この規則において使用する用語は、法において使用する用語の例による。

 この規則の規定の解釈については、次の定義に従うものとする。

 「電話用設備」とは、電気通信事業の用に供する電気通信回線設備であつて、主として音声の伝送交換を目的とする電気通信役務の用に供するものをいう。

 「アナログ電話用設備」とは、電話用設備であつて、端末設備又は自営電気通信設備を接続する点においてアナログ信号を入出力とするものをいう。

 「アナログ電話端末」とは、端末設備であつて、アナログ電話用設備に接続される点において二線式の接続形式で接続されるものをいう。

 「移動電話用設備」とは、電話用設備であつて、端末設備又は自営電気通信設備との接続において電波を使用するものをいう。

 「移動電話端末」とは、端末設備であつて、移動電話用設備に接続されるものをいう。

 「無線呼出用設備」とは、電気通信事業の用に供する電気通信回線設備であつて、無線によつて利用者に対する呼出し(これに付随する通報を含む。)を行うことを目的とする電気通信役務の用に供するものをいう。

 「無線呼出端末」とは、端末設備であつて、無線呼出用設備に接続されるものをいう。

 「総合デジタル通信用設備」とは、電気通信事業の用に供する電気通信回線設備であつて、主として六四キロビット毎秒を単位とするデジタル信号の伝送速度により、符号、音声その他の音響又は影像を統合して伝送交換することを目的とする電気通信役務の用に供するものをいう。

 「総合デジタル通信端末」とは、端末設備であつて、総合デジタル通信用設備に接続されるものをいう。

 「専用通信回線設備」とは、電気通信事業の用に供する電気通信回線設備であつて、特定の利用者に当該設備を専用させる電気通信役務の用に供するものをいう。

十一  「デジタルデータ伝送用設備」とは、電気通信事業の用に供する電気通信回線設備であつて、デジタル方式により、専ら符号又は影像の伝送交換を目的とする電気通信役務の用に供するものをいう。

十二  「専用通信回線設備等端末」とは、端末設備であつて、専用通信回線設備又はデジタルデータ伝送用設備に接続されるものをいう。

十三  「発信」とは、通信を行う相手を呼び出すための動作をいう。

十四  「応答」とは、電気通信回線からの呼出しに応ずるための動作をいう。

十五  「選択信号」とは、主として相手の端末設備を指定するために使用する信号をいう。

十六  「直流回路」とは、端末設備又は自営電気通信設備を接続する点において二線式の接続形式を有するアナログ電話用設備に接続して第一種電気通信事業者の交換設備の動作の開始及び終了の制御を行うための回路をいう。

十七  「絶対レベル」とは、一の皮相電力の一ミリワットに対する比をデシベルで表したものをいう。

十八  「通話チヤネル」とは、移動電話用設備と移動電話端末の間に設定され、主として音声の伝送に使用する通信路をいう。

十九  「制御チヤネル」とは、移動電話用設備と移動電話端末の間に設定され、主として制御信号の伝送に使用する通信路をいう。

二十  「呼設定用メッセージ」とは、呼設定メッセージ又は応答メッセージをいう。

二十一  「呼切断用メッセージ」とは、切断メッセージ、解放メッセージ又は解放完了メッセージをいう。

   第二章 責任の分界

(責任の分界)

第三条  利用者の接続する端末設備(以下「端末設備」という。)は、事業用電気通信設備との責任の分界を明確にするため、事業用電気通信設備との間に分界点を有しなければならない。

 分界点における接続の方式は、総務大臣が別に告示するもの又は端末設備を電気通信回線ごとに事業用電気通信設備から容易に切り離せるものでなければならない。

   第三章 安全性等

(漏えいする通信の識別禁止)

第四条  端末設備は、事業用電気通信設備から漏えいする通信の内容を意図的に識別する機能を有してはならない。

(鳴音の発生防止)

第五条  端末設備は、事業用電気通信設備との間で鳴音(電気的又は音響的結合により生ずる発振状態をいう。)を発生することを防止するために総務大臣が別に告示する条件を満たすものでなければならない。

(絶縁抵抗等)

第六条  端末設備の機器は、その電源回路と筺体及びその電源回路と事業用電気通信設備との間に次の絶縁抵抗及び絶縁耐力を有しなければならない。

 絶縁抵抗は、使用電圧が三〇〇ボルト以下の場合にあつては、〇・二メガオーム以上であり、三〇〇ボルトを超え七五〇ボルト以下の直流及び三〇〇ボルトを超え六〇〇ボルト以下の交流の場合にあつては、〇・四メガオーム以上であること。

 絶縁耐力は、使用電圧が七五〇ボルトを超える直流及び六〇〇ボルトを超える交流の場合にあつては、その使用電圧の一・五倍の電圧を連続して一〇分間加えたときこれに耐えること。

 端末設備の機器の金属製の台及び筺体は、接地抵抗が一〇〇オーム以下となるように接地しなければならない。ただし、安全な場所に危険のないように設置する場合にあつては、この限りでない。

(過大音響衝撃の発生防止)

第七条  通話機能を有する端末設備は、通話中に受話器から過大な音響衝撃が発生することを防止する機能を備えなければならない。

(配線設備等)

第八条  利用者が端末設備を事業用電気通信設備に接続する際に使用する線路及び保安器その他の機器(以下「配線設備等」という。)は、次の各号により設置されなければならない。

 配線設備等の評価雑音電力(通信回線が受ける妨害であつて人間の聴覚率を考慮して定められる実効的雑音電力をいい、誘導によるものを含む。)は、絶対レベルで表した値で定常時においてマイナス六四デシベル以下であり、かつ、最大時においてマイナス五八デシベル以下であること。

 配線設備等の電線相互間及び電線と大地間の絶縁抵抗は、直流二五〇ボルトの電圧で測定した値で一メガオーム以上であること。

 配線設備等と強電流電線との関係については有線電気通信設備令 (昭和二十八年政令第百三十一号)第十一条 から第十五条 まで及び第十八条 に適合するものであること。

 事業用電気通信設備を損傷し、又はその機能に障害を与えないようにするため、総務大臣が別に告示するところにより配線設備等の設置の方法を定める場合にあつては、その方法によるものであること。

(端末設備内において電波を使用する端末設備)

第九条  端末設備を構成する一の部分と他の部分相互間において電波を使用する端末設備は、次の各号の条件に適合するものでなければならない。

 総務大臣が別に告示する条件に適合する識別符号(端末設備に使用される無線設備を識別するための符号であつて、通信路の設定に当たつてその照合が行われるものをいう。)を有すること。

 使用する電波の周波数が空き状態であるかどうかについて、総務大臣が別に告示するところにより判定を行い、空き状態である場合にのみ通信路を設定するものであること。ただし、総務大臣が別に告示するものについては、この限りでない。

 使用される無線設備は、一の筺体に収められており、かつ、容易に開けることができないこと。ただし、総務大臣が別に告示するものについては、この限りでない。

   第四章 電話用設備に接続される端末設備

    第一節 アナログ電話端末

(基本的機能)

第十条  アナログ電話端末の直流回路は、発信又は応答を行うとき閉じ、通信が終了したとき開くものでなければならない。

(発信の機能)

第十一条  アナログ電話端末は、発信に関する次の機能を備えなければならない。

 自動的に選択信号を送出する場合にあつては、直流回路を閉じてから三秒以上経過後に選択信号の送出を開始するものであること。ただし、電気通信回線からの発信音又はこれに相当する可聴音を確認した後に選択信号を送出する場合にあつては、この限りでない。

 発信に際して相手の端末設備からの応答を自動的に確認する場合にあつては、電気通信回線からの応答が確認できない場合選択信号送出終了後二分以内に直流回路を開くものであること。

 自動再発信(応答のない相手に対し引き続いて繰り返し自動的に行う発信をいう。以下同じ。)を行う場合(自動再発信の回数が一五回以内の場合を除く。)にあつては、その回数は最初の発信から三分間に二回以内であること。この場合において、最初の発信から三分を超えて行われる発信は、別の発信とみなす。

 前号の規定は、火災、盗難その他の非常の場合にあつては、適用しない。

(選択信号の条件)

第十二条  アナログ電話端末の選択信号は、次の条件に適合するものでなければならない。

 ダイヤルパルスにあつては、別表第一号の条件

 押しボタンダイヤル信号にあつては、別表第二号の条件

(直流回路の電気的条件等)

第十三条  直流回路を閉じているときのアナログ電話端末の直流回路の電気的条件は、次のとおりでなければならない。

 直流回路の直流抵抗値は、二〇ミリアンペア以上一二〇ミリアンペア以下の電流で測定した値で五〇オーム以上三〇〇オーム以下であること。ただし、直流回路の直流抵抗値と第一種電気通信事業者の交換設備からアナログ電話端末までの線路の直流抵抗値の和が五〇オーム以上一、七〇〇オーム以下の場合にあつては、この限りでない。

 ダイヤルパルスによる選択信号送出時における直流回路の静電容量は、三マイクロフアラド以下であること。

 直流回路を開いているときのアナログ電話端末の直流回路の電気的条件は、次のとおりでなければならない。

 直流回路の直流抵抗値は、一メガオーム以上であること。

 直流回路と大地の間の絶縁抵抗は、直流二〇〇ボルト以上の一の電圧で測定した値で一メガオーム以上であること。

 呼出信号受信時における直流回路の静電容量は、三マイクロフアラド以下であり、インピーダンスは、七五ボルト、一六ヘルツの交流に対して二キロオーム以上であること。

 アナログ電話端末は、電気通信回線に対して直流の電圧を加えるものであつてはならない。

(送出電力)

第十四条  アナログ電話端末の送出電力の許容範囲は、通話の用に供する場合を除き、別表第三号のとおりとする。

(漏話減衰量)

第十五条  複数の電気通信回線と接続されるアナログ電話端末の回線相互間の漏話減衰量は、一、五〇〇ヘルツにおいて七〇デシベル以上でなければならない。

(特殊なアナログ電話端末)

第十六条  アナログ電話端末のうち、第十条から前条までの規定によることが著しく不合理なものであつて総務大臣が別に告示するものは、これらの規定にかかわらず、総務大臣が別に告示する条件に適合するものでなければならない。

    第二節 移動電話端末

(基本的機能)

第十七条  移動電話端末は、次の機能を備えなければならない。

 発信を行う場合にあつては、発信を要求する信号を送出するものであること。

 応答を行う場合にあつては、応答を確認する信号を送出するものであること。

 通信を終了する場合にあつては、チヤネル(通話チヤネル及び制御チヤネルをいう。以下同じ。)を切断する信号を送出するものであること。

(発信の機能)

第十八条  移動電話端末は、発信に関する次の機能を備えなければならない。

 発信に際して相手の端末設備からの応答を自動的に確認する場合にあつては、電気通信回線からの応答が確認できない場合選択信号送出終了後一分以内にチヤネルを切断する信号を送出し、送信を停止するものであること。

 自動再発信を行う場合にあつては、その回数は二回以内であること。ただし、最初の発信から三分を超えた場合にあつては、別の発信とみなす。

 前号の規定は、火災、盗難その他の非常の場合にあつては、適用しない。

(送信タイミング)

第十九条  移動電話端末は、総務大臣が別に告示する条件に適合する送信タイミングで送信する機能を備えなければならない。

(ランダムアクセス制御)

第二十条  移動電話端末は、総務大臣が別に告示する条件に適合するランダムアクセス制御(複数の移動電話端末からの送信が衝突した場合、再び送信が衝突することを避けるために各移動電話端末がそれぞれ不規則な遅延時間の後に再び送信することをいう。)を行う機能を備えなければならない。

(タイムアラインメント制御)

第二十一条  移動電話端末は、総務大臣が別に告示する条件に適合するタイムアラインメント制御(移動電話端末が、移動電話用設備から指示された値に従い送信タイミングを調整することをいう。)を行う機能を備えなければならない。

(位置登録制御)

第二十二条  移動電話端末は、位置登録制御(移動電話端末が、移動電話用設備に位置情報(移動電話端末の位置を示す情報をいう。以下同じ。)の登録を行うことをいう。)に関する次の機能を備えなければならない。

 移動電話用設備からの位置情報が移動電話端末に記憶されているそれと一致しない場合のみ、位置情報の登録を要求する信号を送出するものであること。ただし、移動電話用設備からの指示があつた場合にあつては、この限りでない。

 移動電話用設備からの位置情報の登録を確認する信号を受信した場合にあつては、移動電話端末に記憶されている位置情報を更新し、かつ、保持するものであること。

(チヤネル切替指示に従う機能)

第二十三条  移動電話端末は、移動電話用設備からのチヤネルを指定する信号を受信した場合にあつては、指定されたチヤネルに切り替える機能を備えなければならない。

(受信レベル通知機能)

第二十四条  移動電話端末は、受信レベルの通知に関する次の機能を備えなければならない。

 移動電話用設備から指定された条件に基づき、移動電話端末の周辺の移動電話用設備の指定された制御チヤネルの受信レベルについて検出を行い、指定された時間間隔ごとに移動電話用設備にその結果を通知するものであること。

 通話チヤネルの受信レベルと移動電話端末の周辺の移動電話用設備の制御チヤネルの最大受信レベルが移動電話用設備から指定された条件を満たす場合にあつては、その結果を移動電話用設備に通知するものであること。

(送信停止指示に従う機能)

第二十五条  移動電話端末は、移動電話用設備からのチヤネルの切断を要求する信号を受信した場合にあつては、その確認をする信号を送出し、送信を停止する機能を備えなければならない。

(受信レベル等の劣化時の自動的な送信停止機能)

第二十六条  移動電話端末は、通信中の受信レベル又は伝送品質が著しく劣化した場合にあつては、自動的に送信を停止する機能を備えなければならない。

(故障時の自動的な送信停止機能)

第二十七条  移動電話端末は、故障により送信が継続的に行われる場合にあつては、自動的にその送信を停止する機能を備えなければならない。

(重要通信の確保のための機能)

第二十八条  移動電話端末は、重要通信を確保するため、移動電話用設備からの発信の規制を要求する信号を受信した場合にあつては、発信しない機能を備えなければならない。

(移動電話端末固有情報の変更を防止する機能)

第二十九条  移動電話端末は、移動電話端末固有情報(移動電話端末を特定するための情報であつて、チヤネルの設定に当たつて使用されるものをいう。以下同じ。)に関する次の機能を備えなければならない。

 移動電話端末固有情報を記憶する装置は、容易に取外しができないこと。

 移動電話端末固有情報は、容易に書換えができないこと。

 移動電話端末固有情報のうち利用者が直接使用するもの以外については、容易に知得ができないこと。

(アナログ電話端末等と通信する場合の送出電力)

第三十条  移動電話端末の送出電力の許容範囲は、アナログ電話端末、又は自営電気通信設備であつて、アナログ電話用設備に接続される点において二線式の接続形式で接続されるもの(以下「アナログ電話端末等」という。)と通信する場合にあつては、通話の用に供する場合を除き、別表第四号のとおりとする。

(漏話減衰量)

第三十一条  複数の電気通信回線と接続される移動電話端末の回線相互間の漏話減衰量は、一、五〇〇ヘルツにおいて七〇デシベル以上でなければならない。

(特殊な移動電話端末)

第三十二条  移動電話端末のうち、第十七条から前条までの規定によることが著しく不合理なものであつて総務大臣が別に告示するものは、これらの規定にかかわらず、総務大臣が別に告示する条件に適合するものでなければならない。

   第五章 無線呼出用設備に接続される端末設備

(無線呼出端末固有情報の変更を防止する機能)

第三十三条  無線呼出端末は、無線呼出端末固有情報(無線呼出端末を特定するための情報であつて、無線呼出用設備からの呼出しに当たつて使用されるものをいう。以下同じ。)に関する次の機能を備えなければならない。

 無線呼出端末固有情報を記憶する装置は、容易に取外しができないこと。

 無線呼出端末固有情報は、容易に書換えができないこと。

 無線呼出端末固有情報のうち利用者が直接使用するもの以外については、容易に知得ができないこと。

(特殊な無線呼出端末)

第三十四条  無線呼出端末のうち、前条の規定によることが著しく不合理なものであつて総務大臣が別に告示するものは、同条の規定にかかわらず、総務大臣が別に告示する条件に適合するものでなければならない。

   第六章 総合デジタル通信用設備に接続される端末設備

(基本的機能)

第三十四条の二  総合デジタル通信端末は、次の機能を備えなければならない。ただし、総務大臣が別に告示する場合はこの限りでない。

 発信又は応答を行う場合にあつては、呼設定用メッセージを送出するものであること。

 通信を終了する場合にあつては、呼切断用メッセージを送出するものであること。

(発信の機能)

第三十四条の三  総合デジタル通信端末は、発信に関する次の機能を備えなければならない。

 発信に際して相手の端末設備からの応答を自動的に確認する場合にあつては、電気通信回線からの応答が確認できない場合呼設定メッセージ送出終了後二分以内に呼切断用メッセージを送出するものであること。

 自動再発信を行う場合(自動再発信の回数が一五回以内の場合を除く。)にあつては、その回数は最初の発信から三分間に二回以内であること。この場合において、最初の発信から三分を超えて行われる発信は、別の発信とみなす。

 前号の規定は、火災、盗難その他の非常の場合にあつては、適用しない。

(電気的条件等)

第三十四条の四  総合デジタル通信端末は、総務大臣が別に告示する電気的条件及び光学的条件のいずれかの条件に適合するものでなければならない。

 総合デジタル通信端末は、電気通信回線に対して直流の電圧を加えるものであつてはならない。

(アナログ電話端末等と通信する場合の送出電力)

第三十四条の五  総合デジタル通信端末がアナログ電話端末等と通信する場合にあつては、通話の用に供する場合を除き、総合デジタル通信用設備とアナログ電話用設備との接続点においてデジタル信号をアナログ信号に変換した送出電力は、別表第五号のとおりとする。

(特殊な総合デジタル通信端末)

第三十四条の六  総合デジタル通信端末のうち、第三十四条の二から前条までの規定によることが著しく不合理なものであつて総務大臣が別に告示するものは、これらの規定にかかわらず、総務大臣が別に告示する条件に適合するものでなければならない。

   第七章 専用通信回線設備又はデジタルデータ伝送用設備に接続される端末設備

(電気的条件等)

第三十四条の七  専用通信回線設備等端末は、総務大臣が別に告示する電気的条件及び光学的条件のいずれかの条件に適合するものでなければならない。

 専用通信回線設備等端末は、電気通信回線に対して直流の電圧を加えるものであつてはならない。ただし、前項に規定する総務大臣が別に告示する条件において直流重畳が認められる場合にあつては、この限りでない。

(漏話減衰量)

第三十四条の八  複数の電気通信回線と接続される専用通信回線設備等端末の回線相互間の漏話減衰量は、一、五〇〇ヘルツにおいて七〇デシベル以上でなければならない。

   第八章 特殊な端末設備

(特殊な端末設備)

第三十五条  電話用設備、無線呼出用設備、総合デジタル通信用設備、専用通信回線設備又はデジタルデータ伝送用設備に接続される端末設備のうち、第一種電気通信事業者が総務大臣の認可を受けて定める端末設備の接続の技術的条件によることが適当であるものについては、第四章から前章までの規定にかかわらず、その技術的条件によることができる。

   第九章 自営電気通信設備

(自営電気通信設備)

第三十六条  第三条から前条(第八条第三号を除く。)までの規定は、自営電気通信設備について準用する。この場合において、第九条中「端末設備を」とあるのは「自営電気通信設備を」と、同条中「端末設備は」とあるのは「自営電気通信設備(総務大臣が別に告示するものに限る。)は」と、第十条から第十六条までの規定及び別表第三号中「アナログ電話端末」とあるのは「自営電気通信設備であつて、アナログ電話用設備に接続される点において二線式の接続形式で接続されるもの」と、第十七条から第三十二条までの規定及び別表第四号中「移動電話端末」とあるのは「自営電気通信設備であつて、移動電話用設備に接続されるもの」と、第三十三条及び第三十四条の規定中「無線呼出端末」とあるのは「自営電気通信設備であつて、無線呼出用設備に接続されるもの」と、第三十四条の二から第三十四条の六までの規定及び別表第五号中「総合デジタル通信端末」とあるのは「自営電気通信設備であつて、総合デジタル通信用設備に接続されるもの」と、第三十四条の七及び第三十四条の八の規定中「専用通信回線設備等端末」とあるのは「自営電気通信設備であつて、専用通信回線設備又はデジタルデータ伝送用設備に接続されるもの」と読み替えるものとする。


   附 則

 この省令は、昭和六十年四月一日から施行する。


   附 則 (昭和六〇年七月二〇日郵政省令第五九号)

 この省令は、公布の日から施行する。


   附 則 (昭和六二年九月二九日郵政省令第五三号)

 この省令は、昭和六十二年十月一日から施行する。


   附 則 (平成五年一一月二九日郵政省令第六四号) 抄

(施行期日)

 この省令は、公布の日から施行する。


   附 則 (平成六年一一月二四日郵政省令第七八号) 抄

(施行期日)

 この省令は、公布の日から施行する。


   附 則 (平成一〇年三月一七日郵政省令第一三号)

(施行期日)

 この省令は、平成十年四月一日から施行する。

(経過措置)

 この省令による改正前の端末設備等規則(以下「旧令」という。)第十二条第二号、第十三条第一項第一号、同項第二号、第十四条又は第十五条の条件に適合するアナログ電話端末であつて、この省令の施行の日前に電気通信事業法(以下「法」という。)第五十条の端末機器技術基準適合認定(以下「技術基準適合認定」という。)、法第五十一条の端末設備の接続の検査(以下「端末設備の接続の検査」という。)又は法第五十二条の自営電気通信設備の接続の検査(以下「自営電気通信設備の接続の検査」という。)を受けたものの押しボタンダイヤル信号の条件、直流回路を閉じているときの直流回路の直流抵抗値、送出電力の許容範囲又は漏話減衰量については、この省令による改正後の端末設備等規則(以下「新令」という。)第十二条第二号、第十三条第一項第一号、第十四条又は第十五条の規定にかかわらず、なお従前の例によることとし、この省令の施行の日以後平成十一年三月三十一日までに技術基準適合認定、端末設備の接続の検査又は自営電気通信設備の接続の検査を受けるものの押しボタンダイヤル信号の条件、直流回路を閉じているときの直流回路の直流抵抗値、送出電力の許容範囲又は漏話減衰量については、新令第十二条第二号、第十三条第一項第一号、第十四条又は第十五条の規定にかかわらず、なお従前の例によることができる。

 旧令第三十一条の条件に適合する移動電話端末であつて、この省令の施行の日前に技術基準適合認定、端末設備の接続の検査又は自営電気通信設備の接続の検査を受けたものの漏話減衰量については、新令第三十一条の規定にかかわらず、なお従前の例によることとし、この省令の施行の日以後平成十一年三月三十一日までに技術基準適合認定、端末設備の接続の検査又は自営電気通信設備の接続の検査を受けるものの漏話減衰量については、新令第三十一条の規定にかかわらず、なお従前の例によることができる。


   附 則 (平成一一年三月五日郵政省令第一三号) 抄

(施行期日)

第一条  この省令は、公布の日から施行する。


   附 則 (平成一二年九月二七日郵政省令第六〇号)

(施行期日)

第一条  この省令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。

(経過措置)

第二条  この省令による改正前の様式又は書式により調製した用紙は、この省令の施行後においても当分の間、使用することができる。この場合、改正前の様式又は書式により調製した用紙を修補して、使用することがある。

 この省令の施行前に交付された郵便貯金通帳、郵便貯金証書、カード、払戻証書、郵便貯金本人票、郵便為替証書、払出書、郵便振替払出証書、郵便振替支払通知書及び簡易生命保険保険料領収帳は、この省令による改正後の様式又は書式により交付されたものとみなす。



別表第一号 ダイヤルパルスの条件(第12条第1号関係)

  第1 ダイヤルパルス数
     ダイヤル番号とダイヤルパルス数は同一であること。ただし、「0」は、10パルスとする。
  第2 ダイヤルパルスの信号
   注1 ダイヤルパルス速度とは、1秒間に断続するパルス数をいう。
    2 ダイヤルパルスメーク率とは、ダイヤルパルスの接(メーク)と断(ブレーク)の時間の割合をいい、次式で定義するものとする。
      ダイヤルパルスメーク率={接時間÷(接時間+断時間)}×100(%)
    3 ミニマムポーズとは、隣接するパルス列間の休止時間の最小値をいう。
別表第二号 押しボタンダイヤル信号の条件(第12条第2号関係)
第1 ダイヤル番号の周波数

ダイヤル番号

周波数

697Hz 及び 1,209Hz

697Hz 及び 1,336Hz

697Hz 及び 1,477Hz

770Hz 及び 1,209Hz

770Hz 及び 1,336Hz

770Hz 及び 1,477Hz

852Hz 及び 1,209Hz

852Hz 及び 1,336Hz

852Hz 及び 1,477Hz

941Hz 及び 1,336Hz

941Hz 及び 1,209Hz

941Hz 及び 1,477Hz

697Hz 及び 1,633Hz

770Hz 及び 1,633Hz

852Hz 及び 1,633Hz

941Hz 及び 1,633Hz


注1 低群周波数とは、697Hz、770Hz、852Hz及び941Hzをいい、高群周波数とは、1,209Hz、1,336Hz、1,477Hz及び1,633Hzをいう。
 2 ミニマムポーズとは、隣接する信号間の休止時間の最小値をいう。
 3 周期とは、信号送出時間とミニマムポーズの和をいう。
図1 信号送出電力許容範囲(低群周波数) (略)
注1 供給電流が20mA未満の場合の信号送出電力は、−15.4dBm以上−3.5dBm以下であること。供給電流が120mAを超える場合の信号送出電力は、−20.3dBm以上−5.8dBm以下であること。
 2 dBmは、絶対レベルを表す単位とする。
図2 信号送出電力許容範囲(高群周波数) (略)
注1 供給電流が20mA未満の場合の信号送出電力は、−14dBm以上−2.5dBm以下であること。供給電流が120mAを超える場合の信号送出電力は、−20.3dBm以上−5.7dBm以下であること。
 2 dBmは、絶対レベルを表す単位とする。第2 その他の条件

項目

条件

信号周波数偏差

信号周波数の±1.5%以内

信号送出電力の許容範囲

低群周波数

図1に示す。

高群周波数

図2に示す。

二周波電力差

5dB以内、かつ、低群周波数の電力が高群周波数の電力を超えないこと。

信号送出時間

50ms以上

ミニマムポーズ

30ms以上

周期

120ms以上


1 低群周波数とは、697Hz、770Hz、852Hz及び941Hzをいい、高群周波数とは、1,209Hz、1,336Hz,1,477Hz及び1,633Hzをいう。
2 ミニマムポーズとは、隣接する信号間の休止時間の最小値をいう。
3 周期とは、信号送出時間とミニマムポーズの和をいう。
〔図 (略)〕



別表第三号 アナログ電話端末の送出電力の許容範囲(第14条関係)

項目

送出電力の許容範囲

4kHzまでの送出電力

−8dBm(平均レベル)以下で、かつ、0dBm(最大レベル)を超えないこと。

不要送出レベル

4kHzから8kHzまで

−20dBm以下

8kHzから12kHzまで

−40dBm以下

12kHz以上の各4kHz帯域

−60dBm以下



   注1 平均レベルとは、端末設備の使用状態における平均的なレベル(実効値)であり、最大レベルとは、端末設備の送出レベルが最も高くなる状態でのレベル(実効値)とする。
2 送出電力及び不要送出レベルは、平衡600オームのインピーダンスを接続して測定した値を絶対レベルで表した値とする。
3 dBmは、絶対レベルを表す単位とする。
別表第四号 移動電話端末の送出電力の許容範囲(第30条関係)

項目

移動電話端末の送出電力の許容範囲

送出電力

−8dBm(平均レベル)以下で、かつ、0dBm(最大レベル)を超えないこと。



  注1 平均レベルとは、端末設備の使用状態における平均的なレベル(実効値)であり、最大レベルとは、端末設備の送出レベルが最も高くなる状態でのレベル(実効値)とする。
   2 送出電力は、端末設備又は自営電気通信設備を接続する点において二線式の接続形式を有するアナログ電話用設備と移動電話用設備との接続点において、アナログ信号を入出力とする二線式接続に変換し、平衡600オームのインピーダンスを接続して測定した値を絶対レベルで表した値とする。
3 dBmは、絶対レベルを表す単位とする。
別表第五号 総合デジタル通信端末のアナログ電話端末等と通信する場合の送出電力(第34条の5関係)

項目

総合デジタル通信端末のアナログ電話端末等と通信する場合の送出電力

送出電力

−3dBm(平均レベル)以下



  注 平均レベルとは、端末設備の使用状態における平均的なレベル(実効値)とする。

 


条文は、http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S60/S60F04001000031.html を利用させていただいた。

 

 

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