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国際電気通信連合憲章

平成7年1月18日号外
条約第2号

前文
第一章  基本規定 〔1条−11条〕
第二章  無線通信部門〔12条−16条〕
第三章  電気通信標準化部門〔17条−20条〕
第四章  電気通信開発部門〔21条−24条〕
第五章  連合の運営に関するその他の規定〔25条−32条〕
第六章  電気通信に関する一般規定〔33条−43条〕
第七章  無線通信に関する特別規定〔44条−48条〕
第八章  国際連合その他の国際機関及び非連合員との関係〔49条−51条〕
第九章  最終規定〔52条−58条〕

附属書



前文
 


国際電気通信連合の基本的文書であるこの憲章及びこれを補足する国際電気通信連合条約(以下「条約」という。)の締約国は、各国に対してその電気通信を規律する主権を十分に承認し、かつ、平和並びにすべての国の経済的及び社会的発展の維持のために電気通信の重要性が増大していることを考慮し、電気通信の良好な運用により諸国民の間の平和的関係及び国際協力並びに経済的及び社会的発展を円滑にする目的をもって、次のとおり協定した。



第一章  基本規定
 

第1条(連合の目的)
 


1 連合の目的は次のとおりとする。


(a)すべての種類の電気通信の改善及び合理的利用のためすべての連合員の間における国際協力を維持し及び増進すること


(b)電気通信分野において開発途上国に対する技術援助を促進し及び提供すること並びにその実施に必要な物的資源及び資金の移動を促進すること


(c)電気通信業務の能率を増進し、その有用性を増大し、及び公衆によるその利用をできる限り普及するため、技術的手段の発達及びその最も能率的な運用を促進すること


(d)新たな電気通信技術の便益を全人類に供与するよう努めること。


(e)平和的関係を円滑にするため、電気通信業務の利用を促進すること


(f)これらの目的に対する連合員の努力を調和させること。


(g)経済社会の情報化が世界的に進展していることにかんがみ、地域的及び世界的な他の政府機関並びに電気通信に関係がある非政府機関と協力して、電気通信の問題に対する一層広範な取組方法の採用を国際的に促進すること。



第六章  電気通信に関する一般規定

第33条  (国際電気通信業務を利用する公衆の権利)

179
連合員は、公衆に対し、国際電気通信業務によって通信する権利を承認する。各種類の通信において、業務、料金及び保証は、すべての利用者に対し、いかなる優先権又は特恵も与えることなく同一とする。


第34条 (電気通信の停止)

180
1 連合員は国の安全を害すると認められる私報又はその法令、公の秩序若しくは善良の風俗に反すると認められる私報の伝送を停止する権利を留保する。この場合には、私報の全部又は一部の停止を直ちに発信局に通知する。ただし、その通知が国の安全を害すると認められる場合はこの限りではない

181
2 連合員は、また、他の私用の電気通信であって国の安全を害すると認められるもの又はその法令、公の秩序若しくは善良の風俗に反すると認められるものを切断する権利を留保する。


第35条  (業務の停止)

182
連合員は、国際電気通信を全般的に、又は一定の関係若しくは通信の一定の種類(発信、着信又は中継)に限って、停止する権利を留保する。この場合には、停止する旨を事務総局長を経由して直ちに他の連合員に通知する。


第36条  (責任)

183
連合員は、国際電気通信業務の利用者に対し、特に損害賠償の請求に関しては、いかなる責任も負わない。


第37条  (電気通信の秘密)

184
1連合員は、国際電気通信の秘密を確保するため、使用される電気通信のシステムに適合するすべての可能な措置をとることを約束する。

185
2 もっとも、連合員は、国内法令の適用又は自国が締約国である国際条約の実施を確保するため、国際通信関し、権限のある当局に通報する権利を留保する


第38条  (電気通信路及び電気通信設備の設置、運用及び保護)

186
1 連合員は、国際電気通信の迅速なかつ不断の交換を確保するために必要な通信路及び設備を最良の技術的条件で設置するため、有用な措置をとる。

187
2 第186号の通信路及び設備は、できる限り、実際の運用上の経験から最良と認められた方法及び手続によって運用し、良好に使用することができる状態に維持し、並びに科学及び技術の進歩に合わせて進歩していくようにしなければならない。

188
3 連合員は、その管轄の範囲内において、第186号の通信路及び設備を保護する

189
4 すべての連合員は、特別の取極による別段の定めがある場合を除くほか、その管理の範囲内にある国際電気通信回線の部分の維持を確保するために有用な措置をとる。


第39条  (違反の通報)

190
連合員は、第6条の規定の適用を容易にするため、この憲章、条約及び業務規則に対する違反に関し、相互に通報することを約束する。


第40条  (人命の安全に関する電気通信の優先順位)

191
国際電気通信業務は、海上、陸上、空中及び宇宙空間における人命の安全に関するすべての電気通信並びに世界保健機関の伝染病に関する特別に緊急な電気通信に対し、絶対的優先順位を与えなければならない。


第41条  (官用電気通信の優先順位)

192
前条及び第46条の規定に従うことを条件として、官用電気通信(附属書1014号)は、当事者が特に請求したときは、可能な範囲で、他の電気通信に対して優先順位を有する。


第42条  (特別取極)

193
連合員は、連合員全体には関係しない電気通信の問題について特別取極を締結する権能を、自己のため並びに認められた事業体及び正当に許可されたその他の事業体のために留保する。ただし、特別取極は、その実施によって、他の連合員の無線通信業務に生じさせ得る有害な混信に関して及び、一般に、他の連合員のその他の電気通信業務の運用に生じさせ得る技術的な支障に関しては、この憲章、条約及び業務規則に抵触してはならない。

第43条  (地域的会議、地域的取極及び地域的機関)

194
連合員は、地域的に取り扱うことができる電気通信の問題を解決するため、地域的会議を開催し、地域的取極を締結し、及び地域的機関を設置する権利を留保する。



第七章  無線通信に関する特別規定

 

第44条 (無線周波スペクトル及び対地静止衛星軌道の使用)

195
1 連合員は、使用する周波数のスペクトル幅を、必要な業務の運用を十分に確保するために欠くことができない最小限度にとどめるよう努める。このため、連合員は、改良された最新の技術をできる限り速やかに適用するよう努める。

196
2 連合員は、無線通信のための周波数帯の使用に当たっては」、周波数及び対地静止衛星軌道が有限な天然資源であることに留意するものとし、また、これらを各国又はその集団が公平に使用することができるように、開発途上国の特別な必要性及び特定の国の地理的事情を考慮して、無線通信規則に従って合理的、効果的かつ経済的に使用しなければならないことに留意する。
 

第45条  (有害な混信)

197
1 すべての局は、その目的のいかんを問わず、他の連合員、認められた事業体その他正当に許可を得て、かつ、無線通信規則に従って無線通信業務を行う事業体の無線通信又は無線業務に有害な混信を生じさせないように設置し及び運用しなければならない。

198
2 連合員は、認められた事業体その他正当に許可を得て無線通信業務を事業体に第179号の規定を遵守させることを約束する。

199
3 連合員は、また、すべての種類の電気機器及び電気設備の運用が第179号の無線通信又は無線業務に有害な混信を生じさせることを防ぐため、実行可能な措置をとることの必要性を認める。
 

46条  (遭難の呼出し及び通報)

200
無線通信の局は、遭難の呼出し及び通報を、いずれから発せられたかを問わず、絶対的優先順位において受信し、同様にこの通報に応答し、及び直ちに必要な措置をとる義務を負う。


第47条  (虚偽の遭難信号、緊急信号、安全信号又は識別信号)

201
連合員は、虚偽の遭難信号、緊急信号、安全信号又は識別信号の伝送又は流布を防ぐために有用な措置をとること並びにこれらの信号を発射する自国の管轄の下にある局を探知し及び識別するために協力することを約束する。

48条  (国防機関の設備)

202
1  連合員は、軍用設備について、完全な自由を有する。

203
2  もっとも、第202号の設備は、遭難の場合において行う救助に関する規定、有害な混信を防ぐためにとる措置に関する規定並びに使用する発射の型式及び周波数に関する業務規定の規定を、当該設備が行う業務の性質に従って、できる限り尊守しなければならない。

204
3  第202号の設備は、また、公衆通信業務その他業務規則によって規律される業務に参加するときは、原則として、これらの業務に適用される規定に従わなければならない。


条文は、http://asaseno.cool.ne.jp/houki/kenshou.htm を利用させていただいた。

 

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