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問4 インターネット等に関する次の問いに答えよ。(小計20点)
 
 

(1) 次の文章は、IPパケットのルーチングの概要について述べたものである。(   )内の
(ア)〜(エ)に最も適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。ただし、
内の同じ記号は、同じ解答を示す。(2点×4=8点)
 

インターネットでは、ルータが受け取ったIPパケットを隣のルータへ、更に隣のルータへ
と転送を繰り返すことで、エンド・ツー・エンドの通信を可能にしている。
あて先により近い適切なルータを決定しIPパケットを目的地に届ける機能は、ルーチング
といわれ、多数のルータで構成されるインターネットでは、経由するルータの組合せは何通り
にもなる。その中から最も(ア) なルートを選択することが、ルータの主な役割の一つで
ある。ルータは、あて先アドレスが所属するネットワークと転送先ルータの関係をまとめた
(イ) といわれる対応表を持っている。ルータは、IPパケットを受け取るたびにIPパ
ケットの(ウ) 中に含まれるあて先IPアドレスを読み出し、(イ) を検索し、あて
先IPアドレスに最適なネットワークの転送先ルータを特定する。
(イ) を設定する方法には、スタティックルーチングと、(エ) といわれるプロト
コルを用いるダイナミックルーチングとがある。
 

<(ア)〜(エ)の解答群>

(1) ラベル(2) ヘッダ(3) フッタ(4) 安全
(5) ユーザデータ(6) 確実(7) 効率的(8) 一般的
(9) トランスレータ(10) ARPテーブル(11) データリンクプロトコル
(12) 状態遷移(13) ルーチングテーブル(14) トンネリングプロトコル
(15) ネットワーク管理プロトコル(16) ルーチングプロトコル

 

インターネットでは、ルーターが受け取ったIPパケットを隣のルーターへ、更に隣のルーターへと転送を繰り返すことで、エンド・ツー・エンドの通信を可能にしている。

あて先により近い適切なるルーターを決定しIPパケットを目的地に届ける機能は、ルーチングといわれ、多数のルーターで構成されるインターネットでは、経由するルーターの組み合わせは何通りにもなる。その中からもっとも(効率的)なルートを選択することが、ルーターの主な役割の一つである。ルーターは、あて先アドレスが所属するネットワークと転送先ルーターの関係をまとめた(ルーチングテーブル)といわれる対応表を持っている。ルーターは、IPパケットを受け取るたびにIPパケットの(ヘッダ)中に含まれるあて先アドレスを読み出し、(ルーチングテーブル)を検索し、あて先IPアドレスに最適なネットワークの転送先ルーターを特定する。

ルーチングテーブル)を設定する方法には、スタティックルーチングと、(ルーチングプロトコル)といわれるプロトコルを用いるダイナミックルーチングとがある。

 

 

 


(2) 次の問いの(   )内の(オ)に適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。(3点)
 

RIPプロトコル及びRIP2プロトコルについて述べた次の文章のうち、誤っているものは、(オ) である。
 

<(オ)の解答群>

(1) RIPプロトコルは、距離ベクトル形のプロトコルであり、ホップ数により
ルーチング先を決めるため、経由するルータ数が最小となる経路が選択される。

(2) RIPプロトコルは、一定時間ごと(例えば、30秒ごと)に、接続されてい
るネットワークに向け、自分の持っているルーチング情報をブロードキャストする。

(3) RIPプロトコルでは、ルーチング情報が到着しなくなった場合、接続が切
れたと判断する。ただし、TCPプロトコルを使用しているため、パケットが
失われた可能性を考慮し、5回までは次のパケットを待っている。

(4)     RIPプロトコルは、サブネットマスクをサポートしていないが、RIP2
プロトコルでは、ルーチング情報の中にサブネットマスクの情報も組み込むことができる。

 

 

 

(1)     正しい

RIPは、ディスタンス・ベクタ・アルゴリズムに基づいたルーティング・プロトコルです。RIPでは、メトリック(ルータのホップ数)がより少ない経路情報が最適経路として使用されます。また、最大メトリックは15となっており、これを超えた場合(16以上)は到達不可能と見なされます。
http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/rensai/iprt04/iprt01.html

(2)     正しい

RIPが経路情報を交換する際には、隣接するネットワークへ30秒ごとにレギュラー・アップデート(更新メッセージ)をブロードキャストします。同様に、隣接するネットワークのほかのルータから30秒ごとにレギュラー・アップデートを受信します。その際に、このレギュラー・アップデートの送信元ルータをネクスト・ホップとし、メトリックを1つ加算して、自身のルーティング・テーブルに追加/更新します。
http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/rensai/iprt04/iprt01.html

(3)     誤り

あるルータより180秒以内にレギュラー・アップデートなどを受信しなかった場合、その相手先ルータにおける障害発生、または、そこに接続されたネットワークが無効になったと見なし、これに該当する経路情報が無効化されます(レギュラー・アップデートは30秒ごとに送受信されるため、6回続けて受信できなかった場合が180秒となり、これに該当する経路情報が無効化されます)。
http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/rensai/iprt04/iprt01.html

RIPは、IP用のルーティング・プロトコルとして、非常に古くから使用されています。このプロトコルは、UDPのブロードキャスト・データ・パケットを用いて、経路情報を隣接ルータにアナウンスします。
http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/rensai/iprt01/iprt01.html

ルーチング情報が到達しなくなった場合の判断は正しいが、プロトコルはTCPではなく、UDP。また待つのは6回。したがって誤り。

(4)     正しい

RIP1のパケットフォーマット


RIP2のパケットフォーマット サブネットマスクなどが拡張されている。

http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/rensai/iprt04/iprt01.html

 

 

 


(3) 次の問いの(   )内の(カ)に適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。(3点)
 

OSPFプロトコルについて述べた次のA〜Cの文章は、(カ)。

A リンク状態形のプロトコルであり、エリアといわれる概念を取り入れた階層構造のネットワークを構築できる。

B 各リンクに対して、ネットワーク管理者が重み付け(メトリック)をすることができ、経路
選択に当たっては、メトリックの合計の一番大きな経路が選択される。

C ルータ間の接続状況の確認には、周期的にHELLOパケットが送信される。
 

<(カ)の解答群>
(1) Aのみ正しい(2) Bのみ正しい(3) Cのみ正しい
(4) A、Bが正しい(5) A、Cが正しい(6) B、Cが正しい
(7) A、B、Cいずれも正しい(8) A、B、Cいずれも正しくない

 

OSPFは、IETFのOSPFワーキング・グループで開発されたIP専用のプロトコルです。OSPFでは、各ルータが「リンクステート」と呼ばれる情報要素を作成し、IPマルチキャストを用いてほかの全OSPFルータに配信します。これを受信したルータは、このリンクステート情報に基づき、ほかのルータがどこに存在し、どのように接続されているのかというLSDBを作成し、ネットワーク・トポロジを把握します。このため、OSPFは「リンクステート・アルゴリズム」に基づいたルーティング・プロトコルと呼ばれています。

 OSPFでは、コスト値(主にインターフェイスの帯域幅により決定)の低い経路情報が最適経路として使用されます。また、一度リンクステート情報が交換されると、この情報に更新がない場合は、基本的にはHelloパケットによる生存確認のみを行います。そして、更新があった場合には、その差分情報だけを交換します。

http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/rensai/iprt01/iprt01.html

http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/rensai/iprt05/iprt01.html

 

A 正しい。
B 管理者が重み付けするのではなく、コスト値が利用される。また、コストやメトリックは、もっとも小さい経路が選択される。したがって間違い。
C 正しい。

 

 

 


(4) 次の問いの(   )内の(キ)に適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。(3点)

IPアドレスについて述べた次のA〜Cの文章は、(キ)。
 

A IPアドレスは、ネットワーク部とホスト部に分けられ、ネットワーク部の値が同一であ
るIPアドレスのホスト部は、同じ値にしてはならない。

B ホスト部のすべてのビットが”1”のIPアドレスは、ブロードキャストアドレスといわれ
る。ブロードキャストアドレスには、ローカルブロードキャストアドレスとダイレクトブロ
ードキャストアドレスとがあり、ダイレクトブロードキャストアドレスは、異なるIPネッ
トワークへブロードキャストするときのあて先IPアドレスとして用いられる。

C サブネットマスクを用いてIPアドレスを表す場合、サブネットマスクによりネットワー
ク部の長さを決めることができる。
 

<(キ)の解答群>
(1) Aのみ正しい(2) Bのみ正しい(3) Cのみ正しい
(4) A、Bが正しい(5) A、Cが正しい(6) B、Cが正しい
(7) A、B、Cいずれも正しい(8) A、B、Cいずれも正しくない

 

A 同一のネットワークアドレスに同一のホストアドレスが存在すると、アドレスの競合エラーがおきるよね。よくやる失敗。(^_^;)  正しい

B ローカルブロードキャストは、たとえば192.168.0.0/24のネットワークの場合、192.168.0.255

  ダイレクトブロードキャストアドレスは、たとえば192.168.1.255など。外部のネットワークへのブロードキャストになる。  正しい

C 正しい

 

 


(5) 次の問いの(   )内の(ク)に適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。(3点)
 
 

IPネットワークにおいて、リソースを確保するために用いられるRSVP(Resource Reservation
Protocol)プロトコル等について述べた次の文章は、(ク) が正しい。
 

<(ク)の解答群>
(1) RSVPプロトコルでは、データの送出側が発信するRESVメッセージと、
データの受信側が発信するPATHメッセージとのやり取りによって、帯域など
のリソースが確保される。RESVメッセージとPATHメッセージの通過経路
は、同一にはならない。

(2) RSVPプロトコルは、ユニキャストのデータ転送のほかに、マルチキャスト
のデータ転送においてもリソースを確保するためのプロトコルとして用いられる。

(3) RSVPプロトコルをサポートしないルータは、RSVPプロトコルのメッセ
ージを中継しないため、同じIPネットワーク上に混在することは許されない。

(4) RSVPプロトコルでいったんリソースが確保されると、この状態は、転送デ
ータ終了まで自動的に保持されるため、確保された状態保持のための定期的なメ
ッセージ交換は必要とされない。また、リソースの解放用のメッセージは用意さ
れていない。

 

 

(1) RSVPメッセージは、PATHメッセージとRESVメッセージの2つのタイプがある。
PATHメッセージは送信者から受信者もしくはマルチキャストアドレスに定期的に送信される。PATHメッセージには、フロースペックの情報を含む。フロースペックの情報には、データフォーマットやソースアドレス、ソースポート、トラフィック特性の情報を含む。この情報は受信者がリバースパスを決定するために利用される。受信者はこのメッセージを受け取るためにはそのセッションのマルチキャストグループに参加する必要がある。
RESVメッセージは受信者から発信され、フロースペックやフィルタスペック等の帯域予約パラメータを含む。フィルタスペックはパケット優先度決定機構に渡される。フロースペックはパケットスケジューラに渡され、必要な QoSを指定する。フロースペックには、Rspec(reserve)と Tspec(traffic)という数値パラメータが含まれる。 RESVメッセージはPATHメッセージの経路の逆を正確に従って伝送される。
http://www.is.titech.ac.jp/~matsuoka/rsvp.html

記述はすべて逆で誤り。
つまり送出側はPATHメッセージを送信、受信側がRESVメッセージを発信する。RESVメッセージはPATHメッセージの経路を戻る。


(2) ユニキャストは、マルチキャストの反対語で、特定のノードに対する通信。「PATHメッセージは送信者から受信者もしくはマルチキャストアドレスに定期的に送信される」から、ユニキャスト、ブロードキャスト共に使用される。正しい。


(3) QoS 受付制御とそのサブネットのクライアントは、リソース予約プロトコル(RSVP)を優先帯域幅要求のメッセージ サービスとして使います。RSVP は、ネットワークのルーティングプロトコルがあらかじめ決定したデータ パスに沿って帯域幅予約を搬送する信号プロトコルです。このプロトコルには次の機能があります。
・マルチキャスト伝送またはユニキャスト伝送をサポートします。
・トラフィック フローのパス内のすべてのネットワーク コンポーネントに予約要求を渡します。
・送信側と受信側のコンピュータ間の各 RSVP 対応 ネットワーク コンポーネントまたはホップ (ルーター、コンピュータ、スイッチなど) で予約を保持します。
・RSVP をサポートしないルーターとスイッチを透過的に通過します。
http://www.microsoft.com/windows2000/ja/server/help/sag_qosrsvpovervw.htm

RSVPをサポートしないルーターは通過するようですので、混在していても問題ないのでしょう。


(4) RSVP は "ソフトステート" であり、予約が定期的に更新される必要があります。予約情報 (予約状態) は各ホップ内でキャッシュされます。ネットワークのルーティング プロトコルがデータ パスを変更すると、RSVP は自動的に新しいルートに沿って予約状態をインストールします。更新メッセージを受信しないと、予約はタイムアウトで自動的に破棄され、帯域幅が解放されます。
http://www.microsoft.com/windows2000/ja/server/help/sag_qosrsvpovervw.htm

PATH TEAR、RESV TEAR ってメッセージがある。TEARって引きちぎるとか分裂するとかいう意味だから、解放用のメッセージとみた。
http://www.is.titech.ac.jp/~matsuoka/rsvp.html


 

 


問4 7 13 2 16 3 5 7 2

 

 

 

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