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問3 プログラム内蔵方式(フォンノイマン形)コンピュータに関する次の問いに答えよ。(小計20点)
 
 

(1) 次の文章は、コンピュータの性能向上の方法の概要について述べたものである。(   )内
の(ア)〜(エ)に最も適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。ただし、
内の同じ記号は、同じ解答を示す。(2点×4=8点)
 
 

コンピュータの性能向上の方法の一つに、複数の命令を一つの命令にまとめて冗長な処理を
除く方法が考えられ、これを実現する技術として、(ア) がある。
(ア) とは、従来、ソフトウェアで実現していたプログラムをマイクロプログラム化し、
命令の実行速度を向上させるものである。
マイクロプログラムは、CPUの内部動作を更に(イ) 化したマイクロ命令で記述され
ている。
(ア) の対象とするルーチンは、ルーチンの(ウ) が大きく、かつ、専有する制御
メモリ容量の(エ) 方が、一般的にコストパフォーマンスが高いといわれる。

<(ア)〜(エ)の解答群>
(1) コンパイラ(2) 細分(3) ロードシェア(4) 構造
(5) 大きい(6) 使用頻度(7) ファームウェア(8) ファイル
(9) 小さい(10) 統合(11) ハードウェア(12) 速い
(13) 低い(14) 一様(15) プログラムサイズ

 

コンピューターの性能向上の方法の一つに、複数の命令を一つの命令にまとめて冗長な処理を除く方法が考えられ、これを実現する技術として、(ファームウェア)がある。

(ファームウェア)とは、従来、ソフトウェアで実現していたプログラムをマイクロプログラム化し、命令の実行速度を向上させるものである。

マイクロプログラムは、CPUの内部動作をさらに(細分)化したマイクロ命令で記述されている。

ファームウェア)の対象とするルーチンは、ルーチンの(使用頻度)が大きく、かつ、専有する制御メモリ容量の(小さい)方が、一般的にコストパフォーマンスが高いといわれる。

 

 

 


 (2) 次の問いの(   )内の(オ)に適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。(3点)
 

CPUの動作等について述べた次の文章のうち、誤っているものは、(オ) である。
 

<(オ)の解答群>
(1) CPUの命令は、通常、実行操作を示すオペコード(オペレーションコード)と命令
の操作対象となるアドレスなどを示すオペランドとから構成されている。
(2) CPUが命令を実行するために、デコードといわれる動作により、CPUに読み込
まれていた命令が解読される。
(3) CPUの処理を複数のステージに分割し、複数の命令の同一ステージを段階的に並
列に処理して高速化を図る方法は、マルチプロセッシングといわれる。
(4) アドレッシングの方式には、大別して、絶対アドレッシング方式と相対アドレッシ
ング方式とがある。相対アドレッシング方式の一つに、ベースレジスタに格納されて
いる値と命令の中のディスプレースメントを加えて実行アドレスを生成する方式がある。

 

(1)     CPU命令 オペコード 実行操作

           オペランド 操作対象となるアドレスなど   正しい

(2)     デコード → 命令解読 → 命令実行
decode  エンコードによって暗号化されたデータを元の状態に戻すこと。    正しい

(3)     マルチプロセッシング 複数のCPUを使用して並列処理を行うこと。並列処理の実行方式として、SMP(どのCPUも対等で対称的)とASMP(役割分担があり非対称的)の2種類がある。

設問の方式は、たぶん「パイプライン処理」。 誤り

 マイクロプロセッサは、命令をフェッチ(fetch:取り出し)し、デコード(decode:命令の解釈)し、それを実行(execute)することでプログラムコードの処理を行なっている。パイプラインとは、これらの別々の作業を順次同時に行ない、実行ユニットを無駄に待たせることなく、次々と実行することで高速化を図る手法。 http://yougo.ascii24.com/gh/00/000020.html

(4)     アドレッシング 絶対アドレッシング方式
          相対アドレッシング方式 ベースレジスタに格納されている値に、命令の中のディスプレースメントを加えて、実行アドレスを生成
addressing mode  CPUの命令中においてオペランドの場所を指し示す方法のこと。レジスタ相対アドレッシング、多重間接アドレッシングなどがある。    正しい

 

 

 


(3) 次の問いの(   )内の(カ)に適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。(3点)
 

メモリ素子について述べた次のA〜Cの文章は、(カ) 。
 

A SRAMは、複数個のトランジスタによって1ビットのセルが構成されており、通常、ア
クセスタイムがDRAMより長いことから、メインメモリによく利用される。

B DRAMは、SRAMと比較して、安価に大容量メモリ構成を実現できるが、メモリ内容
を保持するために、一定時間間隔でのリフレッシュ動作が必要とされる。

C EEPROMは、電気的にデータを書き込むこと及び電気的にデータを消去することがで
きる不揮発性メモリの一種で、パーソナルコンピュータのBIOSの格納用などに用いられている。

<(カ)の解答群>
(1) Aのみ正しい(2) Bのみ正しい(3) Cのみ正しい
(4) A、Bが正しい(5) A、Cが正しい(6) B、Cが正しい
(7) A、B、Cいずれも正しい(8) A、B、Cいずれも正しくない

 

A Static RAM   4〜6個のトランジスタで構成されたメモリセルでbitの情報を記憶するRAM。DRAMのようなリフレッシュの必要はない。DRAMに比べると、SRAMはアクセスタイムを大幅に高速化できるので、PC互換機では外部キャッシュによく使われる。また消費電力についても、速度さえ落とせばDRAMよりはるかに小さくできるため、バッテリバックアップの必要なRAMにも利用される。 誤り

 

B Dynamic RAM   bitの情報を記憶するメモリセルが、コンデンサとトランジスタ1つずつで構成されているRAM。コンデンサに電荷が溜まっているかどうかで“1”か“0”かを判別する。このDRAM内部のコンデンサは、放置しておくと自然に放電してデータを失ってしまうという特性がある。そのため、完全に放電してしまう前にコンデンサを再充電する必要がある。これをリフレッシュという。DRAMには必ず一定期間内にリフレッシュサイクルを必要なだけ与えなければならない。リフレッシュサイクル中はデータの読み書きができず、CPUからのアクセスも待たされるため、速度低下の一因となる。このような理由もあって、DRAMはSRAMより遅くなる傾向がある。しかし記録密度については、同程度の製造技術を用いた場合、DRAMはSRAMの約4倍の密度を実現できる。その分、単位容量あたりのコストもDRAMのほうが安い。 PC互換機では、メインメモリに汎用のDRAMが用いられる。またグラフィックスカードの表示用メモリには、汎用のDRAMのほかグラフィックスに特化したマルチポートDRAM(VRAMと呼ばれることもある)も使われる。 近年、DRAMのアクセス速度を向上させたRDRAMやシンクロナスDRAMが登場しており、これらをPC互換機にも応用しようとする動きが見られる(現在メインメモリに使われているDRAMでも、高速ページモードを使ってアクセスタイムを縮めることは一般的に行なわれている)。   正しい

 

C Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory   電気的に消去(書き換え)できるROM電源を切ってもデータは消えない。データの消去には5Vより高い電圧が必要だが、最近のEEPROMは内部で電源電圧の5Vを昇圧しているため、基板に実装したままデータを消去して書き換えるのが容易になった。そのためシステムの動作中にデータを書き換えることができる。ただEEPROMには、およそ数十万〜百万回までしか、消去/書き換えができないという欠点がある。さらにEEPROMはそのデータを1bitだけ書き換えるときにも、すべてのbitをいったん消去して書き換えなければならないため、RAMのようにランダムな読み書きは困難だ。この欠点を改良したのがフラッシュメモリである。    正しい

 

 

 


 (4) 次の問いの(   )内の(キ)に適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。(3点)
 

一般的な一つのCPUから成るコンピュータの場合のCPUへの割り込みについて述べた次
の文章は、(キ) が正しい。
 

<(キ)の解答群>
(1) 通常、メインメモリへのデータ書込み時のパリティエラー等の異常は、割り込
みで通知されるが、入出力装置の正常終了は、割り込みとして通知されない。

(2) アプリケーションプログラムなどのデバッグ時に使用され、一命令実行ごとに
強制的に発生する割り込みは、一般に、スーパバイザコールといわれる。

(3) 割り込みが発生すると、新たなプロセスとしての割り込みハンドラが起動され、
割り込み処理が実行される。

(4) 割り込みの処理を実行中に、他の割り込みが発生した場合、どのようなときで
も即座に新たな割り込みに対応する処理が実行される。

 

(1)     割り込み
ある連続した処理の最中に、別の処理を行なわせること。 たとえばキーボードなどのデバイスからCPUへのデータ転送は、CPUの処理とはまったく非同期に行なわれる。いつ起こるか分からないキーボード入力をCPUが待っているのでは効率が悪いので、CPUには他の処理をさせておき、入力が起こった時点でこれに割り込みをかけ、キーボードの処理を行なわせるようにする。具体的には、デバイスはCPUに割り込み信号を送ることで、デバイスからCPUへのデータ転送要求を伝える。するとこの割り込み信号を受け取ったCPUは、それまで行なっていた処理を中断し、割り込みハンドラと呼ばれるルーチンを実行する。

入出力装置の正常終了も割り込みとして通知される。キーボード入力や出力処理の終了も割り込ませないといかんわなぁ。 誤り

(2)     スーパバイザコール
プログラムがOSのカーネルに処理を依頼するための命令。この場合の「スーパバイザ」と「カーネル」はほぼ同義である。
一般的なOSでは、OSカーネル以外のプログラムが勝手にタスクを切り替えたり入出力装置にアクセスすることは許されていない。そこで、一般のプログラムがカーネルの機能を利用する場合には、プログラムはSVC(スーパーバイザコール)を利用してOSカーネルに処理を依頼し、実際の処理はカーネルが特権を利用して行なっている。
日常的な感覚としては、団体のメンバーが管理人に対して、対外的な作業や個人情報の変更を依頼するようなものに近い。

デバッグで一命令ごとに実行するのは、ステップモード?  誤り

(3)     (1)の割り込み参照  正しい

(4)     割り込み中は他の割り込みを受け付けない、のかな。  誤り

 

 

 


(5) 次の問いの(   )内の(ク)に適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。(3点)
 
 

仮想メモリについて述べた次のA〜Cの文章は、(ク) 。

A 仮想メモリは、通常、メインメモリとハードディスクなどの外部記憶媒体とを組み合わせ
て使用され、OSの介在なしにハードウェア機構のみで実現される。

B アドレス変換方式の一つであるページング方式では、アプリケーションプログラムに対し
て、仮想アドレス空間上に連続したアドレス領域の割り付けはできるが、メインメモリサイ
ズを超える仮想アドレス空間へのマッピングはできない。

C 仮想アドレス空間にアクセスを要求されたアドレスが、実アドレス空間に存在しない場合、
フラグメンテーションといわれる割り込みが発生する。
 

<(ク)の解答群>
(1) Aのみ正しい(2) Bのみ正しい(3) Cのみ正しい
(4) A、Bが正しい(5) A、Cが正しい(6) B、Cが正しい
(7) A、B、Cいずれも正しい(8) A、B、Cいずれも正しくない

 

virtual memory  仮想的なメモリ機構によって生成される、仮想的なメモリ領域。仮想メモリは、最終的には適当な物理メモリにマップされる。 コンピュータで実行されるプログラムコードには局所性があり、ごく短い時間で実行されるコードは、コード全体のほんの一部でしかない。言い換えれば、ごく短い時間では、物理メモリに存在しなければならないコードは全体のごく一部でよいということだ。仮想メモリシステムでは、この特性を利用して、仮想メモリ領域のごく一部だけに物理メモリを割り当てることで、物理メモリ量を超える仮想メモリ空間を作り出したり、複数の仮想空間を作り出したりする。 そして仮想メモリシステムでは、物理メモリが不足すると、一定時間以上アクセスされていない物理メモリの一部をスワップファイルと呼ばれる一時ファイルに待避し、その物理メモリを空きにする。逆に一度スワップファイルに追い出したメモリが必要になったら、ファイルからこれを読み出し、再度物理メモリにロードする。 通常こうした仮想メモリのメカニズムは、上位のアプリケーションからは直接には見えない。アプリケーションは、広大な仮想メモリ空間を占有しているかのように振る舞うことができる。仮想メモリへの物理メモリの割り当てや、物理メモリ←→スワップファイル間のデータのやり取りは、すべて透過的に、仮想メモリ機構によって行なわれる。

 

ページング方式はユーザのプログラムをページと呼ばれる長さで分割して、これを同じ長さで分割したメインメモリのブロックに割り当てるもの。

 

アドレス空間

ハードウェア、またはソフトウェアから参照可能なメモリ領域のこと。

コンピュータのメモリには、1byteごとにその住所(アドレス)がつけられており、このメモリにデータを書き込んだり、メモリからデータを読み出したりする場合には、それに対応するアドレスを指定する必要がある。この住所(アドレス)として利用できるメモリの総計がアドレス空間である。

最近のOSでは、仮想アドレス空間が利用できるようになっており、システムに搭載された物理メモリよりも大きなサイズのメモリ空間を利用できるようにしている。

 

フラグメンテーション

別名:断片化, 細分化

記憶装置の使用領域の断片化のこと。

ディスクに対して書き込みと削除を繰り返し行なうと、ディスク内でのファイルの配置が不連続になり、連続した空き領域が少なくなるため、どの空きスペースにも入りきらないファイルが増え、ファイルを分割して2つ以上の空き領域に分けて保存するようになる。
 このようなファイルの分割保存が増えると、OSの処理量の増大やドライブのヘッドの移動量の増大を招き、読み書き速度の低下につながる。また、ヘッドの移動は物理的な動作を伴うため、故障を誘発しやすい(耐用年数が低下する)とも言われている。
 コンピュータを長く使用していると次第にディスクのフラグメンテーションが進行し、ファイル操作の速度が低下していく。このため、最近のOSには、フラグメンテーションを解消する「デフラグ」(デフラグメンテーションの略)と呼ばれるユーティリティソフトが搭載されている。このソフトは、ディスク内のファイルを先頭から再配置し、ファイルの分割状態を解消して、連続した空き領域増やす。

 

 

A OSの介在なしに仮想メモリが実現されることはないと思う。 誤り

B ページングはアドレス変換ではないみたいだ。 誤り

C フラグメンテーションは割り込みではない。 誤り

 

 

 


公式解答

問3 7  2 6  9 3 6 3 8

 

 

 

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