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電気通信主任技術者試験

平成14年度第2回

第一種伝送交換主任技術者

データ通信


問1 ISDNに関する次の問いに答えよ。(小計20点)
 

(1) 次の文章は、ISDNユーザ・網インタフェースのレイヤ3の概要について述べたものである。
(   )内の(ア)〜(エ)に最も適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。(2点×4=8点)

ISDNユーザ・網インタフェースは、(ア) モデルに準拠して規定されている。
レイヤ3は、レイヤ2の情報転送手段を利用して、主に、メッセージといわれる呼制御用の信号や
パケット情報をTEと網間でやり取りし、TEと相手TE間の呼の設定、(イ) 、解放等を行う機能と、
(ウ) サービスを提供するための制御機能とを提供している。
また、レイヤ3のねらいは、基本インタフェースと(エ) インタフェースで共通に適用されること、回線交換
とパケット交換とで共用されること、電話とデータ通信でも区別なく汎用性が保てること等が挙げられる。

<(ア)〜(エ)の解答群>

(1) 予約(2) ライフサイクル(3) プロトタイプ(4) 維持
(5) シリアル(6) OSI基本参照(7) 定義(8) 運搬
(9) 付加(10) ディレクトリ(11) 一次群速度(12) メール
(13) デザイン(14) ホスティング(15) マンマシン(16) パラレル

 

 

(ア)     ISDNインターフェースも階層構造となっているので、準拠されると思われるモデルは「(6)OSI基本参照」モデル

(イ)     呼の設定と解放の間にあるものとすれば、呼の「(4)維持」

(ウ) TE間の呼の設定、解放は回線交換なので、その他のサービスとしては「(9)付加」サービスか?

(エ) 基本インターフェースに対して「(11)一次群速度」インターフェース

 

ISDNユーザ・網インタフェースは、OSI基本参照モデルに準拠して規定されている。

レイヤ3は、レイヤ2の情報転送手段を利用して、主に、メッセージといわれる呼制御用の信号やパケット情報をTEと網間でやり取りし、TEと相手TE間の呼の設定、維持、解放等を行う機能と、付加サービスを提供するための制御機能とを提供している。

また、レイヤ3のねらいは、基本インタフェースと一次群速度インタフェースで共通に適用されること、回線交換とパケット交換とで共用されること、電話とデータ通信でも区別なく汎用性が保てること等が挙げられる。

 

 

 


(2) 次の問いの(   )内の(オ)に適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。(3点)
 
 

レイヤ3のメッセージ構成について述べた次の文章のうち、誤っているものは、(オ)である。
 

<(オ)の解答群>

(1) メッセージ構成は、すべてのメッセージに含まれる共通部と、個々のメッセージの種類により
異なる個別部とから成り、共通部の一要素として、プロトコル識別子がある。

(2) 呼番号は、同一インタフェース上の複数の呼に対して、各メッセージがどの呼に対応する
メッセージであるかの識別に使用され、発呼時はTE側で、着呼時は網側で割り当てられる。

(3) 個別部を構成する情報要素には、メッセージによっては必ず含まれる必須情報要素と
必要な場合のみ含まれるオプション情報要素とがある。

(4) 個別部を構成する情報要素は、すべて同一固定長のフォーマットである。

 

 

(1)     http://www1.harenet.ne.jp/~hiharada/terms/219.htm 正しい

(2)     http://www1.harenet.ne.jp/~hiharada/terms/220.htm 正しい

(3)     よくわからないが、個別部には必要に応じて情報要素が付けられるようなので、正しいと思う

(4)     http://www1.harenet.ne.jp/~hiharada/terms/221.htm 個別部の情報要素内容は可変長なので、誤り

 

 

したがって、誤っているのは(4)

 

 

 

共通部

              プロトコル識別子  

呼制御メッセージ

                            パケット交換呼

              呼番号

                            送信されるメッセージが、どの端末から送られたものか区別するための番号

              メッセージ識別子

                            呼設定用

                            通信中

                            切断用

                            その他

 

個別部

              伝達能力

                            転送モード

                                          パケット交換

                                          回線交換

                            情報転送速度

                                          Bチャンネルの回線速度

                            情報転送能力

                                          音声情報

非制限ディジタル情報

3.1KHzオーディオ情報

              チャンネル識別子

                            インタフェース種別

                            チャネル変更不可表示

                            Dチャネル選択種別

                            情報チャネル選択

              「着番号」情報要素

              「低位レイヤ整合性」情報要素

「高位レイヤ整合性」情報要素

情報要素識別子

              単一固定長情報要素

              可変長情報要素

              網特有の情報要素

 

 

 


 

(3) 次の問いの(   )内の(カ)に適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。(3点)
 
 

レイヤ3のメッセージの種類等について述べた次のA〜Cの文章は、(カ) 。

A レイヤ3のメッセージには、呼設定用のメッセージと呼解放用のメッセージとのほかに、
通信中でも転送される通信中用のメッセージなどがある。

B レイヤ3のメッセージは、レイヤ2の情報フレーム又は非番号制情報フレームの制御フィ
ールドに格納されて転送される。

C 回線交換の呼の発信手順において、着信者側からのCALL PROCメッセージと発信
者側からのCONN ACKメッセージの送出は、専用回線などを利用して直接端末相互を
接続したときでも動作できるように、オプションとなっている。

<(カ)の解答群>
(1) Aのみ正しい(2) Bのみ正しい(3) Cのみ正しい
(4) A、Bが正しい(5) A、Cが正しい(6) B、Cが正しい
(7) A、B、Cいずれも正しい(8) A、B、Cいずれも正しくない

 

 

A 下表のとおり。正しい

B レイヤ3のメッセージが非番号制情報フレームの制御フィールドに格納されることはないだろ? 誤り

C 下表はメッセージ種別の内容。「CALL PROC」と「CONN ACK」はオプション 正しい

 

ってことで、(5)A、Cが正しい

 

 

参考にさせていただいたホームページ HiHarada's Home Page

 

 

 


(4) 次の問いの(   )内の(キ)に適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。(3点)
 

情報チャネルのチャネル選択手順について述べた次のA 〜 C の文章の下線の部分は、(キ) 。
 

A 発信の場合、発信TEから使用チャネルを指定するときは、SETUPメッセージのチャ
ネル識別子情報要素を用いて網に通知する。

B 発信の場合、使用チャネルの指定がチャネル指定変更不可のとき、発信TEで指定された
網側のチャネルが空いていれば、発信TEで指定されたチャネルが、SETUPメッセージ
に対し網から最初に返送されるメッセージに含められ、発信TEに通知される。

C 発信の場合、使用チャネルの指定が任意チャネル可のときで、かつ、網側に空きのチャネ
ルがないとき、網から発信TEに、DISCメッセージが返送される

<(キ)の解答群>
(1) Aのみ正しい(2) Bのみ正しい(3) Cのみ正しい
(4) A、Bが正しい(5) A、Cが正しい(6) B、Cが正しい
(7) A、B、Cいずれも正しい(8) A、B、Cいずれも正しくない

 

 

まったくわからない。(^_^;) が。

SETUPとは呼設定のこと。Aの記述は正しいように思う。

要求に対してNTから返送があるというBの記述も、正しい気がする。

空きチャンネルがなかったとき返されるメッセージはDISCなのか?

DISCは呼終結時の切断メッセージなので、使用チャンネルの指定時の返送とは違うような気もする。

ってことで、(4)A、Bが正しい。

 

 

参考資料 NTTの技術参考資料第3分冊

 

4ページによると(抜粋)

 

「呼設定」メッセージにおいて、ユーザは“チャネル識別子”情報要素により次の1つを表示しま

す。

a) 希望チャネル、他チャネルへの変更不可。

) 希望チャネル、他チャネルへの変更可。

) 任意チャネル。

 

つまり、使用チャンネルの指定はチャンネル識別子を使用するってことなので、記述Aは正しい。

 

同じく4ページ(抜粋)

 

選択した情報チャネルは、「呼設定」メッセージに対して網から返送する最初のメッセージ(すな

わち、「呼設定受付」メッセージ)中の“希望チャネルあり、他チャネルへの変更不可”を含む“チ

ャネル識別子”情報要素に示されます。このメッセージ送出後、網は、情報チャネルの接続を行いま

す。

 

ってことなので、記述Bも正しい。

 

5ページ(抜粋)

 

a)の場合に指定されたチャネルが利用できないか、又はb)、c)の場合にチャネルが利用でき

ないならば、網は3節の規定に従って、それぞれ“理由表示(#44:要求回線/チャネル利用不

可)”又は“理由表示(#34:利用可回線/チャネルなし)”を含む「解放完了」メッセージを送

出します。

 

空きチャンネルがないとき返されるのは、「切断(DISC)」ではなく「解放完了(REL COMP)」メッセージなので、記述Cは誤り。

 

 

 


(5) 次の問いの(   )内の(ク)に適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。(3点)
 

回線交換の呼の切断・復旧の手順について述べた次の文章は、(ク) が正しい。

<(ク)の解答群>

(1) 通信を終了したいTE1 からDISCメッセージを受信した網は、情報チャネ
ルを解放し、相手TE2 に対してDISCメッセージを送信する。
(2) DISCメッセージを網に送信後、網からRELメッセージを受信したTE1
は、情報チャネルを切断し、RELメッセージを網に送信する。
(3) 網からDISCメッセージを受信した相手TE2 は、情報チャネルを切断し、
RELメッセージを網に送信する。
(4) RELメッセージを網に送信した相手TE2 は、網からRELメッセージを受
信すると、情報チャネルと呼番号を解放する。

 

(1)     TE1からDISCメッセージを受信した網は、情報チャンネルを「切断」し、TE2に対してDISCメッセージを送信するので、誤り

(2)     DISCメッセージを網に送信したTE1は情報チャンネルを切断して切断要求状態に偏移する。
また、RELメッセージを受信した後はREL COMPメメッセージを網に送信する。したがって、誤り

(3)     正しい

(4)     RELメッセージを送信したTE2は、網からREL COMメッセージを受信して、情報チャンネルと呼番号を解放するので、誤り

 

ってことで、(3)が正しい

 

「工担マスター アナログ・デジタル総合種」より

 

 

参考ページ

第3分冊(レイヤ3回線交換編) 第5版

5. 回線交換呼制御手順(PDFファイル, 53pages 396K)

 

 

 

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